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MUSICA MUNDANA NO.72
Jan.30.2007
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◆ 目次 ◆
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◎ 音楽史
◆モテトゥスの発展◆
◎ 数学史
◆モハメド・イブン・ムサ・アル・フワーリズミー◆
◎ Homepage Updated (Jan.25.2007)
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◎ 随想
◎ あとがき
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━━[音楽史] ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
◆モテトゥスの発展◆
モテトゥスのコレクションは、どれも、私たちが大雑把にでも年代順に
並べるのに都合のよいようには配列されていませんが、その発展の跡をた
どることは可能です。
同じリズムで同じテキストが歌われるモテトゥスとトリプルム(第3の声
部)を持った「コンドゥクトゥス・モテトゥス」はすぐに姿を消します。
ノートルダム写本 F(Notre Dame codex F)の初期の時代、「Et gaudebit」
というテノールの上に、二つのモテトゥス(double motet)を見いだします。
その上のモテトゥスは高位聖職者を讃えていますが、一方、異なった韻律
と音楽リズムのトリプルムは「偽善的偽聖職者」を弾劾しています。疑い
なく、楽しんで歌われたのでしょう。
次のステップは、俗語(その地方の言葉、もちろん実際はすべてフランス
語)のテキストの導入でした。若干プロヴァンス語のものもありますし、
英語の最も初期の例「Worldes blise have god day/Benedicamus Domino」
は 1280年頃に現れています。時折、Moの 第3分冊全体のように、ラテン
語のモテトゥスはフランス語のトリプルムを持っています。第5分冊では、
ほとんどの場合、上のパートはともにフランス語であり、実際には一つが
フランス語のテノール(すべてブレヴィスで記譜されている)で、それは
その世紀の終わりまでには珍しいものではなくなりますが、一つの希な例
です。第2分冊には、さらに一層例外的な4声部すべてがフランス語のテ
キスト(完全にロンガで記譜されたテノール)のモテトゥスがあります。
しかし、言語が入れ替わることは、特にトリプルムにおいては、モテトゥ
スのレパートリー全体を通じて一般的なことで、フランス語のテキストの
ラテン語のコントラファクタ(翻訳翻案=歌詞を入れ替えたもの)や、ま
たその逆のものを見いだします。トリプルムが加えられるだけでなく取り
除かれたものを見いだすのも普通のことです。もちろん、単一のモテトゥ
スは、事実上、伴奏を伴ったソロの歌で、この種のフランス語のモテトゥ
スは、13世紀前半の間、とても人気がありました。そのラテン語のコン
トラファクタは、恐らく「オルガヌム、クラウスラ、そしてモテトゥスの
作曲や典礼の中にこれまで存在してきた、緊密な関係を切り離そうとする
兆しのみられる世俗曲の傾向を摘み取ろうとする」むなしい試みであった
のかも知れません。
━━[数学史] ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
◆モハメド・イブン・ムサ・アル・フワーリズミー◆
アル・マアムーンの宮廷で最も偉大な数学者は、モハンメド・イブン・
ムサ・アル・フワーリズミー(Mohammed ibn Musa al-Khowarizmi)、今日
のヒヴァ(Khiva)の都市のある国ホラズム(フワーリズム)(Khwarezm)生ま
れのアブ・アブダラー(Abu Abdallah)(835年と 845年との間に没す)でし
た。
天文学者であり、いくつかの天文表(astronomical tables)や日時計、ア
ストロラーベや年代記(chronology)に関する著作の著者ですが、彼は「ア
ルジェブラ(algebra=代数)」という名のついた最初の著作、ギリシアの
モデルに基づいた論文を書いたことで最もよく知られています。この著作
は、チェスターのロバート(Robert of Chester)あるいはバスのアデラー
ト(Adelard of Bath)によって、「アルゴリトミ・デ・ヌーメロ・インド
ルム(Algoritmi de numero Indorum=インドの数についてのアル・フワー
リズミー(計算))」というタイトルで、ラテン語に翻訳されています。
アルゴリズム(Algorism)やオーグリム(augrim)という言葉がアル・フワー
リズミーに由来するというのは、そのためです。代数(algebra)の由来す
るタイトルは、「イルム・アルジャブル・ワル・ムカバラ(ilm al-jabr
wa'l muqabalah)(約分と消約の学(計算の書)=the science of reduction
and cancellation)」でした。アル・マアムーンの死後も、バグダードで
はおよそ一世紀半(150年)繁栄を続けました。予想されるように、幾分学
問が奨励されることは少なくなりましたが。
ところで、お気づきの方もいると思いますが、アル・マムンをアル・マ
アムーンとアラビア語の発音に近い表記に少し変えました。
━━[随想]━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
◆零の歴史(その5)◆
http://www-history.mcs.st-andrews.ac.uk/history/HistTopics/Zero.html
紀元 500年頃、アーリヤバタにはまだ零はありませんが、位取り記数法
である数体系を工夫しました。彼は、位に"kha"という言葉を使い、それ
は後に零の名として用いられることになるでしょう。初期のインドの写本
では、位取り記数法で空の場所を示すのに、ドット(点)が使われていた証
拠があります。同じ文書の中で、私たちが未知数を表すのに xを使うよう
なところにもドット(点)が使われることもあったというのは面白いことで
す。後に、インドの数学者たちは位取り記数法で零を表す名前は持ってい
ましたが、まだその記号はありませんでした。年代が分かって、すべての
人が間違いないと意見が一致しているインドの零の使用の最初の記録は、
876年に書かれたものです。
私たちは、876年と解釈(翻訳)できる年代の書かれた銘のある石板を持
っています。その銘は、デリーの南 400kmにあるグワリオル(Gwalior)の
町と関係があります。そこで、人々は縦横187ハスタ(hasta)と 270ハスタ
の庭に花を植えました。それはそこの聖廟に毎日花環を50捧げるのに十
分な花を提供するでしょう。270と言う数字にも 50と言う数字にもどちら
も今日書かれるのとほとんど同じように書かれています。0は少し小さく、
若干上の方にありますが。
私たちは、今や、数字としての最初の零が出現したと考えるようになる
でしょう。先ず、いかなる意味においても、自然に数字の候補となったも
のではないことに注意してください。初期の時代から、数字は、対象物の
収集(集まり)に言及する言葉です。確かに、数字の考えは、次第に抽象的
になり、この抽象化が、その後、零や負の数の考察も可能にします。しか
し、それは対象物の収集(集まり)といった特性からは生じないものです。
もちろん、零や負の数を考えようとすると生じる問題は、算術(算数)の足
し算、引き算、かけ算、わり算といった計算操作(方法)について、お互い
どのように作用し合うのかということです。インドの数学者、ブラフマグ
プタ、マハーヴィーラ、バースカラ3人の3冊の重要な書物は、これらの
問題に答えようとしたものです。
━━[催し物情報]━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
◇「普及講演会「植物化石に間違えられた海洋生物の行動化石」」
足跡や巣穴など、生物の生活の跡が化石として残ったものを生痕化石と
呼んでいます。生痕化石は、それを残した生物の生活や行動様式を知る上
で貴重な資料ですが、中には植物化石に間違えられていたものも含まれて
います。そうした生痕化石について紹介します。阿讃山脈から産出するコ
ダイアマモも登場します。
○日 時 2月4日(日)13:30〜15:00
○場 所 文化の森・21世紀館イベントホール
○講 師 小竹 信宏(千葉大学理学部教授)
○対 象 小学生から一般(どなたでも参加できます。)
○定 員 なし
※申し込みは必要ありません(直接会場へおこしください)。
徳島県立博物館の催し物情報は、以下のサイトをご覧ください。
http://www.museum.comet.go.jp/
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━━[Homepage Updated]━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
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━━[あとがき]━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
2007年になって、早くも1ヶ月が過ぎ去ろうとしています。本当に、時
間の経つのは早いですね。あと一週間足らずで寒明け、立春です。
とはいうものの、この冬は、本当に寒波の到来がないですね。それはそ
れでいいのですが、何となく気になるお天気ではあります。
それでは。
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