| WONDERFUL WORLDというバンドはどういう経緯で始まったんですか？
WONDERFUL WORLDは、もともと僕の“ひとりバンド”だったんです。“ひとりバンド”っていってもライブ活動はやってなくて、音源制作メインだったんですけどね。2005年の秋ぐらいから今年の春前くらいまで7曲くらい作ったんですけど、その頃から“バンドやりたい！”って思い始めて。あの手この手でメンバー探しを始めたという。 WONDERFUL WORLDってバンド名には凄くポジティヴな空気感がありますよね。 サム・クック？ あるいはルイ・アームストロング？！なんてね（笑）。WONDERFUL WORLDって、パッと見にはすごくゴージャスな言葉に見えるけど、実は「僕の毎日が小さな素晴らしき世界でありますように」っていうささやかな願いだったりするんです。そういう“「小さな素晴らしき世界」たちが、出会って、交わって、少しでも大きくなっていけばいいな”って。 WONDERFUL WORLDでも相変わらずマルチっぷりを発揮しているんですか？ まず僕が作詞作曲してヴォーカルとギターというのは今まで通りなんですけど。しかも今までだと、「ギターやってパソコンいじって歌って…」みたいな落ち着かない役回りが多かったけど（笑）、今はほぼ歌に集中って感じです。 個人的に今まで山根さんには勝手にクールな印象を抱いていたんですけど（笑）。 いや、今は“首筋に血管浮かせて汗かき歌うのも悪くないね〜”って（笑）。なんかそういうのも楽しいですね。 WONDERFUL WORLDではどういうメンバー構成で活動しているんですか？ まずリードギターがよしとですね。テレキャスターをほぼアンプに直。なのに自由自在に音色を変えてしまうギタリストなんです。年齢も音楽的キャリアも一番上なんで、バンド全体のサウンド・アドバイザー的な存在ですね。人間的にも尊敬できるし、メンバーからの信頼は厚いです。ベースのジュンは身体全体が楽器って感じ（笑）。6弦ベースを操り、ベースラインを歌わせることのできるプレーヤーですね。アイデアも豊富で、リハ段階で構想やアレンジを提案してくれる。引き出しが多いっていうか、感性が研ぎ澄まされてるんです。あと残念ながら今回のライヴでは出演できないんですけど、ヒロキっていうキーボード奏者もいるんです。ジャズ・ピアノを得意としていて、サックスも吹けるプレイヤーなんですけど。彼は歌ものバンドは今回が始めてみたいなんで、まだ楽譜をさらっている段階ですけど、自由にプレイさせると楽しみな存在ですね。 ドラマーのタケさんとは長い付き合いなんですよね（笑）。 タケとは何度か一緒にバンドやってきた付き合いなんですけど、キーボード、ベース…と、その度にパートが変わるユーティリティー・プレイヤーという（笑）。今回は本職のドラムです。僕が「こうしたい」って思うことを、口に出す前に理解して実践してくれるんです。ノッたら止められないドラマーですね（笑）。 そもそも山根さんってどんな音楽性を目指して活動を始めたんですか？ う〜ん、音楽性っていうと難しいですね。リスペクトしてるミュージシャンはいるけど、自分自身がそうなりたいかどうかはまた別の話で。WONDERFUL WORLDはあくまでWONDERFUL WORLDでありたいわけだから。すごく単純で、難しいことかもしれないけど、とにかく「よいもの」を作りたいんですよ。自分たちが「よい」と思ったものを作り、自信を持って歌い、演奏する。これがすべてかもしれないですね。 曲作りってどんな感じに行なっているんですか？ 曲の作り方は、う〜ん、どうだろう？ むしろ一般的かなぁ。鼻歌歌ってるうちになんとなく曲になって、ギター弾いて。おおよそ浮かんだらパソコンに向かってMIDIを組んで、楽器や歌を録音して、ミックスするという。特に特別なことはやってないですね。「全裸で逆立ちしながら作ってます！！」みたいなことは（笑）。 （笑）。なんか曲作りにすんごい時間をかけているイメージがあるんですよ（笑）。 たしかに曲作りに関してはその時その時でまちまちだですねぇ…。現時点では時間的にも1ヶ月に1曲が限界…（笑）。 WONDERFUL WORLDで久々のバンド編成での演奏活動を開始したわけですが、やっぱり“バンドって最高！”って思います？ カウント入って一発目に出た音。あれにはガツンとやられちゃう（笑）。“もう歌わなくてもいいか！！”な〜んて思っちゃうくらい（笑）。 いやいや、歌ってくれないと（笑）。 あとはやっぱ「インプットの多さ」かなぁ。5人いれば、いろんな意見や案がでるし。「あぁ、なるほど」っていうことが多い。そこから「どうアウトプットさせるか」ってのも面白さのひとつかもしれないですね。 逆に“バンド活動でつくづく難しいな”って思うことはありますか？ 強いて言えばメンバーのスケジュールをフィックスすることかな？ あとはないです。メンバーみんな最高だから！ WONDERFUL WORLDのセールスポイントはどういうところにあると思いますか？ “音楽に対して誠実であること”ですね。これしかない。 今、大人のバンド活動がブームになっているんですよ。そうした現在の音楽シーンについてどう思われますか？ 本来そうあるべきだと思うんです。“音楽に年齢や人種や性別は関係ない”ですから。 WONDERFUL WORLDのこれからの展開が凄く楽しみなんですが。 年内はとりあえずライヴは終わりで、これから楽曲制作期間に突入することになっています。今までの曲は打ち込みが多かったけど、生音に挑戦したいんです。楽曲制作に関しても、これまでだとほとんど僕の個人ワーク色が強かったけど、製作段階でのアレンジや録音に関してもメンバーも参加してもらおうと思っていますね。で、年明けからは新曲を引っさげてライヴ活動を再開したいなと。決してライヴの本数は多くなくとも、質を高めていきたいですね。 |