VORTAC
識別符号 GOC
周波数 115.3MHz(Ch.100)
場所 茨城県久慈郡大子町 N36 44' E140 21'
茨城県では有名な観光地である袋田の滝がある大子町にあります。町の中心部には大子NDB(大子航空無線標識所)がありますが、DAIGO
VORTACはここから車で約10分程山道を登った太郎山山頂に設置されています。普段は無人で
大子航空無線標識所で遠隔保守されており、月に1回程度保守のために人が登る程度だそうです。
山頂にあるためしばしば落雷があり、TACANのアンテナや装置に被害を受けたこともあるそうです。また、山麓からつながる電線にも落雷することがあり、このような様々な原因でおきる停電事故にたいおうするため非常用電源装置が設置されています。18年ほど前に北海道松前にあった松前ロラン局を見学したときに設置されていた電源装置は、大きな弾み車を持つモータをまわし、その慣性で発電器をまわし電源の周波数の変動や位相のずれを吸収するほか事実完全な無停電を実現していましたが、ここでは電源が落ちてから5秒程度で復旧するようです。燃料は24時間以上無補給で運用できるように貯蔵されているそうです。
この地点はV22、V32、R211、W18の交差する点で、東日本を飛行する航空機には主要な通過地点になります。また、この地点はCompulsory
Reporting Point(DAIGO)になっており、通過する航空機は東京航空交通管制部
(Tokyo Control)に124.1MHzで報告をすることになっています。
大子VORTACには、RCAG(遠隔対空通信サイト)と呼ばれる送受信設備が併設されていて、この施設を使い東京航空交通管制部と航空機が通信をします。
このGOCも阿見、関宿、 守谷と同じようにDVORですが、カウンタポイズ(アンテナの下におかれる金属板)がありません。これは、山頂で周囲に影響を与えるものが存在しないためではないかと思います。
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