「なああんて!・・・・・・・・・かわゆいのでしょう!」
「やめて下さい。恥ずかしいです。」ダッチが顔を赤らめた。
「カメラを持って来ないと。」
「マスター、やめて下さい。」
「そのままにしておいてね。」Akoは、ルンルンとした足取りでカメラを取りに行った。
ダッチは深くため息をついた。こんなことなら、さっさとうんこを流しておくべきだった。でも、<f>の形が出たら報告しろときつく言われていたので、仕方なかったのだ。ダッチは、そう自分を慰めた。
遠くから爆音が聞こえてきた。
「何だ!? 何の音だ?」ダッチは、窓から外を見た。
その音は、急速に近づいてきた。カローラだった。
「ダメよ! 流したらダメよ!」Akoが慌てて走ってきた。
「うんこを流すのに、こんな爆音はしませんけど。普通。。。」
「それもそうね。さあ、写真を撮りましょう。」
「外の戦闘機が気にならないのですか?」
「それにしても、なああんて!・・・・・・・・・かわゆいのでしょう!」Akoは、アングルを変えて、うんこをカメラに収めた。
「それにしても、時間が余計にかかっちまったな。」虎が着陸場所を探しながら言った。
「そうね、惑星アコンィは、フクオカ星雲、シズオカ星雲、ナゴヤ星雲、オオサカ星雲と色々な場所に移動することを忘れていたわ。ごめんなさい。」ぷりんが謝った。
「まあ、いいじゃない。何とか帰る時間を残して到着したんだから。」ミクが言った。
「おっ、あの場所に着陸できそうだ。」
カローラが着陸してハッチが開くと、ぷりんは一番に飛び出してAkoの家まで走って行った。
「なんだ。ぷりんだったのか。」ダッチが戸口で立っていた。
「久しぶりね、ダッチ。マスターはいらっしゃる?」
ダッチは、無言で部屋の中を指差した。
Akoは、最後の1枚をローアングルから撮ろうと床に寝そべっていたところだった。Akoは、ぷりんの姿に気がつくと、クリクリした目をして微笑んだ。
「ぷりん!・・・・・・・・・・・・じゃない!!」
「はい、ぷりんです。どうしたんですか、その3秒あける喋り方?」
「ああ、今アコンィで流行ってるの。そのうち、他の惑星でもブレイクするわ。」
「そう。。。。。ですか。。。。?」ぷりんは言った。
「上手よ。そうそう。」Akoは手を叩いた。
「今のは、そうじゃなくて。。。」
「そう。戦争が起こりそうになっているのね。」Akoは、ぷりんの話を聞いて、静かにうなずいた。
「それで、私はどうしたらいいのか分からなくなったのです。マスターならどうされますか?」ぷりんは言った。
「そうねぇ。あ、そうだわ。」Akoは立ち上がると、物置から古い箱を取り出してきて、ぷりん達の前に置いた。
「開けてごらんなさい。」Akoは、そう言うと窓辺に立ち、外の景色を眺め始めた。「懐かしい物が入ってるわ。」
ぷりんは、箱を開けた。緑のレオタードと白いタイツが入っていた。
「これは!」ぷりんが声を上げた。
「そう。あなたにあげるわ。」Akoは双子の太陽を眩しそうに見上げた。
「これをですか?」
「ええ。一番弟子だったあなたにあげる。私はもうおばちゃんよ。」
「でも。」
「あなたにはその実力はあるわ。」Akoは、笑顔で振り向いて、ぷりんの手にあるレオタードを見た。「箱を間違えたようね。」
Akoは別の箱を取り出してきて、ぷりんが開けた。中には、鳴鼬拳のマスターのみが着けることが許されるバンダナが入っていた。
「マスター!」ぷりんは、驚いてAkoの顔を見た。
「あなたもマスターよ。これが私の答えよ。」
マーリングリスルに帰るカローラで、ムウが言った。
「なんだ。結局何もアドバイスがなかったじゃないか。」
ぷりんは、バンダナをそっと指で撫でながら言った。
「ううん。マスターは大切な事を私にアドバイスしてくれたわ。このバンダナに書かれている文字を見て。」
「F・M・L」ミクが読んだ。「これは何?」
「Friend Makes Linkage」ぷりんはバンダナを首に巻き、にっこりと笑った。「みんな仲良く手をとりあって暮らしましょう、ってこと。」