A/A(Air-to-Air)モードは、空対空戦闘のときに使用します
要撃ミッションを行う戦闘機には、通常、MRM(Medium
Range Missile)、
SRM(Short Range Missile)、GUNの3種類の武器が装備されていますが、
これらの武器をうまく目標に当てる為の情報(火器管制情報)が表示されるモードです
それでは、使い方です
まずは、MRMから
AIM-7スパローといったレーダ誘導の中距離ミサイルを発射するときの表示です
スロットル・グリップのWeapon Select SwitchをMRM位置に入れると、
HUDにMRMの残弾数とでっかい円が表示されます
でっかい円は、目視でMRMを撃つときに使うのですが、MRMは目視外の距離で
使うのが基本ですから、無視しましょう
次にレーダで目標機をロックオンします
すると、目標機の情報と、火器管制情報がドドッと表示されます
目標機の情報としては、目標機のいる方向を示すTD
BOXという箱や、目標機までの
距離、接近率、Aspect Angle等が表示されます
これで目標機と自分の位置関係がわかります
火器管制情報としては、ASE Circleという円とSteering
Dotという点、ミサイルの射程と目標機の距離を示すスケール等が表示されます
とりあえずは、Steering DotをASE
Circleの中に入れるよう飛んでみましょう
これをドット・フォローといいます
すると目標機の距離がだんだん近づいてくるはずです
なぜなら、Steering Dotは、遠距離では目標機までの最短経路を示しているからです
そうこうしているうちに、目標機がミサイルの射程に近づいてきます
ミサイルの射程を示すスケールには、4つの目盛がついています
上からRmax1, Rmax2, Rmin2, Rmin1といいます
機種によってはRmin2がない場合もあります
Rmax1は直進飛行している目標に対する最大射程、Rmax1は旋回している目標に対する
最大射程、Rmin2は旋回している目標に対する最小射程、Rmin1は直進飛行している目標に対する最小射程です
目標機の距離を示す カレット“>”がRmax1の目盛よりも下に降りてきたら
イン・レンジ!!射程内です
でも、ここであわててミサイルを発射してはいけません
AIM-7スパローといったレーダの反射波を追いかけるミサイル(セミ・アクティブ・
レーダ・ホーミング・ミサイル)は、射程内でも当たらないことがあるんです
なぜなら、ミサイルがレーダ波をとらえられる距離(シーカ・レンジ)まで接近して
から発射しないと、ミサイルが迷子になってしまうからです
だから、もう少し待って!ドット・フォローで飛び続けましょう
この辺りでは、Steering Dotは、ミサイルの飛ぶコースがなるべく真っ直ぐになるよう
な方向(ミサイルにとっての目標への最短経路)を示しています
目標機の距離がシーカ・レンジをきると、TD
BOXにShoot Cueと呼ばれるマーク
がくっつきます
Shoot Cueは機種によってちがいますが、三角マークだったり、文字だったりします
Shoot Cueが出れば、正真正銘、発射準備完了!!
スティック・グリップのWeapon Release Switchを押してミサイル発射です
あ、あらかじめ、Master Armは入れておいて下さいね
ノブをぐっと引いて上げれば簡単に入りますから
ここで、ミサイル撃っちゃったから、ハイ、さよなら!っと、帰ってしまいたいところですが、それでは、やっぱりミサイルは迷子になってしまいます
ミサイルが目標を追いかけられるよう、目標にレーダ波を当て続けないと、だめなんです
(最近でてきたAIM-120といったアクティブ・レーダ・ホーミングのミサイルは、途中で自分のレーダを起動するので、最後までつき合う必要はありませんが、やはり途中までは、目標をとらえつづける必要があります)
だから、もうしばらく目標機のロックオンをはずさないよう、飛び続けましょう
ミサイル射程のスケールの下にデジタルの数字が表示されています
これは Time of Flight、ミサイルがあと何秒で目標機に当たるかを示しています
これが、0になったらミサイルの飛しょうは終了
当たった場合は、レーダから目標機のエコーが消えるはずです
当たらなかった場合は、どうするか...
もう1発うつか、逃げるか、逃げたふりをしてまたもどってくるのか、その辺の
ことはよくわかりませんが、とりあえず、ドット・フォローで飛んでいれば、
目標機との距離は、ドンドン近づいてきます
そして、Rmin1(機種によってはRmin1を単にRminという)をきると、HUDにはBreak Xと呼ばれる大きな×(ばってん)が表示され、もうMRMで攻撃するには近づきすぎだよ!!と教えてくれます
そしたら、Weapon Select SwitchをSRM位置に切り換えましょう
戦闘機パイロットが「だーいすき!!」と口を揃えていう近接格闘戦がはじまっちゃいます
それでは、SRM
AIM-9サイドワインダーといった赤外線誘導の短距離ミサイルを発射するときの表示です
Weapon Select SwitchをSRM位置にすると、HUDにSRMの残弾数が表示され、機首方向にFOV
Circleと呼ばれる円が表示されます
FOV Circleは、ミサイル・シーカの視野範囲を示しており、この中に目標機を入れるようにすると、目標機からの赤外線の強度が十分ならば、ミサイル・シーカがロックオンします
ミサイル・シーカがロックオンすると、ミサイル・トーン(うなるような高音)が聞こえます
この状態で、Weapon Release Switchを押してSRMを発射してもよいですが、
たいていは、ここでuncage操作を行い、ミサイル・シーカが自由に首が振れるように
解放してやります
すると、ミサイル・シーカの向いている方向を示すMissile Seeker Head Position(機種によって円だったり、菱形だったりします。また、表示のタイミングも機種により違います)が表示され、実際にミサイル・シーカが目標の方向を向いているかどうか確かめることができます
ミサイル・シーカが目標をとらえていることを確認したらWeapon
Release
SRMは目標の赤外線を追っかけて飛んでいきます
但し、この方法は、なかなか大変です
SRMを使用する近接格闘戦は、いわゆるDog
Fight
相手のお尻をとろうと、お互いに目一杯機動するので、相手を機首方向の狭いFOV
Circleの中に入れるのは至難の技です
では、どうするか?
やっぱり、MRM同様、レーダを使います
レーダでロックオンすれば、ミサイル・シーカはロックオンした目標の方向に向く
(スレーブする)ので、比較的簡単にミサイル・シーカが目標を見つけることができます
でも、次は、目標機をレーダでロックオンするのがこれまた大変
通常は、レーダでロックオンするときは、レーダ・ディスプレィをのぞき込んで、
目標のエコーにカーソルをもっていって、ボタンを押すという操作が必要なんですが、
Dog Fight中にそんな悠長なことをしている暇はないっ!!
そこで、レーダをACMモードに入れます
すると、レーダは機首方向の限られた範囲をスキャンし、目標をとらえたら
勝手にロックオンしちゃいます
敵も味方も区別無く、早いもん勝ちでロックオンするので、味方をロックしないよう
注意が必要です
スキャンする範囲は、4種類程度あり、状況に応じて選択できます
機種によって呼び方が若干違いますが、HUD視野内をスキャンする
Super Search、機軸にそって機首から上方をスキャンするVertical
Scan、
機首方向を重点的にスキャンするBoresight、パイロットが指定する範囲を
スキャンするSlewableといったところです
そして、HUDには、その時々のスキャン範囲を示す枠やら線やらが表示されます
ま、ようするに、HUDに表示されているスキャン範囲の枠やら線やらに目標を
持ってくるとレーダが勝手にロックオンしてくれるということですね
レーダがロックオンすると、MRMの場合と同じ、目標機の情報と、火器管制情報が表示され、それらに加えて、Missile
Seeker Head PositionがTD
BOXに重なって表示されます
つまり、ミサイル・シーカがレーダにスレーブしているわけです
ドット・フォローして飛ぶと(飛べれば)、目標機のお尻につくことができます
なぜなら、Steering Dotは、目標機へのピュア・パーシュート・コースを示しているからです
そして、目標までの距離がミサイルの最大射程Rmax1(機種によってはRmax1を単にRmaxと呼ぶ)をきれば、イン・レンジさらに、ミサイル・シーカが目標機の赤外線を十分にとらえた時点で、Shoot Cueが表示されます
Shoot Cueが表示されれば、Weapon
Release Switchを押してSRMを発射してもよいですが、通常は、Uncage操作を行ってミサイル・シーカを解放してやってから
Weapon Release Switchを押します
するとSRMは目標機の赤外線を追っかけて飛んでいきます
これで目標機を撃墜できればよいですが、当たらなかった場合は...
また、追っかけたり、追っかけられたり、そんなこんなで、
Rmin1(機種によってはRmin1を単にRminと呼ぶ)をきると、HUDにはBreak
Xと呼ばれる大きな×(ばってん)が表示され、もうSRMで攻撃するには近づきすぎだよ!!と教えてくれます
そしたら、Weapon Select SwitchをGUN位置に切り換えましょう
今時、鉄砲なんて...GUN戦闘のはじまりです
まあ、鉄砲といっても、20mmや30mmの機関砲弾なんですけど
最後にGUN
Weapon Select SwitchをGUN位置にすると、HUDにGUNの残弾数が表示され、Reticle
と呼ばれる円形の照準が表示されます
まずはレーダで目標機をロックオンしましょう
するとMRM、SRM同様TD
BOXが表示され目標位置がわかります
また、Reticleの円周部分が目標機までの距離を示すようになります
円周1周が12,000ftに相当し、12時から時計回りに1時辺り1000ftを示します
Reticleの中心点はPipperと呼ばれ、ここが照準点です
Reticleは、自機と目標機が現在の運動を維持すると仮定して計算した弾丸の未来予測位置に表示されます
だから、運動(主に加速度)が変わるとReticleの位置も変わります
例えば、Gをググーっと増やしていくと、Reticleはススーっと下の方に下りてきます
未来予測位置の計算方法は、数種ありますが、伝統的かつ最もメジャーなのがLCOS(Lead Computing Optical Sight)と呼ばれる方法です
目標機の運動が自機の運動と同じと仮定して弾丸の未来予測位置を計算します
目標機の運動が自機の運動と同じ?
つまり、目標機のお尻について、目標機と同じように飛んでいる状態です
ですから、LCOSでは、目標機のお尻につくことが必須です
さらに、未来予測位置の計算は、現在の運動を維持するという仮定のもとに成り立っています
これは、Reticleの動きを止めるように操縦することにより実現できます
Reticleの動きは、Pipperから延びるLag
Lineと呼ばれる線により示されます
Lag LineはReticleの移動方向に移動速度に比例した長さで表示されますので
Lag Lineがなくなるように操縦すれば、運動を維持していることになります
ですから、目標機の後ろにつき、Pipperを目標機に重ね(ピパーオン)、Lag Lineを極力短くするよう飛行して、スティック・グリップのtriggerを2段目まで引くとGUNが発射されて、弾が目標に向かって飛んでいきます
LCOSは、目標をレーダでロックオンしなくても撃つことができます
何せ、目標機の運動が自機の運動と同じという大胆な仮定をしているので、元からそんなに目標機の情報をレーダからもらっていないからです
ただ、レーダでロックオンしないと、目標機までの距離を得ることができません
目標機までの距離は予測計算に不可欠です
そこで、Reticleは、目標機までの距離をある一定の距離に決めうちして、計算されます
そのある一定の距離となるようパイロットが目標との距離を調整するのです
では、レーダなしで目標までの距離をどのように計るのか?
それは、目標機の左翼端から右翼端までの長さ(Wing
Span)とReticleの直径との対応で計ります
目標機の機種がわかれば、Wing Spanの長さは、正確にわかります
すると、ある一定距離におけるWing SpanがHUD上で何mradの角度に相当するかは、簡単な計算でわかります
この角度がReticleの直径ならば、目標機のWing Spanが丁度Reticleの直径と一致する距離が所望の距離ということになり、この状態で、ピパーオンすれば、レーダ・ロックなしでも目標に弾を当てることができます
Reticleの直径は、想定する目標機に応じて変更可能な機種もあれば、変更できない機種もあります
変更できる機種の場合は、想定する目標機のWing
Spanに対応するようReticleの直径をセットします
変更できない機種の場合は、想定する目標機のWing Spanがある一定距離においてReticleの直径の何割に相当するかでおよそ見当をつけます
今までは、GUNと言えばLCOS、表示はReticleというのがジョーシキでしたが、
最近はReticleのかわりにFunnelとかいう漏斗のように先細りした2本のラインが表示されるものがあります
最近のF-16(Block??以降)なんかがそうです
パソコン・ゲームがお好きな人は、Falconなんかで見たことがあるかもしれません
目標機をFunnelの間に入れて、漏斗の中に追い込むようにして、目標機の両端が漏斗の幅に合ったところで撃てば当たります
点でとらえるReticleに比べて、2本線の中に追い込むFunnelの方が、使い易いらしいです
また、Funnelは、必ずしも目標のお尻につく必要はなく、全ての方向から撃てるというのがうたい文句らしいです
そのうち、日本の戦闘機もFunnelになるかも知れません
だいたいA/Aモードはこんな感じです
SUN
Ynabe