目次
[MUSICA MUNDANA No.74] 2007年03月30日発行
 
━━[MUSICA MUNDANA]━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 「MUSICA MUNDANA No.74」をお届けします。

 [MUSICA MUNDANA]の情報は惣田正明のホームページに載せてあります。
      ( http://www2m.biglobe.ne.jp/~m-souda/mysouda/ )
   何かありましたら、ここに連絡ください。
        ( vem13077@nifty.ne.jp )

 登録(申し込み)解除はこちらです。
( http://www2m.biglobe.ne.jp/~m-souda/mysouda/home/home.htm#toroku1 ) 

━━[MUSICA MUNDANA]━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

■■■■■■■■◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆■■■■■■■■
           MUSICA MUNDANA NO.74
             Mar.30.2007
■■■■■■■■◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆■■■■■■■■

━━[MUSICA MUNDANA]━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

             ◆ 目次 ◆

 ----------------------------------------------------------------
 ◎ 音楽史
    ◆13世紀◆
 ◎ 数学史
    ◆バグダードのキリスト教学者及びユダヤの学者◆
 ◎ Homepage Updated (Mar.25.2007)
 ----------------------------------------------------------------
 ◎ 随想
 ◎ あとがき
 ----------------------------------------------------------------

━━[音楽史] ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 ◆13世紀◆

 12世紀終わりまでに、ペロティヌスは、旋律線の短いモチーフの重要
性や共通のモチーフ、声部間の旋律線の交代による上声部の相互関係の可
能性を感じ取っていました。13世紀を通じて、これらの技法はしばしば
採用されました。モテットのテノールは決してそれには加わりませんでし
たが。

 実のところ、13世紀後半にかけてモテット自体は単旋律聖歌のテノー
ルにあまり依存しなくなっていました。音楽的に一層重要なのは、トリプ
ルムの発展でした。きわめて初期の段階から、それらはモテトゥスより生
き生きとした傾向がありましたし、世俗のテキストの使用が増大するにつ
れて、この傾向は装飾や舞踏のような、つまり不規則なリズムの--フラン
ス語の性質のため--短い音価を伴って強まりました。というのは、ノート
ル・ダム、コンユンクトゥラ(conjuncturae)のこれらのダイアモンド形の
プンクトゥムがセミブレヴィス、決して必ずしも半分というわけではない
のですが、ブレヴィスの分割として用いられたからです。3つかそれ以上
のセミブレヴィスが、普通は、初めコンユンクトゥラのような下降音階の
ように用いられ、1ブレヴィスの音価を持っていました。

 13世紀が経過する中で、6つの旋法には次第に多くの自由が与えられ、
その間の違いがほとんどあるいは全くなくなるまでになり、現代の3拍子
(triple rhythm)である一般的なモドゥス・ペルフェクトゥス(modus
perfectus)に融合してしまい、リズムは自由になりました。より小さな音
価の導入は、また速度を遅くする必要があり、こうして拍子の単位はもは
や3つのテンプス(ブレヴィス)からなるペルフェクチオでなく、ブレヴ
ィスそのものになりました。モドゥス・ペルフェクトゥスのロンガ・ペル
フェクタは、3つのブレヴィスと等しい音価となります。

しかし、それはまだ全く同じように記譜され、ペルフェクチオの中の後の
あるいは前のブレヴィス(あるいは二つのセミブレヴィス)によって「不
完全にされた」と見なされました。これから、二つだけのブレヴィスに等
しいロンガ・インペルフェクタ(longae imperfecta)が普通であるモードゥ
スへと導かれます。音楽は、時に、モードゥス・インペルフェクトゥス
(modus imperfectus)、今日の2拍子(duple time)で理解され始めたのです。

━━[数学史] ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 ◆バグダードのキリスト教学者及びユダヤの学者◆

 この時期、バグダードには様々なユダヤやキリスト教の著述家が来てい
ました。彼らの名は一般にアラビア語の形で残っています。これら人の中
に、占星術家サール・イブン・ビシュル(Sahl ibn Bishr)がいます。彼は、
ホラサン(ホラムズ)(Khorasan)ではかなりの名声を得ていました。彼は代
数についての著作を書いています。その一部はベネチアで(1493年)、一部
はバーゼルで(1533年)出版されました。

アブル・タイイブ(Abul-Taiyib)もいました。彼はユダヤの宗教を棄て、
イスラムの信仰を受け入れました。彼は1組の天文表を編集し三角法につ
いて著述したように思えます。キリスト教徒の中にはコスタ・イブン・ル
カ・アル・バアルベキ(Qosta ibn Luga al-Ba'albeki)(912/3年頃没)が
いました。彼は医者で、テオドシウスの球面幾何学(Spherics)とアリスタ
ルコス、アウトリュコス、ヒュプシクレス、ヘロンそしてディオファント
スの一部を翻訳し、教理問答の形で幾何学を書きました。

また、ギリシア人のキリスト教徒、ナジフ・イブン・ユム(あるいはイェ
メン)(Nazif ibn Jumn(or Jemen))もいました。彼はアルークァス(聖職
者)として知られ、ユークリッド(エウクレイデス)の第10書を翻訳し
ています。同じキリスト教徒の一人、アル・ヨルジャニ(al-Jorjani)は医
者で、アルマゲストの要約を書いています。

 ミシュナト・ハーミドト(Mishnath ha-Middoth)(計量理論=Theory of
Measures)というタイトルの著者不明のヘブライ語の著作が書かれたのは、
この時期、この地域であった可能性がありますが、場所と年代は全く分か
っていません。それは主として幾何学の立体の計量について書かれていま
すが、その図形のいくつかはアル・フワーリズミーの計量に関する著作を
思い起こさせるものです。

━━[随想]━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 ◆零の歴史(その7)◆
http://www-history.mcs.st-andrews.ac.uk/history/HistTopics/Zero.html

 ブラフマグプタが彼の傑作を書いたおよそ200年後の 830年に、マハ
ーヴィーラがブラフマグプタの書の改訂版として企図したガニタ・サラ・
サングラハを書いています。彼がこう述べているのは正しいことです。

  …ゼロをかけた数はゼロであり、ある数からゼロで引いてもその数は
 同じである。

 しかし、ゼロで割る計算のブラフマグプタの規則を改善しようとした彼
の試みは、彼を間違いに導いたように思えます。彼は、こう書いています。

  ゼロで割られても、その数は変わらない。

 これは明らかに間違っているので、私が「彼を間違いに導いたように思
えます」という言い方をしたのは、混乱を招くものと見られるかも知れま
せん。このフレーズを使った理由は、マハーヴィーラの何人かの注釈者が
彼の間違った陳述の言い訳を見つけようとしていたためです。

 バスカラは、ブラフマグプタの500年以上後に著作しています。その
時間の経過にもかかわらず、彼はまだ、ゼロによる割り算を説明するのに
四苦八苦しています。彼は、こう書いています。

  ゼロで割られる量は、分母がゼロになる分数になる。この分数は、無
 限量と呼ばれる。割る数としてゼロを持つ分数からなるこの量は、多く
 の数が加えられても減ぜられても、まったく変わらない。世界が創造さ
 れたり破壊されたりしても、無限なる不変の神に何事も起こらないよう
 に。存在の数多くの順序は吸収され(消え)たり現れたりするのだが。

 つまり、バスカラは、n/0 = ∞と書くことで問題を解決しようとしまし
た。一見、私たちはバスカラは正しいと信じたくなる誘惑にかられますが、
もちろん、そうではありません。これが真実なら、0かける ∞は、どんな
数 nとも等しくならなければならなくなり、すべての数が等しいことにな
ってしまうからです。インドの数学者たちは、ゼロで割ることはできない
と認める境地に達することができませんでした。しかし、0^2 = 0, や
√0 = 0.のような他のゼロの特性については、バスカラは、正しく述べて
います。

━━[催し物情報]━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 第13回 花まつりコンサート チェンバロのまわりで

 チェンバロ 武久源造、ヴァイオリン 大西律子、チェロ 十代田光子
 プログラム デュフリ:3美神
       ヴェラチーニ:ヴァイオリン・ソナタ イ長調 ほか
 日時:2007年4月8日(日) 開演 午後6:00 (開場5:30)
 場所:百観音明治寺 (西武新宿線「沼袋」徒歩5分 
 入場料:前売り3,000円 当日3,300円
 (http://www.meijidera.com/hanamaturi.html)

 徳島県立博物館の催し物情報は、以下のサイトをご覧ください。
      http://www.museum.comet.go.jp/

━━[メルマガ紹介]━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 知人が発行しているメルマガです。興味関心のある方はどうぞ。
  「知」とIT/ビジネスへのTIPS
  金融と経済/「人生」のボスに、 自分がなる為のAtoZ
 URL http://kinyuu-literacy.hp.infoseek.co.jp/

━━[Homepage Updated]━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 ホームページ update情報

 落書き帖第190号
 Plato "The Republic" を読もう
   http://www2m.biglobe.ne.jp/~m-souda/cgi-bin/plato/wforum.cgi
 各国語で聖書を読む
       http://hpcgi1.nifty.com/m-souda/bbs6/wforum.cgi
 ロシア語初級コースのテキストを読む
       http://hpcgi1.nifty.com/m-souda/bbs4/wforum.cgi

 MySouda--惣田正明のホームページ
        http://www2m.biglobe.ne.jp/~m-souda/mysouda/
 TeleScope WebPage--MySouda Information Page
   http://www2m.biglobe.ne.jp/~m-souda/index.html (English)
   http://homepage1.nifty.com/m-souda/ (Japanese)
   http://www004.upp.so-net.ne.jp/mysouda/ (Japanese)
 AIHARA Hiroaki's Page (English)
  http://www2m.biglobe.ne.jp/~m-souda/mysouda/aihara/index.html

 [MUSICA MUNDANA]Doblog版
        http://www.doblog.com/weblog/myblog/3403

 JavaScriptや DHTMLに対応していないブラウザをご使用の方、あるいは
重くて仕方のない方は、[SIMPLE版]をご覧ください。

━━[あとがき]━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 こちらの地方気象台では、27日に桜開花宣言がありました。その日、
こちらでは桜並木で有名なある公園を通り抜けて来たのですが、まだ、ち
らほら、咲いているのを一生懸命探さなければ見つからないような状態で
したが、その後数日暖かかったせいもあるのでしょう、一気に開花したよ
うに、至る所で、桜の花が咲いている光景が見られるようになりました。

 いよいよ花見のシーズンですね。

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━[MUSICA MUNDANA]━━
  ==================== * MUSICA MUNDANA * ====================
   ■発行人:文責:TeleScope(相原寛彰)  ■発行:MySouda
   ========================================================
====================================================================
 Copyright 2005.SOUDA Masaaki(AIHARA Hiroaki) All rights reserved.
====================================================================

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━[MUSICA MUNDANA]━━


Original Skin by Web Studio Ciel