通常の巡航時に使用します
私は着陸時以外
あまり使いませんが、通常巡航の時に使いなさいと記載されてます
巡航時もA/Aモードの方が便利です(個人的意見)
着陸時にはAOAが欲しいのでこのモードにします
航法モードの基本は、航法情報です
HUDの左に速度関係情報とG関係情報
右に高度関係の情報とTACANやINSの情報で
真ん中の上か下に自分の針路
中央に機軸方向と
実進路(実飛行)方向
そして水平線とピッチラダーです
速度関係はCASとGSとTASとMachが示されます
高度関係は気圧高度電波高度とそして昇降率などです
またこれらはアナログ表示とデジタル表示の混合です
HUDで一番便利なのは
ヴェロシティーベクター(V/V)
フライトパスマーカー(FPM)です
これらは同じ物ですが
開発したメーカによって呼び名は異なります
これは飛行機の飛行方向を常に指示します
横風を受けて飛んでいると
飛行機は風下に流されます
ですからFPMは正面から風下方向を示します
これは実際に飛んでる方向ですから
もしそこに山の頂上でもあれば
必ずぶつかります
また他機とFPMを重ねて飛行すれば
ピュアーパーシュートで必ず空中衝突です
着陸時には、接地点にFPMを重ねてアプローチすれば
必ず接地点に接地します
そんな便利なマークです
ですから水平旋回する時には
FPMをHUDの仮想水平線からずれない様に
操縦すれば高度の変化はありません
また機軸を示すWマークとFPMとの差が
迎え角となりますので
8度の迎え角で着陸したい場合は
FPMを接地点に置き
Wマークをそれよりも8度上にすれば
着陸速度が分からなくても
着陸が出来ます
逆に着陸姿勢が分かってる場合は
水平線上の決められた点にWマークを置いて
これでFPMを接地点に置けば
自動的に速度が決まり
安全な着陸ができます
実際のVFRのNAVで便利なのは
自分の飛行方向が目で確認出来ますので
目標としている地点にFPMを置いて
飛行を続ければ、自動的に風の偏流を取って
飛行できます
まあHUD上にヘディングの指示も出ますが・・・・
ただしこれらの情報の元は
INS(慣性航法装置)ですので
HUDに慣れたパイロットは
INSが壊れると飛べなくなります
(ちょっと言い過ぎかな)
(最近は構造の差からIRSと言う)
しかしHUDの最大の欠点は
ADIとは違う点です
このことを知らないパイロットが
世の中に多いので、極めて危険です
HUDを姿勢指示器と勘違いしている
パイロットがいるからです
一見HUDは姿勢指示器のような動きをしますが
これは見かけ上ほぼ同じですが
重要なところで違うのです
HUDは飛行方向指示器なのです
ピッチラダーはFPM中心に動きます
ADIの機軸中心とは異なります
このため大きな差が発生します
特に大きな迎え角を取ったときには
HUDとADIの指示は全く異なります
ですから、デパーチャーやスピン時に
HUDを見て操作をすると
回復できない場合があります
もしかするとこれが原因で
帰ってこれなかったパイロットもいるかも知れません
では具体的にご説明します
HUDは機体飛行方向を常に指示しようとします
ですからHUDのFOV内に飛行方向がある場合は
(FOV:視野角 F−15で上下左右約10度程度 半径約10度)
ADIとほぼ同じ動きです
通常飛行ではHUDのFOV外に飛行機が飛ぶことはありませんので
特に問題にはなりません
ただしポストストール領域ではそうはいきません
HUDは何があっても飛行経路を指示使用としますので
もし飛行経路がFOVの外に出ると
FOVにXマークが出て
正常な指示ではありませんよと言います
しかしそれは嘘です
FPMはしっかり指示しているのです
ではどうやって指示してるのでしょう
それは水平線を動かします
たとえば
水平姿勢で大きな沈下率を発生させます
それが経路角でー20度だとすると
FPMは20度下を指示使用とします
しかし、HUDは約10度までしかありませんので
10度たりません
このためHUDは水平線を10度あげます
ですからピッチラダーの20度の所でFPMはXマークとともに
安定します
このためHUDの仮想水平線は実際の水平線よりも
10度高い位置を示します
その上機軸マークのWマークは動きませんから
機軸が実際の水平線の上のあっても
HUD上では水平線よりも下を指示します
もしこんな状況で視程が悪く
実際の水平線が見えなかったら
完全に操縦ミスを引き起こします
よく分からない方が多いと思いますので
もし身近なところにF−15があったら
1Gストールやってみて下さい
AOA40ぐらいまで
多分良い飛行機ならデパーチャーしないので
大丈夫です
F−4改はだめですよ
デパーチャーしちゃうから
これをやれば、HUDの水平線の異常な動きが
ご理解いただけると思います
ループの頂点でもなんとか分かりますが・・・・・
ピッチラダーが逆に動くから
これならF−4でもOK
お近くにF−15やF−4改が無い方は
もう一度これを読むか
お便り下さい
ご説明いたします
次にもう一つのHUDに対する私の疑問です
それは速度表示です
高度のアナログバーは上が上です
しかしF−15やF−4改の速度のバーの上は下なんです
T−4も同じです
T−2CCVは上が上で下が下です
要するに速度表示バーの目盛りが
CCV以外は上の方が少ないんです
どうしてでしょう
一説には機首を上げれば
高度が上がり速度が下がる
だからHUD上の表示が同じように動いた方が
違和感がないと言う物です
そうかも知れませが
姿勢変化無しの状況で
今加速中なのか減速中なのかを確認するときには
勘違いします
だって常識的に目盛りが増えてるのに
減速してるんだもん
数字を読まなくては直感的には分かりません
これは古いパイロットの私だけの現象なのでしょうか
また愚痴を言ってしまいました
HUDのNAVはこんなところでしょうか