HUD

(Head Up Display)


頭飾り?なんのこっちゃ
フッド?
ハッド?
ハット? ぼうし?
鳩? そう言えば我が家の庭に鳩が巣を作って毎日ボッボ・ボッボと鳴いています
ハッドトリック? 1試合で3ゴール? 世界の壁は厚い サッカーもオールスターあるんだ!

ぼけは、この辺で

ご質問がありましたので
今回はHUDのお話です


HUDはハッドと言います
カッコつけてエッチユーディーと言う人もいます
半々かな
エンジニアは、エッチユーディーと言う人が圧倒的に多い
カッコマンが多いから

最近はHUDからHMDの話題が多くて
あまりHUDの話は出てきません
HMDは「へるめっとまうんってっどですぷれい」
これこそ直訳すれば頭飾り
内容もまだ実用的ではなく
戦闘機乗りにはまだただの重しです

これは現在のHUDの機能を
パイロットの目の前に表示して
パイロットがどこを向いても
必要な情報をパイロットに知らせようとする物です

ばさっと言えば
町をサングラスをして歩いていて
そのサングラスに
自分の速度や進行方向
目標物の位置とかが
出るような物です
ただし重さが数キログラム
その上かっこわるい
まあHMDのお話は10年後にして

HUDのお話です
本格的HUDが搭載されたのは
日本ではF−15が初めてです
その後F−4EJ改
T−4
F−2に搭載されました
だから日本でのHUDの歴史は15年程度です
その間に試験的にF−1やT−2CCVに
搭載されましたが
内容は大したことありませんでした

また我が国では
HUDは京都の某メーカーだけの生産で
独占企業です
しかし、このメーカーはハードが主で
動かしたり表示したりするソフトは
いろいろなメーカーで手がけています

最近ではF−2のHUDのソフトが某重工で作られました
重工で作られたソフトなので
ちょっと重いのが欠点でしょうか

今日はなかなか本題に移れない
夏休み疲れかな

HUDは表示方法で大きく分けて
2種類あります
一筆書きのストローク表示と
走査線によるラスター表示です

通常は鮮明なストローク表示HUDですが
これからは、画像表示もできる
ラスター表示が主流になるかも知れません
ちなみにF−2は両方の機能がありますが
ラスター表示するものがありませんので
ストローク表示のみの使用です

極端に言えば
ラスター表示を使用すれば
TV画面もHUDに出せます
ただし白黒ですが
将来はカラー化も現在研究中です

ではその表示内容です
HUDの考えの原点は
パイロットがコックピット内の計器類を見るために
頭を下げなくても良いように
考え出された物です
特に戦闘中は
敵からめを離すことが出来ないので
この間の情報を
パイロットに知らせるために考え出されました

それまでは光学照準器が
操縦席の前にあって
射撃用の道具でした
F−4EJのオリジナル版では
エルコスと言ってました

この光学照準機を大きくして
照準だけではなく
自分の飛行速度や高度の航法情報や
自分の進路方向
敵との距離や未来位置やG、速度などを
表示させたのです

現在では有りとあらゆる情報が
表示されてHUD内はごちゃごちゃです
またモードも3〜5種類あって
その選択を間違えるとひどい目に遭います

では各モードの説明です
面白くないかも・・・・・
だからリンク形式にしました

NAV(航法)モード:
VI(目視識別)モード:
A/A(空対空)モード:
A/G(空対地)モード:
その他:

HUDは革命的発明です
これほど戦闘機を変えた物はないでしょう
これからもどんどん改良され良い物になるでしょう
しかし人間は欲張りで
何でも表示させたがります
ベター論で行くと表示内容がどんどん増えて
ごちゃごちゃです
マスト論で考え最小限にすべきだと考えます

ちなみに私は古いパイロットです
HUDでは操縦できませんでした
F−15に乗ったときも
計器板の計器を見て操縦してます
しかしF−2に乗ったときはそうはいきませんでした
なにしろF−2にはHUD以外に
航法情報が出ていないからです
HUDを見なくては
自分の速度や高度が分からないのです
このため、F−2搭乗以降は
なんとかHUDでも飛べるようになりました
いまではF−15でもHUDで飛ぼうと思えば
飛べます
すごいでしょう