VORとDME(Distance Measuring Equipment/距離測定装置)を併設した無線標識で、主要な空港に行くと滑走路の脇にみることが出来ます。
複数のVOR局からの電波を用いて、地図上で現在位置を求めることは可能ですが、煩雑なため、一つの無線標識局から電波だけで方位と距離求めることが出来るように設置されています。
DMEは次のようにして、無線標識と飛行機の距離を決めます。 機上の装置(Interrogator)から、DMEに対し問い合わせ信号を送信します。地上の装置 (Transponder)は航空機からの問い合わせ信号を受信すると、一定の時間遅延をおいて、応答信号を送出します。Interrogatorは問い合わせの送信から応答の受信までに要した時間から、DME局と自機の距離を算出する方法です。 使用される電波は960〜1215MHzです。常時、毎秒2700回ランダムパルスが DME局をから送信されていて、応答はこのうちの1パルスを置き換えることで実現します。Transponder1台で約100機までサービスを提供する能力があります。
このDMEはTACANの距離測定部分と同等ですのでVOR/TAC
(VORとTACANが併設された局)もVOR/DMEと同等の機能を果たします。また2つのDME局と1つのVOR局の電波を用いて位置を決めると、VOR/DME単独での精度より高い精度で位置を決定できます。
短距離航法システムの国際標準の一つです。(ICAO)
例
AMI (茨城県稲敷郡阿見町) 識別符号 TLE
MORIYA (茨城県北相馬郡守谷町) 識別符号 SNE
SEKIYADO (千葉県東葛飾郡関宿町) 識別符号 SYE
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鳥瞰写真の世界/BIRD'S
EYE PHOTO WORLD
滑走路の接地帯脇に接地され,接地帯までの距離を測定するために用いられるTerminal
DME (T-DME) については別のページを参照してください。
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