目次
[MUSICA MUNDANA No.77] 2007年06月30日発行
 
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 「MUSICA MUNDANA No.77」をお届けします。

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           MUSICA MUNDANA NO.77
             Jun.30.2007
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             ◆ 目次 ◆

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 ◎ 音楽史
    ◆アルス・ノヴァ◆
 ◎ 数学史
    ◆カッシオドルス◆
 ◎ Homepage Updated (Jun.25.2007)
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 ◎ 随想
 ◎ あとがき
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━━[音楽史] ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 ◆アルス・ノヴァ◆

 14世紀初期のフランス音楽に適用される「アルス・ノヴァ(Ars Nova)」
という用語ほど的確に当てはまる歴史的用語は他にはほとんど見あたらな
いでしょう。それほどまで多くの精神と技法の革新を意識して、音楽家た
ちは「新しい技法 (ars nova)」を実践していました。

その世紀の変わり目に位置するパリの理論家、ヨハネス・デ・グロケオ
(Johannes de Grocheo)は、自らの論文「音楽について(De musica)」中で
は、そのことに何も触れていませんが、彼のアプローチの仕方は、彼に先
行する人々よりも際立って経験的であり実践的です。また、極めて先端的
でもあります。例えば、ペトルス・デ・クルーチェは、完全なフランコ式
記譜法で書かれた同時代のモンペリエ写本(c.1300)の第7分冊の中で、ブ
レヴィスを7つのセミブレヴィスにまで分割しており、グロケオは実践上
の限界内で「無限に(ad infinitum)」分割できる可能性を認めてはいます。

しかし、「新しい技法」は、ペトルスのモテットでは、「フォヴェール物
語(Roman de Fauvel)」のすばらしい写本の一つのに 1316年に挿入された
音楽的な修正に比べれば、遙かに明白ではありません。3年後、フォヴェ
ールの作曲家の仲間の一人であるパリの教育者で天文学者でもるヨハネス
・デ・ムリス(Johannes de Muris)は、実際に「新しい音楽の技法(Ars
novae musicae)」という題名の論文を完成しています。そして、恐らく
1320年に、彼の友人のフィリップ・ドゥ・ヴィトリ(Philippe de Vitry)
(1291-1361)が、彼はやがてペトラルカによって「今ガリアで並ぶ者のいな
い詩人(poeta nunc unicus Galliarum)」として、またジャン・カンピオン
(Jean Campion)によって「音楽の優れた創始者(musicorum princeps
egregius)」として喝采を浴びるのですが、短い論文「アルス・ノヴァ
(Ars nova)」を生み出しました。

 80歳になるアヴィニョンの二番目の教皇ヨハネス22世が大勅書「ド
クタ・サンクトールム(Docta Sanctorum)」(1324-5)の中で弾劾したのは、
「新しい楽派の弟子たち(disciples of the new school)」に対してでし
た。彼らは、「テンプスの計量について空騒ぎをし、新しい音符を作ろう
とし、古い(音楽)を歌うことより自分たちの音楽を作りだすのを好む音
楽家たち、教会音楽が、これらのセミブルヴィスやミニマで歌われている」
ことに反対したからでした。

まさにこの時に、「新しい楽派の弟子」でありすべての者たちの中で最も
偉大なギヨーム・ド・マショー (Guillaume de Machaut(c.1300-1377)が、
1324年、ギヨーム・ド・トリエ(Guillaume de Trie)のランス(Rheim)の大
司教としての任命式のためのモテトゥス「Bone pastor Guillerme/Bone
pastor, qui pastores/[Tenor unidentified]」でデビューします。

━━[数学史] ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 ◆カッシオドルス◆

 最初のキリスト教学者たちの中に、数学や自然科学に何らかの関心を持
った人はほとんど見いだせないだろうと予測するのは当然です。彼らの宗
教的信仰はあまりにも激烈ですし、その迫害はあまりに現実的で、彼らの
生活はこれらの分野の思索をするには、あまりにも不安定であったからで
す。

2・3のキリスト教徒の名があげられていますが、彼らの数学への貢献は
取るに足りないものです。しかし、5世紀が終わると共に、キリスト教は
十分強大になり、宗教的信仰以外にも興味を持つ知識階層の発達を可能に
しました。こうした階層の中に、私たちは数人の学者の名を見いだします。
彼らはある程度の古典時代の数学の知識のあることを示しています。

 これらの著述家の中に、古代ローマの一族の末裔、マグヌス・アウレリ
ウス・カッシオドルス(Magnus Aurelius Cassiodorus)がいました。彼は
優れた政治家で、ローマの最後の支配者によっても東ゴートの後継者によ
っても尊敬されていました。彼はウィウァリウム(Vivarium)に修道院を創
設し、その壁の中で晩年を過ごしました。彼は、聖職者には高い水準の知
識を要求し、彼の著作は当時の状況が許した範囲内で、彼が他の者たちに
要求した知識を彼自身が持っていたことを示しています。

カッシオドルスは、「自由学芸の技法と訓練について(De artibus ac
disciplinis liberalium literarum)」七つの自由学芸--三学科(trivium)
を構成する文法、修辞学、弁論法と四学科(quadrivium)を構成する算術、
幾何学、天文学と音楽--の平凡な要約を書きました。この著作は中世の学
校で広く用いられますが、学問でのこのわずかな試みほど学問の低い状態
を示すことのできるものはないでしょう。

━━[随想]━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 ◆半夏生◆

 今年も、畑のすみに半夏生がはびこり、葉が白くなるとともに花が満開
となっています。

 半夏生と言えば、七十二候の一つとして中国から伝わったものだそうで
す。かつては夏至から数えて11日目。本来「烏柄杓(カラスビシャク)
が生える(半夏生ず)頃」という意味だそうです。そのカラスビジャクと
いうのは、「サトイモ科の植物の一種。学名:Pinellia ternata。山地の
道端や畑地に自生する多年生草本」ということで、コルク層を除いた塊茎
は、半夏(はんげ)という生薬で、日本薬局方に収録されているのだそう
です。そのカラスビシャクが生える7月2日頃が半夏生という雑節になっ
ています。(今年の半夏生も7月2日)また、この頃に降る雨を「半夏雨」
(はんげあめ)といい、大雨になることが多いということですが、確かに
この頃に、梅雨末期の集中豪雨が多いですね。

 ところで、畑に群生している半夏生は、そのカラスビシャクとは関係な
く、学名 Saururus chinensis のドクダミ科の多年性落葉草本植物です。
「葉の片面(表面)だけが白くなることから古くはカタシログサ(片白草)
とも呼ばれており、一部を残して白く変化する様子から「半化粧」と呼ば
れる場合もある。」というものです。そばへ行くと独特の匂いがします。

 その半夏生の群生の中から、カンナが首を出しています。毎年、群生し
ている半夏生の中から姿を現して花を咲かせている実にたくましいカンナ
ですが、今年も出てきましたね。花が咲くのはもう少し後になりますが。

 この季節が来ると、梅雨明けも近くなって、いよいよ夏だなあと私など
は思うのですが、さあ、どうでしょう、今年の夏も無事乗り切ることがで
きますでしょうか。

━━[催し物情報]━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 百観音献灯会:7月29日(日)午後6時頃より

 沼袋に百観音明治寺というお寺があって、境内には石仏の観音様が約180
体いらっしゃいます。この日はみんなでそこにお灯明をお供えします。さ
すがに千個くらいの灯りがともると、境内は一面光の海のようで、「わぁ
ー、きれいだなー」という感じです。景色を眺めて、「私があげた火はど
れかな」なんて言って、誰もが参加できる情緒ゆたかな行事です。
 百観音明治寺 - http://www.meijidera.com/

 徳島県立博物館の催し物情報は、以下のサイトをご覧ください。
      http://www.museum.comet.go.jp/

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  「知」とIT/ビジネスへのTIPS
  金融と経済/「人生」のボスに、 自分がなる為のAtoZ
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━━[Homepage Updated]━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 ホームページ update情報

 落書き帖第193号
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 各国語で聖書を読む
       http://hpcgi1.nifty.com/m-souda/bbs6/wforum.cgi
 ロシア語初級コースのテキストを読む
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━━[あとがき]━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 数日前から非常に蒸し暑い日が続いておりますが、なんとなく梅雨の末
期を思わせる蒸し暑さでしょうか。この時期の蒸し暑さは、湿舌と呼ばれ
る湿った空気が流れ込んでいるのではないかと思わせたりして、集中豪雨
に注意が必要ですが、さてさて、どうでしょう。

 今年の梅雨も雨が少ないので、少々の雨は歓迎なのですが、降れば土砂
降りというのも、ちょっと困りものではあります。

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