滑走路端または着地予定点からの距離を示すため,ふつう定点から一定距離離れたところに無線標識がおかれます。この無線標識がMarker(マーカー)です。Marker には定点から離れたところから,Outer Marker, Middle Marker, Inner Marker の3種類があります。マーカーが地理的に設置できない場合,たとえば離島の空港である場合などは代わりに定点にDMEがおかれ,定点からの距離を示す場合があります。このような目的で用いられる DME は T-DME と呼ばれます。
Outer Markerは、滑走路端または着地予定点からの距離をしめすため、着陸予定点から約8km離れた地点におかれる施設です。FM放送の周波数よりすこし低い75MHzで、振幅変調(AM)された電波を真上に向かって送信します。写真に見える3本の鉄塔のうち、左側の先端に4本の手がついた棒があるものがOuter
Markerのアンテナです。
航空機は上空を通過すると、この電波を受信し、通常はブザー音で操縦士にOuter
Marker通過を知らせます。Outer Markerより空港側が管制塔の管制空域になります。
Compus LocatorはILSの進入点を示すために設置されます。多くの場合 NDB ですが,地理的な理由から VOR が設置される場合があります。写真の中央と右の鉄塔の間に3本の線が張ってあります。そして3本の線の中央の線の中央部分から垂直に線が垂れ下がっています。これが、 NDB のアンテナです。他にも幾つかの形のアンテナが使用されています。
この写真は、成田空港のRunway16(北側からの着陸の際使用される)のOuter Marker
とコンパスロケータ(KF)です。(千葉県成田市久住)
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