「☆天性人後・その1・2」

「☆天性人後・その3・4」

「☆天性人後・その5」

 「☆天性人後・その9」

   1765年、「紅毛談」という著書がでた。オランダ人が五年に一度将軍謁見で江戸にやって来て、江戸に住んでいるある学者が通訳たちと会見し、オランダのいろんな習慣、風土の話を聞いて、それをまとめたもので、彼はそれを「紅毛談」として出版した。

 キリシタンのキの字もでてないたわいもない無邪気な内容のものであったが、それが、お上もおそれぬふとどき者と、これがすさまじい処罰を受けた。そんな時代に前野良沢、杉田玄白らはオランダの本を完成しようとしている。

 さて、予告の「解体約図」には作者の中に前野良沢の名がない。それは彼が、中津藩であるため、万が一の場合を考え、幕府に遠慮したのだ。彼らは、一応、田沼意次には献上しているし、田沼は洋書に対しては理解があるし、それに、平賀源内ともじっこんであることから、そういうところから、「解体新書は」なんとか世に出れたのかもしれない。

 解体新書が世に出たのは、安永3(1774)8月である。なんと4年で完成したのである。ちなみに、その著書の扉絵、その他図柄は、秋田藩小野田直武(佐竹氏家臣)、彼は平賀源内の蘭画の弟子である。

参考文献・みなもと太郎著「まんが、風雲児達」2009/11/29

「☆天性人後・その6」

「☆天性人後・その7」

「☆天性人後・その8」