[ DAIGO VORTAC D-VOR ]
VOR(超短波全方向式レンジビーコン)は、108MHzから118MHzの電波を利用して、全方向からVOR局からみた自分の方位を決めることが可能な航法援助施設です。VOR局からは0度の方向に送出するのと同じ位相の30Hz基準位相信号を振幅変調で送出し、方位によって位相が変化する可変位相信号(30Hz)を周波数変調で送出し、両者の位相差により
VOR局からみた自分の方位を決めます。受信した電波がどのVOR局から送信されたかを容易に識別できるように、AM(振幅変調)により3文字の識別符号をモールス信号で変調し送信しています。
飛行機では、電波の送信方法を探知して、進行方向や現在位置の決定に使われます。
VOR単体では、VOR局からの距離が測定出来ないので、普通DMEや
TACANと併用され、それぞれVOR/DME運用、
VOR/TAC運用とよばれます。VOR単体での運用は稀ですが、国内ではZAO-YAMADA
VORがILSのコンパスロケータとしてVOR単体での運用をしています。
精度は、古くからの方法のVORで2度、Doppler現象を用いたもの(DVOR)で0.8度と言われています。(さらに高精度のPVORという方式が研究されましたが、これは精度が0.3度程度のようです。国内で実用には供されていません。)在来型のVORでは、周囲の建築物や樹木・地形の影響を受けやすく障害物の無い場所に設置されていましたが都市化の広がりに伴い、周囲の環境が変化したり、また精度を向上させるためにも周囲の影響を受けにくいDVORへの改修が行われています。このページで紹介するVORはすべてDVORになっています。
DVORには,2種類あり高い周波数の副搬送波のみを送出するタイプ(SSB
DVOR)と,対向する2つのアンテナから高低それぞれの副搬送波に相当する電波を送出するタイプ(DSB
DVOR)があります。
短距離航法システムの国際標準の一つです。(ICAO)
例
AMI (茨城県稲敷郡阿見町) 識別符号 TLE
DAIGO (茨城県久慈郡大子町) 識別符号 GOC
MORIYA (茨城県北相馬郡守谷町) 識別符号 SNE
SEKIYADO (千葉県東葛飾郡関宿町) 識別符号 SYE
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