FOR・RUM(代吾録)/NEWing(東北はね)
とらづなのとらはなんのとら
1997/08/18 19:15
「”とらづな”のとらは,なにからでたとらか」という『トラ騒動』からまる4年を経て,いまなお,明解な『とら』の筋には出会えず,ルーツ探りを続けています。
東京の山,仙台のシティでは,ひとつきいじょうもはやく”虎の子”騒動という件で,背景から,とらのはなしをおもてに浮かばせてみました。
この業界用語?,『とらづな』は,各方面の諸先輩に問い合わせてみても,「おらが,この道に入ったときは,とらはとらだった,このごろの黄色と黒のナイロンロープでないことは,たしかだね」という返答が多かったのでした。
その後も業界に携わる方々から情報の収集や,正解,古文書によるあかしを求めていました。
ちなみに,周囲の諸兄,退役の先輩の口から出ました諸説解釈はというと,
□ とらえる(捕らえる,捉える)の『とら』。逃げるの反対語,とらふ。
□ とる,とらず(取る,取らず)の『とら』。
□ とら(虎)のシッポ,の『とら』。虎をつかむのは,頭から行くと噛みつかれるから,虎はシッポから捕らまえるのが良いのだ。末口?と虎口。
□ とら(寅)の方角にとった綱,の『とら』
◇上棟式の際,一番はじめにたてる柱が丑寅の方角で,たて起こすときのその引き綱の方角が寅である。
◇船を岸に繋留する綱が右前方(寅の方角)にとる。(ロープの結び方は船に関係深い。船首が子,船尾が午,とりかじ:酉舵,おもかじ:卯舵)
しかし,唐船は船首に竜頭飾りがついているから,左前方の寅の綱か。
以上の珍説,独断が紛々でした。
そのなかで,「トラップの『トラ』だよ!,捕捉だ!」と言い切った,業界の重鎮の虎の一声で,アカデミック派は「それなら,納得する」と鎮静化していました。
正解でない。これが直感。(というかそんな訳はない。)
植木職人が『とらなわ』として使用し,伝承しています。
という訳で,まだ,関心,疑問,探究は続いています。
しかし,的が見えつつあることを,4年前から情報提供や,話をしてくれた八方の諸氏に耳打ちします。
西暦1400年代の合戦の絵に,幟(のぼり)を背にし片手に綱を持つ兵,また,大幟(おおのぼり)を背にした兵の竿先に控え綱をつけ,両前方にいる2人の兵が綱を引いている絵の写真には目が立ちました。(下学者の初見) 『とらなわ』というらしいのです。あかしとしては,現在,最古です。
『とらなわ』のとらは,なんのとらかについては,定かではないのです。
騎虎の勢で,『トラ狩り』から業界用語録へとつらなっています。