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MUSICA MUNDANA NO.73
Feb.28.2007
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◆ 目次 ◆
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◎ 音楽史
◆器楽のモテトゥス◆
◎ 数学史
◆バグダードの他の学者◆
◎ Homepage Updated (Feb.25.2007)
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◎ 随想
◎ あとがき
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━━[音楽史] ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
◆器楽のモテトゥス◆
「Ypocrite/Velut stelle/Et gaudebit」の元の曲は、クラウスラでした。
Fでは、言葉のないドゥプルムで、テノールはモテトゥスの2倍演奏されま
す。W2には、この編曲があり、その中でドゥプルムは「Virgo, virginium
regina」で始まるテキストを持つモテトゥスに、また、そのモテトゥスが
プロヴァンス語である不幸な愛の歌である世俗の二つ目のモテトゥスにな
っています。新しいトリプルムは、フランス語で幸せな愛を歌っています。
実際のところ、その曲の最も一般的な形は、「Ypocrite」トリプルムの
あるなしにかかわらず、「O quam sancta」で始まるモテトゥスを持ってい
ます。クラウスラのサン・ヴィクトール(San Victor)コレクションの中で
は、それは欄外に書かれたプロヴァンス語のテキストを伴った二声部の曲
になっています。「O quem sancta」のモテットのこの最後のヴァージョン
が純粋に器楽演奏のためのものであったと仮定することは不合理なことで
はないでしょう。実際に、サン・ヴィクトールのすべてのコレクションが
そうであったかも知れないのです。また、それを支持する根拠もあります。
Bibl.Lib.Harley 978, これもまた「Sumer is icumen in」を保存してい
る13世紀中期のイギリスの写本ですが、その中のテキストのない3つの
曲には、「Cantus superior」と「Cantus inferior」と印された2部があ
り、ほとんど確実に器楽用のものです。恐らく、テキストのないコンドゥ
クトゥスのカウダであったでしょう。テキストのない音楽が、すべて器楽
用であったと考えるのはばかげているでしょうが、リガトゥーラを自由に
用いた文字のない音楽(musica sine littera)の記譜は、ケルンのフランコ
の体系的な計量記譜法の基礎でありました。彼の「計量音楽技法(Ars
cantus mensurabilis)」は、1267年以前に書かれたように思えます。
━━[数学史] ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
◆バグダードの他の学者◆
アルマハニ(Almahani)(860年頃)は、一般にそう呼ばれていますが、名声
を博した天文学者で、球を一定の体積の比率に分割するというアルキメデ
スのよく知られた問題について書いていることから最もよく知られている
でしょう。また、ユークリッドの「幾何学原論」の第5書と第10書、球
と円柱に関するアルキメデスの著作について注釈も書いています。
アルキンディ(Alchindi)(860年頃)は、中世ヨーロッパで一般に知られて
いた名前を使いますと「アラビアの哲学者」と普通呼ばれていました。彼
は、天文学、占星術、光学や数を含む非常に様々なテーマについて著述し
ています。クレモナのゲラルド(Gherardo of Cremona)(1150年頃)は、光学
についての彼の著作をラテン語に翻訳しています。
870年頃、バグダードにはベニ・ムサ(Beni Musa=モーゼの息子たち)あ
るいは三兄弟として知られる三人の学者が住んでいました。彼は、改心し
た盗賊で、最後はマアムーンの宮廷で幾何学と天文学に一身を捧げたムサ
・イブン・シャキール(Musa ibn Shakir)の息子たちでした。これらの兄弟、
モハンメド、アフメド、アル・サハンのうち、最初の名(モハンメド)が
最も有名ですが、三人ともすべて、ギリシアの最も優れた著作を確保し、
それらを翻訳することに努めました。彼らは、医学、円錐曲線論、幾何学、
計量、角の三等分、その他の学問的テーマについて著述しています。
この時期、バグダードでは、少しの間、タビト・イブン・クォラ(Tabit
ibn Qorra)が著作をしています。卓越した医者ですが、哲学や数学の
著作の方がよく知られ、特に、代数を幾何学に応用するのに成功したとい
う言明で知られています。彼は、有名な医者であるイシャク・イブン
・ホネイン(Ishaq ibn Honein)(910年頃)によってなされたユークリッドの
「幾何学原論」の翻訳といわゆるミドル・ブックス(middle books)、すな
わちユークリッドとプトレマイオスとの間の時代に書かれた書物の翻訳と
を校訂しています。また、広く、天文学、「アルマゲスト」、円錐曲線論、
初等幾何学、ユークリッド、魔方陣、親和数(amicable numbers)、占星術
についても著作しました。
クレモナのゲラルド(Gherardo of Cremona)(1150年頃)とヨハネス・ヒス
パレンシス(Johannes Hispalensis)(1140年頃)は、彼の著作のいくつかを
翻訳しています。彼には息子がいて、医者で、彼もまた父親の歩みに
従い、天文学と幾何学について著述し、シリア語からアラビア語に翻訳さ
れたアルキメデスの作品の一つを校訂しています。
━━[随想]━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
◆零の歴史(その6)◆
http://www-history.mcs.st-andrews.ac.uk/history/HistTopics/Zero.html
ブラフマグプタは、7世紀に、零と負の数を含む算術の規則を与えようと
しました。彼は、ある数が与えられ、その数をその数から引くと零になる
と説明しています。彼は、零を含む次の足し算の規則を与えています。
零と負の数を足すと負の数になり、正の数と零を足すと正の数になる。
零に零を足すと零である。
引き算は少し難しいです。
零から負の数を引くと正の数になり、零から正の数を引くと負の数に
なる。負の数から零を引くと負の数になり、正の数から零を引くと正の
数である。零から零を引くと零である。
それから、ブラフマグプタは、こう言っています。零をかけるとどんな
数も零になるが、割り算になるともう苦闘である。
正の数も負の数も零で割られると、分母が零の分数になる。負の数や
正の数で零を割ると、零あるいは分子が零になる分数として表され分母
は無限の量となる。零を零で割ると零である。
本当は、ブラフマグプタが、nを零で割ると n/0になると言うとき、彼は
ほとんど何も言っていないのと同じです。明らかに、彼はここでもがいて
いました。彼が、零を零で割ると零になると主張しているのは、確かに間
違いです。しかし、それは、私たちが知る限り、算術を負の数や零にまで
拡張しようとした最初の人物による輝かしい試みでありました。
━━[催し物情報]━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
☆特別陳列「旅と祈りの道−阿波の巡礼−」
○主 催 徳島県立博物館・国立大学法人 鳴門教育大学
○会 期 平成19年1月19日(金)〜3月18日(日)
○休 館 日 毎週月曜日
○会 場 博物館 企画展示室(1階)
○時 間 9:30〜17:00
○観 覧 料 無料
徳島県立博物館の催し物情報は、以下のサイトをご覧ください。
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━━[Homepage Updated]━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
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━━[あとがき]━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
2月も今日で終わり、明日から3月です。
どうということではないのですが、庭のアネモネが花を咲かせ始めまし
た。クロッカスやムスカリは、まだ咲かないのですが、そろそろ咲き始め
るでしょう。なんとなく待ち遠しいこの頃であります。
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