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MUSICA MUNDANA NO.68
Sep.30.2006
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◆ 目次 ◆
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◎ 音楽史
◆ノートル・ダムのオルガヌム◆
◎ 数学史
◆バクシャリ写本・ペルシア◆
◎ Homepage Updated (Sep.25.2006)
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◎ 随想
◎ あとがき
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━━[音楽史] ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
◆ノートル・ダムのオルガヌム◆
リガトゥーラが、今や、メリスマ音楽や器楽音楽で主として用いられる
ようになっていました。リガトゥーラは、この時期、--「ノートル・ダム
・ポリフォニー」--というフランスの聖堂音楽の傑出した巨匠、レオニヌ
スとペロティヌスの作品の中で、大いに取り入れられました。私たちは、
これらの作曲家のことは、名前以外にはほとんど知らないのですが。その
わずかの知識は、イギリス人、クッスメイカー(Coussemaker)の
「Anonymous IV」による論文「メンスーラとディスカントゥスについて
(De mensuris et discantu)(1275年頃)からのもので、彼は、私たちにこ
う語っています。
巨匠レオニヌスは、神の礼拝を強めるために、グラドゥアーレとアンテ
ィフォナリー(交唱聖歌集)のためのオルガヌム大曲集を書いた優れたオ
ルガニスタ(オルガヌム作曲者)であった。これは、偉大なペロティヌス
の時代まで使用された。ペロティヌスは、それを短くし、一層優れた多く
のクラウスラやプンクトゥムを作った。というのは、彼は、優れたディス
カントゥスの作曲家であり、レオニヌスより優れていたから。・・・事実、
この巨匠ペロティヌスは、多くの旋律のフィギュレーション(装飾)のあ
る優れたクァドルプルム(quadruplum)、すなわち「Viderunt」「Sederunt」
を、さらに、多くの非常に有名なトリプルム(triplum)すなわち
「Alleluia:Posui adjutorium」「Nativitas」などを作曲した。彼は、ま
た、「Salvatoris hodie」のような三声のコンドゥクトゥス、「Dum
sigillum summi patris」のようなニ声のコンドゥクトゥス、「Beata
viscera」「Justitia」などのような他の多くのものとともに単声のコン
ドゥクトゥスも作曲した。それら、また巨匠ペロティヌスの曲は、ロベル
ト・デ・サビローネの時代まで使用された。そして、[特に?]パリの大教
会、処女聖母マリア(the Blessed Virgin Mary)の合唱団では、彼の時代
から今日に至るまで使用されている。
これに先立つ節では、作者は、「レオ(Leo)」と彼はここでは呼んでい
るのですが、レオニヌスは、描かれたモーダル・リズムの記譜だけにしか
精通していなのですが、一方、ペロティヌスの方は、純粋に「定量的
(mensural)」と呼びうるより自由な形式を知っていたと語っています。彼
については、私たちは、合理的な推論はできるとしても、彼のことはまっ
たく知りません。ペロティヌスと彼の極めて優れたクアドルプルム
(quadruplum) (四声のオルガヌム)は、Anonymous IVだけでなく、ヨハ
ネス・デ・ガルランディア(Johannes de Garlandia)によっても言及され
ていますが、彼もまた、幽霊のような人物で、彼については5つ以上の人
物像が提出されているほどです。
━━[数学史] ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
◆バクシャリ写本・ペルシア◆
バクシャリ写本
この時期に何らかの優れた内容を持つ別の著作として、バクシャーリー
写本があります。この著作は、起源と年代とは不確かであるのですが、算
術と代数との両方に関する資料を含んでいます。以前、それは私たちの時
代の初期の頃のものとされましたが、その後8〜9世紀のものと言われま
した。しかし、その時代より後に書かれた証拠があり、恐らくヒンドゥー
起源ですらないということです。その著作の性格は次の一つの問題から類
推することができるでしょう。
一人の商人が三つの異なる場所である商品の税を支払う。一つ目の場所
で、商品の 1/3を支払い、二番目では[残りの] 1/4を、三番目では[残り
の] 1/5を支払う。税は合計で24である。もとあった商品の数はいくら
か。
答えは40です。(x/3 + x/6 + x/10 = 24より)
ペルシア
ところで、私たちは、イスラムに征服された土地での学問の興隆は、単
にアラビア人の影響によるものだと考えがちですが、ここではそうではあ
りません。例えば、ペルシアでは、学問(科学)の寛大な擁護者、聖王コ
スル(Khosru the Holy)がいて、宮廷にギリシアの学者を招き、西洋の文
化の移入を奨励しました。彼の統治時代に、アリストテレスとプラトンが
翻訳され、疑いなく、ギリシアの数学者の著作が知られるようになったで
しょう。
━━[随想]━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
最近、数学史の掲示板に「零について」教えてくれませんかというよう
な投稿がありましたので、今回から、「A history of Zero」でも訳して
みようかなと思いました。結構量がありますので、1回や2回では訳しき
れないと思いますが、まあよろしくお願いします。では始めます。
零の歴史
http://www-history.mcs.st-andrews.ac.uk/history/HistTopics/Zero.html
◆零の歴史◆
このアーカイブの読者たちがする質問の中で最もよくあるものの一つは、
誰が零と発見したのですか、そしてなぜアーカイブの最初の一つに零の記
事を載せていないのですか、というものです。その理由は、基本的にその
質問には満足な形で答えることが困難だからです。誰かが、その時に数学
に輝かしい革新が入ってきたと当時誰もがわかったような零の概念を思い
ついたのならば、たとえどんな天才がそれを発明したのか知らなくても、
その問いには満足のいく答えがあったでしょう。しかし、歴史的記録は、
まったく違ったその概念への道のりを示しています。零は影のように現れ、
ほとんど数学者がそれを求めていたかのようにそれを見いだした時でさえ、
その根本的な意義を認められなかったかのように再び消えてしまうのです。
零について先ず言っておかなければならないことは、ともに極めて重要
であるのですが、いささか異なる2つの零の用法があるということです。
一つの用法は、私たちの位取り記数法で何もないことを示す記号としてで
す。つまり、2106のような数では、零を使って2と1の数字の位置が正し
いことを示します。零の2つ目の用法は、私たちが0として使うときの数
そのものとしての零です。これら2つの用法、すなわち、記数と名称とい
う2つの概念には、零の異なる相がまたあります。(私たちの用いる零と
いう名は、アラビア語の sifrから派生したもので、その単語は、また
cipherという単語も派生させています。)
上の用法のいずれも、その歴史を容易に描くことはできません。誰かが
その考えを発明し、それから誰もがそれを使い始めたということは起こら
なかったのです。また、零という数字は、直感的な概念とはまったく関係
ないというのは正しいでしょう。数学の問題は、抽象的な問題としてより、
むしろ「現実」の問題として始まりました。歴史的に初期の時代の数は、
今日の私たちの数の持つ抽象的な概念より遙かに具体的に考えられていま
した。5匹の馬から5つの「もの」、そして「5」という抽象概念へは非
常に大きな精神の飛躍があります。古代の人々は農民が何匹の馬を必要と
しているのかという問題を解くとしても、その問題には0あるいは -23と
いう数字は答えにないでしょう。
━━[催し物情報]━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
◇野外自然かんさつ「歩いて地図をつくろう」
私達は普段、道路地図や住宅地図など多くの地図を利用しています。こ
の行事では、オリエンテーションコンパスと自分の足を使って、かんた
んな地図の作成方法を学びます。すこし難易度が高い、大人向けの行事
です。
○日 時 10月22日(日)13:30〜15:30
○場 所 文化の森総合公園
○講 師 辻野泰之(博物館学芸員)
○対 象 小学生高学年から一般
○定 員 15名
○申込方法 別記の方法で,10月12日(木)までにお申し込み
ください。
徳島県立博物館の催し物情報は、以下のサイトをご覧ください。
http://www.museum.comet.go.jp/
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「知」とIT/ビジネスへのTIPS
金融と経済/「人生」のボスに、 自分がなる為のAtoZ
URL http://kinyuu-literacy.hp.infoseek.co.jp/
━━[Homepage Updated]━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
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落書き帖第184号
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各国語で聖書を読む
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━━[あとがき]━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
9月もはや終わりです。何か時間の経つのがはやい気がして仕方がない
のですが、皆さんはどうお感じですか。
最近、数学史の掲示板に少し書き込みがあって、零や黄金比などについ
て調べてみる機会がありました。
なかなか面白い分野だと思いますので、興味のある方は、どうぞ。
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