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MUSICA MUNDANA NO.75
Apr.30.2007
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◆ 目次 ◆
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◎ 音楽史
◆フランコ式記譜法◆
◎ 数学史
◆アルマムン以後◆
◎ Homepage Updated (Apr.25.2007)
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◎ 随想
◎ あとがき
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━━[音楽史] ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
◆フランコ式記譜法◆
記譜法の体系化への大きな一歩前進は、すでに述べた「計量音楽技法
(Ars cantus mensurabilis)」の中でケルンのフランコによってなされま
した。モドゥス・ペルフェクトゥスについてまだ考えながら、彼は6つの
旋法の衰退を認めてはいるものの、不規則のように思える音の連続をどの
ようにしたらペルフェクチオに分類できるかを説明しています。例えば、
一つのロンガの後に4つのブレヴィスが続くなら、最初のブレヴィスはそ
れを不完全(ノンペルフェクチオ)なものとし、他の3つはそれ自体一つ
のペルフェクチオを形成します。もしロンガの後に5つのブレヴィスが続
くなら、5番目のブレヴィスはそれに続くロンガを不完全にします。状況
によっては、1つのブレヴィスが均整を整えるために二倍にされることも
ありました(brevis altera)。
フランコは、また、セミブレヴィスのグループ化の規則もあげています。
その対は、彼の体系では、マイヨール(major)とミノール (minor)、つま
りブレヴィスの 2/3と 1/3であって、1/2と 1/2とではありません。何よ
り最も重要な事は、彼はリガトゥーラの体系を成文化したことです。それ
は、単純なブレヴィス-ロンガやロンガ-ブレヴィス-ロンガ以外のパター
ンを示すことができるようある変化が進行し始めていたことを示していま
す。これらのオリジナルの形は、プロプリエタス (proprietas)とペルフ
ェクチオを持っていると言われていました。フランコは、そのプロプリエ
タスの最初の音(それをロンガにする)あるいはペルフェクチオの最後の
音(それをブレヴィスにする)を取り除くという体系的な変更を提案しま
した。
フランコの記譜法が一般に知られ採用されるようになるには、当然のこ
とながらしばらく時間がかかりました。その特徴のいくつかは彼以前から
使用されてはいましたが。Moの中では、フランコの論文の40年後の第7
分冊と第8分冊まで現れません。第7分冊の最初の二つのモテットは、ペ
トルス・デ・クルーケ(チェ)のものとされていますが、実際には、フラ
ンコのものより進んでいます。ペトルスは、モテットのトリプルムの中に、
プンクトゥムで切り離しほとんどしゃべるような仕方で繰り返される音を
用い、ブレヴィスの音価を7つのセミブレヴィスまでのグループに分ける
方法を導入しています。
演奏では、これらは速度が遅くなることを伴い、その結果、ブレヴィスは
今や以前のロンガとほとんど同じ長さになっています。これは、繰り返し
用いられることで、ついには最も長い音の名としてイギリスの音楽用語で
普通に用いられる「セミブリーヴ(semibreve)(全音符)」になりました。
ドイツ語では ganze Note, アメリカ英語では whole-noteと言われるもの
です。
━━[数学史] ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
◆アルマムン以後◆
バグダードの初めの三人のカリフの統治以後も、天文学という学問は数
学の控えの間であり続けました。アルブマサル(Albumasar)(886年)は、占
星術に関するアラブの著述家の中で最も有名で、この学(占星術)によっ
て天文学の研究へと導かれました。アフメド・イブン・アルタイイブ
(Ahmed ibn al-Taiyib)(890年頃)は、ペルシアの生まれで、アルキンディ
(Alchindi)の弟子の一人でした。彼は、占星術と音楽についてだけでなく、
代数と算術についても著述しています。そして、アル・ディナヴァリ(al-
Dinavari)は、代数、天文学、そしてヒンドゥーの計算法について著述し
ました。また、有名な学者、ヨーロッパの呼び名で言うとアルバテニウス
(Albategnius)(929年没)もいました。
この時期の他の多くの学者の中に、ヨーロッパでの名を使えば、ラセス
(Rhases)(932年頃)と言われる人物がいたようです。彼は有名な医者で、
幾何学と天文学について著述しました。トルキスタンのファラブ(Farab)
生まれのアル・ファッラビ((al-Farrabi)は、ユークリッド(エウクレイ
デス)の注釈を書き、名声を博した哲学者でした。イブン・ユニス(ibn
Yunis)は、アル・バッタニ(al-Battani)と並んで、アラビア人の中で最も
有名な天文学者でした。そして、アル・ハッラニ(al-Harrani)は、ユーク
リッドの注釈を書きました。
10世紀には、いくらか才能の高い著述家が何人か現れます。その中で
最もよく知られているのは、アブル・ウェファ(Abul-Wefa)(940-998年)で
す。彼は算術、代数、幾何学と天文学に関する著述家としても卓越してい
ました。
アル・ナイリツィ(Al-Nairizi)(922/3年頃)は、10世紀のユークリッド
に関する有名な著述家の一人でした。彼は天文学と幾何学に関心があって、
プトレマイオスとユークリッド両者の注釈を書いていますが、最もよく知
られているのは、クレモナのゲラルドによってラテン語に訳された「幾何
学原論」の注釈です。
━━[随想]━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
◆零の歴史(その8)◆
http://www-history.mcs.st-andrews.ac.uk/history/HistTopics/Zero.html
恐らく、私たちはこの時点で、ゼロのある位取り記数法を発展させた別
の文明があったことに気づくべきでしょう。これは、今日メキシコ南部と
グアテマラ、ベリーズ北部を含む中央アメリカに住んでいたマヤの人々で
す。これは古い文明ですが、特に、250年から 900年にかけて繁栄しまし
た。私たちは、665年までに、彼らがゼロの記号を持つ20を底とする位
取り記数法の体系を使っていたことを知っています。しかし、ゼロの使用
はそれより遡り、位取り記数法が導入される以前から使われていました。
これは素晴らしい業績ですが、悲しいことに、他の民族(人々)には影響を
及ぼしませんでした。
マヤの数学については、別の記事で見ることができます。
インドの数学者の輝かしい著作は、イスラムやアラビアの数学者、さら
に西洋の数学者に伝えられました。それは、早い段階に伝えられています。
というのは、アル・フワーリズミーが、「ヒンドゥーの計算法に関するア
ル・フワーリズミー」という書物を書いているからです。それには、1,
2, 3, 4, 5, 6, 7, 8, 9, そして 0の数字に基づく位取り記数法が解説さ
れています。この著作は、現在イラクであるところで、位取り記数法で空
白の場所を示すのに零が使われた最初のものです。12世紀のイブン・エ
ズラは、数字について3つの論文を書いていますが、インドの数字と少数
の考えにヨーロッパの学識ある何人かの人々の注意を魅きつけるのに大い
に役立ちました。その数字の書物は、左から右へ位があがる整数の十進法
の位取り記数法でした。この著作の中で、イブン・エズラは、零を、ガル
ガル(galgal)(車輪とか円とか言う意味)と呼んで使用しています。12
世紀の少し後、アル・サマワル(al-Samawal)は、こう書いています。
もし私たちが零から正の数を引くなら、(絶対値の)同じ負の数が残
る。… もし零から負の数を引くなら、(絶対値の)同じ正の数が残る。
インドの考えは、西方へイスラムの国々に広がったばかりではなく、東
方へ中国にも広まりました。1247年、中国の数学者秦九韶(Ch'in Chiu-
Shao)は、数学の論文「数書九章(nine sections)」を書き、その中で零を
表す 0の記号を使っています。少し後、1303年には、朱世傑(Zhu Shijie)
が、「四元玉鑑(Jade mirror of the four elements)」を書き、そこで再
び零として 0の記号を使用しています。
━━[催し物情報]━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
●文学特別展「宇野千代と人形師天狗久〜久米コレクションより〜」
人形師天狗久への聞き語りから生まれた宇野千代のベストセラー「人
形師天狗屋久吉」。執筆に協力した新聞記者、久米惣七に宛てた宇野千
代の書簡や電報等を初公開し、作品誕生の過程をたどると共に、3人の
生き方やそれぞれの作品に迫ります。
開催日:4月28日(日)〜6月10日(日)
場所:文学書道館(1階特別展示室・ギャラリー)
観覧料:一般500円、高校・大学生350円、小・中学生250円
問い合わせ先:文学書道館 088−625−7485
http://www.bungakushodo.jp/
徳島県立博物館の催し物情報は、以下のサイトをご覧ください。
http://www.museum.comet.go.jp/
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━━[Homepage Updated]━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
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━━[あとがき]━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
昨日4月29日は、昭和天皇の誕生日ですが、今年から「みどりの日」
ではなく「昭和の日」になったのですね。最近になってやっと知りました
が、「みどりの日」は5月4日だということで、馴れるまではしばらく紛
らわしいかも知れません。
ところで、昨日といい今日といい、とてもよい天気が続いています。こ
のゴールデンウイーク、お出かけの予定の人も多いと思います。楽しいゴ
ールデンウィークをお過ごしください。
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