11章 合流


オサカの森の北の上空では、30機のジパン連邦空軍戦闘機ハーネスが基地襲撃の緊急通信を受信したところだった。
「罠だった。大至急基地に帰投するぞ。」攻撃部隊の指揮官であるダスが命じた。
「へ? 帰るんですか?」ラッキーが聞いた。
「当たり前じゃないか。何を言ってる。」
「いや、てっきりまた脱走したのかと。。。」
「脱走したらゲーになるから懲りた。ところで、おまえは任務を把握していなかったのか?」
「そのようです。」
「基地に帰ったらケージ磨きの罰を与える。さあ無駄口はもう十分だ。行くぞ。。。今だ!」
全機左右に別れて急速反転をすると、一斉にアフターバーナーを点火した。

「こっちよ。」ミクは、排気ダクトの分岐点で地図で確認して指差した。
「滑走路まで、あとどれ位だ?」ムウが言った。
「あともう少し。」
「よし急ごう。」
3匹は、また駆け出した。

マロンは、排気ダクトに飛び込むと全速力で駆け出した。いくつかの分岐点を記憶を頼りに曲がったが、実際に走ってみるとその複雑さに混乱してきた。
「まいったな。ベベにマップをプリントアウトしてもらうんやったな。」
ついにマロンは現在地点の把握ができなくなり、立ち止まった。そのマロンの耳に遠くから近づいてくる足音が聞こえてきた。その足音は急速に近づいてきた。マロンはあたりを見渡して身を隠す場所を探したが、吹き抜けの排気ダクトの中でそんなものは見つからなかった。
マロンは、ビームライフルを構えると大きく息を吸ってトリッガーに指をかけた。そして、その足音の主の姿が見えたと同時に3発立て続け発射した。
狙いは正確だった。レーザを受けた3つの姿は同時に倒れた。

「今の音はなに?」ミクが振り向いた。排気ダクトの遠く向こうに、3機の清掃ロボットが破壊され煙をあげて倒れているのが見えた。
「自爆したのか?」ムウがそう言ったとき、壊れたロボットのそばに駆け寄るフェレの姿があった。
ゼンジは自分の目が信じられなかった。
「リーーーダーーー」ゼンジが叫び駆け出した。ミクとムウは、しばらく呆気にとられていたが、やがてゼンジの後に続いた。
ミクとムウが駆け寄ると、マロンとゼンジは互いの尻を嗅ぎ合いながらお互いを確認し合っていた。


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