<砂塵>
Tactics1 オルゴール動乱

<17>

「何にせよ」

と、セイナネ教授はきつい笑みを浮かべた。

「あなたは当初の予定通り、その体に蘇ったわ。これで「ヴァイシャ」作製の技術も復活するというわけね。あなたの、予言通りね…」

「当初の予定?」

レイヴァールも、負けずに(?)にっと笑う。

「わたしはこの体に蘇るつもりなんかなかった」

「じゃあ、どうして自分のコピーを作った?なぜ、22体もの試作品を作ったんだ?」

そう聞いたのは、司令官殿だった。

「最初は、自分に移植するための臓器を…心臓をつくりだすつもりだったのだろう?それが、何故あのような戦闘用の生き物を…」

なんだか、初老の頭の切れそうな司令官殿は、すごく残念そうだった。レイヴァールを責めてるようにも見える。

「レイヴァール、何故だ…」

「…自分のためではなかったけど、最初は、崇高な理想があった」

と、レイは俺達をちらりと見た。

「手足にしろ内臓にしろ、死体から持ってくるのが手っ取り早いが、それでは色や形はもちろん、血液、そしてHLA(白血球型)が合う可能性は低い。結果として、20世紀から21世紀にかけては、自分のクローンを造っておくことが考えられたが…」

彼は、馬鹿にしたように笑う。

「わたしのような先天疾患では、無意味だ。クローンがコピーと同義語である以上、クローンもまた、先天的に疾患を負っていることになる」

俺の頭じゃ、難しすぎる(^^;)まあ、言っていることはなんとなくわかるけどさ…

「だから、手間はかかるが自分で必要な臓器をつくることにしたんだ。なかなか楽しい作業だったよ」

「まさか、機械の?」

ヤーブの問いに、彼は肩を竦めた。

「あの精密機械臓器に、あまりにも非人間的だ。だからわたしは、塩基から作ることにしたんだ」

塩基?化学に出てくる、酸・塩基の塩基?

俺には…いや、正確には、ヤーブ以外だろう。みんな、よく分からなかったに違いない。レイヴァールは、さっきよりもやさしーく、微笑んだ。

「簡単に言えば、DNAというのは、A、G、C、Tの四つの塩基がある一定の決まりに従って2重に配列しているんだ。4つの塩基は、そのうちの3つずつの組み合わせによって、特定のアミノ酸を指定する働きをになう。この我々の体の構成に必要な情報を遺伝子…つまりゲノムと呼ぶ」

「…?」

「だから極端な話、希望に叶った遺伝子があれば、何だってつくりだせるわけだ。だがこれは、かなり面倒だ。手に入れた部品を、自分で組み立てなければならない。作り出したものは、いずれも実用可能だったがね」

???????????理解できない…

「面倒な上に時間もかかる。それに、いくら自分に適合する心臓を作り出したところで、わたし自身、手術に耐えられるだけの体力はない」

うう、難しすぎる…

「自分の寿命については、随分早くに諦めたが、必要な臓器を手っ取り早く造る方法は考えついていたんだ。もちろん、実行したがね。」

「手っ取り早く造る?」

聞き返すのは、ヤーブ。頑張ってくれ、ヤーブ。俺達の中で、奴の話についていかれるのは、お前だけだ!(^^;)

「そうだ。遺伝子だよ。自分の好みに設計したDNAに、都合のいい「人体」を作らせればいい」

「あ…」

ヤーブは、ギョッとしたように黙った。

それはともかく、レイヴァールは俺達を見てはにこにこと微笑んだ。

「設計通りに塩基を並ベればいいだけだ。あとは自動的に成長していく」

「遺伝子の扱いは、そんなに簡単なものじゃない!」

「それは違う。人間の遺伝子(ヒトゲノム)は、21世紀に全て解析され、いくつかの訂正がなされた後、現在では、ほぼ完璧に訳されている」

「ヒトゲノムは10万だが、塩基量にすれば30億だ。その情報を、1人で全て扱えるはずがない!」

「ヤ、…ヤーブ。それってどのくらいの量なんだ?もっと分かりやすく話してくれ(^^;)」

と、口を挟んだのはファーダ。とたんにヤーブは、がくっときたらしかった。

「おまえらなあ…話の腰を折るなよ…」

「くすっ…30億の塩基が提供する情報は、ウェブスター大辞典の、だいたい45冊程度の量だよ」

笑いながら答えてくれたのは、レイヴァールだった。彼は、楽しそうだったよ。おーい、分かる人は面白いのかもしれないけど、俺達は全然分からないよぉ…。

それに、あの大辞典が40冊…床が抜けるぞ。

「で…でも」

と、ヤーブはなんとか立ち直った。がんばれ、ヤーブ。お前だけが頼りだっ!

「だけど、それはイントロンが含まれて…」

「ヤーブ、イントロって何?」

と、ファーダ。

「イントロじゃないっ!イントロンだっっっ!んもーっっお前は〜」

「仕方ないよ、ヤーブ君。知らない人には、わかりにくい話しだからね」

レイヴァールは、俺達が分からないでいるのが、楽しいようだった。そりゃ、何言ってるのか分からないであんぐり口を開けてる俺らの顔は、さぞ間抜けに見えるだろーさ(^^;)

「…イントロンってのは、“遺伝”つまり人体の構成や生命の維持に関係のない、塩基配列のことだよ」

と、ヤーブは諦めたような口調で、分かりやすく説明してくれた。おお、なるほど♪

「イントロン、あるいはジャンクなんて呼ばれてるけど、その「生体に関係のない」情報は、全遺伝情報の95%を占めるんだ」

「95。すっげえ無駄…」

と、呆れるのはアーサー。俺もそう思うよ(^^;)

「無駄…そうだね。無駄と言える」

レイヴァールも、静かな口調で賛成した。ところがヤーブは

「無駄であろうとそこに存在している以上、必ず意味のあるものだ」

と、俺達の無駄という意見に強く反対したのだった。

「ただ無駄なものが、DNAとして、染色体として、大切な部分に含まれているはずは、絶対にないんだ!意味のないものなど、絶対にない!」

「……」

レイヴァールの顔から、笑みが消えていく。最下層のこの部屋は、しーんと静まってしまった。でも、その沈黙を破ったのはセイナネ教授の高笑いだった。

「思い出したわ。あなた、どこかで見たと思ったら、アリステア・シャンティス(ヤーブの本名)ね。あの年の卒業生の中で一番若くて、成績トップで、一番生意気だった子だわ」

「光栄ですよ、教授。覚えててくれて」

ヤーブは、憮然として答えた。せっかく覚えててもらったのに、あまり嬉しくないらしい。セイナネ教授は、馬鹿にしたように鼻をならした。

「あなたも、まだ甘いのよ。若い研究者は、無駄はないとみんな言うわ。でもね、無駄は無駄、無意味は無意味なのよ。あなただって、知っているでしょう?霊長類の遺伝子というのは、長くなるほど、知的レベルを低下させるのよ。無駄ばかりで作られ、無意味な情報ばかりを持っているからだと、教えたはずよ」

「今でも、その差別的な考え方には賛成できないな」

「でも、事実なのよ」

再び部屋が、凍り付いたように静まってしまう。ヤーブが言いかえせなかったところを見ると、セイナネ教授の考え方はともかく、言ってることは事実なわけだよな。ああ、分かるような分からないような…

「…ヤーブ君。君の言うとおり、イントロンを含んだ遺伝情報の全てを扱うのは難しい。だから20年たっても、誰も「ヴァイシャ」を作ることが出来なかったんだものね」

と、今度沈黙を破ったのは、レイヴァールだった。彼はもう、ニコリともしなかったよ。

「イシスたちは、わたしが、塩基配列から考えて作り出した完全な人工生命だ。イシスの黒い髪と瞳も、容姿も、身長も、体重も、血液型も、全てわたしが指定したんだよ」

それって一体、どういうこと?指定して作ったら、「遺伝」じゃないじゃないか…というつっこみを入れたい心境だったけど、そんなことしたら、ヤーブにどつかれそう…(^^;)

だけど、俺の考えてることは通じちゃったかな?レイヴァールは俺のほうをみて微かに笑った。

「20世紀以降、遺伝子の研究者に出来たのは、“組み替え”だった。既製の部品を、不良部品と「付け替える」だけだ。クローン技術だって、所詮は出来上がりをコピーする技術にすぎないし、ロボットやらアンドロイドにいたっては、人間の形をしたコンピューターでしかない」

「人が人を…造れるはずがない」

ヤーブの言葉にレイヴァールは、今度は声を立てて笑った。

「何故?どうしてみんなには出来ないんだ?」

彼は、俺達をぐるっと見まわした。

「DNAは、たかが4種の塩基の組み合わせだ。10万種余りの遺伝子DNAと、それを調節するDNA、制御するDNA…これらはたかだか、24冊の本(染色体)に綴られているだけのことじゃないか」

「言うほど、簡単じゃない!組み替えと書き換えは出来ても、人を分子から作るなんて、神を冒涜している!」

「では、イシスたちの存在を、どう説明する?彼らが純粋な人工物だという証拠に、彼らの遺伝情報のなかには、イントロンがないんだ」

「ないって…」

「必要な情報だけを与えたんだ。イシスたちからはイントロンを省き、使う情報だけを与えた。脳の使用率は35%程度にしてあるがね…」

「……」

レイヴァールは、両手を広げた。

「人間は、遺伝情報の95%と、大脳の60%余りを使っていない。神が、使用を禁じたんだ。人間が神になる必要はないからね。だからこそ、これを全て…つまり100%解放させたらすばらしいと思わないか?遺伝情報と、大脳の全てを使ったら、人は神になる」

「そ、そんなはずないだろーがっ」

と、いきり立ったのはファーダだった。

「人間は神にならずに、神に近づく生き物だ。仏教徒だって、死ななきゃ「仏」になれないし、仏になったって輪廻からは抜けられない!」

おおおっっファーダっ!詳しくなったなぁ…(^^;)昔は仏教を、異国の邪教なんて言っていたもんだが…。俺の教育効果か?

「神が… 一神崇拝を望む神が、神になりえる生命を残すはずがない。宗教を捻じ曲げた、愚か者の言い分だ」

「愚か者…か。いいかもしれないな。だが、神が願いを叶えてくれないなら、自分で叶えるしかない。神様僕に、一緒に遊べる弟を授けて下さい…君は昔、そう祈ったことはなかったかい?」

「それは…」

ファーダは、一瞬言葉に詰まった。

「イシスたちを造ったのは、自分の好奇心を満足させる実験だったにすぎない。わたしはただ、弟が欲しかっただけなのでね…」

と、レイヴァールはちらりとセイナネ教授を見る。

「レイの試作品として彼らを作ったが、研究用対象ではない。女の子は扱いに困りそうなので弟ばかりにしたが…彼らはとても優秀だったし、わたしをよく助けてくれたよ。18人作った時、彼らを普通の人間に近づけたいと思い、イントロンも含めた遺伝子を用いて、4人作ったんだ」

レイヴァールは、ふと、言葉を切った。

「…その結果、生体の再生といった特殊な能力が失われた。彼ら4人は、ごく普通の少年だったんだ。IQも平均値だったしね」

「それって…」

と、聞き返したのはファーダだった。話が飲み込めてきたらしい。

「そうだ。そういう意味で、イントロンという部分は「無駄」なんだ。我々人間の、本来の能力を抑制しているんだよ」

と、言うことは、セイナネ教授が殺した4人って…

「先人たちのヒトゲノム計画で用いられたcDNA解析や、遺伝子文法を利用した日本の技術は、イントロンを全て切り捨てることを前提にしている。結局ヒトゲノム計画は、わずか5%の解析を完了させて終わってしまったんだ。人間という生き物は、それほど単純なものではないのに」

「でも、努力したのよ!イントロンに何か意味を見出そうと、研究者たちは努力をしたわ。その中であなただけが、ヴァイシャを使って「95%」が何であるのかを示した」

セイナネ教授は、甲高い声で叫んだんだ。

「貴重な研究材料を、4人殺してもその手がかりは得られなかったのよ!なぜなの!何故、あなただけが理解出来るの!」

「必要のない遺伝子を持ち、普通の人間と変わりなかったから殺したのか!?無駄、無意味、必要ない!軍はいつだってそうだ!わたしにとっては、全てが意味のあるものなのに!」

レイヴァール少将は、遺伝子研究室の面々を、ぎろりと睨んだのだった…(^^;)

<18>

「妬むから、歪むんだよ、セイナネ…」

そして彼は、また俺達と、そして今度は情報部を見るわけ。

「20年前、彼らはイシスたちが「倫理規定」から外れているとしてわたしを告発した。だけど結果は、どうだ?神を冒涜した存在も、戦闘能力が高いと言う理由で許され、特殊能力のない4人だけが「失敗作」として扱われた」

「確か、そのときに強制捜査されたあなたの…レイヴァール少将の研究室から出てきたのが…“レイ”だったと聞いてるけど…」

と、ブレストン。

「そうだ。わたしと全く同じ外見を持たせたこの“レイ”も、イシスたちと一緒に取り上げられた。そしてみんなは、わたしが“レイ”の体に乗り換えるつもりだと勝手に思い込んだのさ。否定したわたしを、むりやり手術台に乗せてくれたが…」

レイヴァールの顔が歪む。。

「20年間、レイをレイヴァールに戻す努力をしていたようだけど、それこそ無意味だよ。わたしは、あらかじめレイの遺伝子に、20年という時限装置をつけて、「わたし」が目覚めるようにしておいたのだもの。それにレイはわたしの代わりとして、タシェリを守るために作ったんだよ。ばかなセイナネ。…本当に、無駄なことしてるよ」

タシェリって、あのケースの女性だよな。なんて思い返してたら、不意に人の気配がして、俺達は振り返った。あの大扉のところから、イシス大佐が入ってきたんだ。彼は、ヨハンのM16を食らって負ったらしい腕の傷を押さえ、足を引き摺ってゆっくりと歩いてきた。とはいえ、足も胸も穴だらけで血塗れだった(^^;)普通の人間なら、失血死してるぞ…

「レイ…」

彼は、俺達がよけて出来た道を、レイヴァールに向かって歩いていくわけだ。なんかもう、どうしていいか分からない状態(^^;)

「レイヴァール…」

「やあ、イシス。来ることが出来たのは、君だけかい?」

「どうして…どうして武器を持っている?あんなに嫌っていたのに…俺達に、絶対銃を持っては駄目だよって…言ってたのに…」

「…しかし、ここに来たのがイシスだけとはね。君は戦闘用ではないから仕方ないとはいえ、情けない戦績だな。まあ、プロ相手に良くやったと、誉めるべきかな?」

レイヴァールは、イシスに手を差し出しながら微笑み、言葉を続ける。

「きみたちの欲しがっていたイントロン解析表とヴァイシャ作製の技術を封印されたのは、このレイではなくて、タシェリのほうだったのさ。わたしの研究は、彼女が引き継ぐはずだった」

「それじゃあ、…私たちは…」

セイナネ教授たちは、唖然としてレイヴァールを見た。もちろん俺達もだ。タシェリに封印されたっていうことは…(^^;)彼女、不自然な病死して、埋葬されたんじゃ…

しかしこれまでの話しを総合すると、イントロンってのは結局、AとTとCとGの組み合わせなんだよな。とすると、タシェリと一緒に燃えちゃったイントロン解析表ってのは、俺達の使う暗号解析表や、乱数表みたいなもんなのかな?…と、考えた瞬間だった。

後ろにいたヨハンが、はっと息を呑んだんだ。そして俺の背中を突つくわけ。

―――オルゴールノ ナゾガ トケタ…

はあ?オルゴールの謎って何?俺には謎は解けなかったけど、取りあえず俺の斜め前にいるファーダの腰あたりを突つき、指文字でそれを伝えた。レイヴァールは、息を呑んだヨハンをちらりと見る。

「ようやく分かったんだね。君たちはその手で、わたしの研究の全てを殺したんだ」

「……」

研究者たちの何人かは、がっくりとうな垂れて膝をついてしまう。そりゃそうだよな。20年前に殺して燃やした物を、探しまわっていたんだからな。

20年間もね。

「そんな…嘘よっ!どうしてあんな子を選んだの!どうして私ではないの!」

そんな中、セイナネ教授はとうとうヒステリーを起こしちゃったよ(^^;)彼女は全身を震わせて、叫んだ。

「何故なの!」

「…君は、彼らを尊重してはくれなかった。イシスたちだって、君よりタシェリのほうが好きだったみたいだよ。ねえ、イシス」

「……レイヴァール、答えて」

イシスは、彼の手に掴まって苦しそうに息をついた。

「どうして、タシェリに封印したの?あの状況なら、タシェリが殺されると分かっていたはずだ。それなのに、どうして…」

「20年経って目が覚めた時、セイナネたちの悔やむ姿が見たかったからさ。20年間も無駄なことをした奴等の顔が、見たかったというだけのことだ。研究を残すつもりは、最初からなかった。いい気味だ」

「…どうして!」

イシスが叫んだと同時に、レイヴァールは彼の眉間を銃で撃ったのだった。

「レイ…」

「研究を残すつもりはない。そう言ったはずだ。わたしを裏切ったのは、セイナネたちばかりじゃない。君たちもだ。君たちが外に出たがったりしなければ、誰にも見つからなかった。その能力を使ってはいけないと言ったのに。言いつけを守らなかった報いを、うけるがいい」

レイヴァールは表情一つ変えないで、イシスの頭に弾をぶち込んでいく。誰も何も、言えなかったよ。イシス大佐は、レイの足元に仰向けに倒れて動かなくなる。

「スパイ騒ぎを起こして、わたしを目覚めさせるつもりだったんだろう?残念だったね。君たちは、罰を受けたほうがいい。情報部も司令部も、君たち遺伝子研究室の暴走を黙っていないだろうからね」

「私たちがいなくなったら、…全ての研究が途絶えるわ。オルダール最高峰の私たちを、切り捨てられるわけがない」

「呆れた…」

レイヴァールは、また両手を広げるわけさ。

「馬鹿だなあ、セイナネは。いっつも、そうだよね。人を見下してさ。最高峰が、どうして気付かないの?レイが、一体何なのか…」

「レイ…が?」

「そうだよ。最高峰が、20年も研究してて気が付かなかったのかい?‘レイ’は、神だったんだよ。わたしが創り出した、全機能を解放した「神様」なんだ!」

そのとたん、部屋の明かりが全て赤くなったんだ!

黒地に緑の文字を流していたCP画面も、スイッチのオレンジ色も、メーターも、ぜーんぶ赤になって点滅し、おまけにサイレンまで鳴りだした。

「ついでにいうと、このリーヴァもわたしの作品だよ。今日、自己崩壊を起こすように設定されているのさ。…セイナネも、この軍もオル・ダールも、メルトダウンに巻き込まれて消えればいい!」

「ジェシー!」

レイヴァールを遮るように、ファーダが叫ぶ。と、同時に一発の銃声がして、レイヴァールの胸に、赤い染みが広がっていったのだった。


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