26章 新たなる伝説
ミュウは、ムウとミクに静かに言った。
「私達の生命は、天地の気より生まれたものです。心を落ち着けて、体の力を抜いて、気を集中するのです。」
ムウとミクは気を集中しはじめた。
すぐに、2匹の体は金色に輝き始め、力が溢れてきた。
「シャアーーーーアッ!!」
大地が振動し、やがてそれは収まった。そこには、逞しく姿を変えた2匹のフェレが立っていた。
フェレットを超えたスーパーフェレットとなったムウと、フェレットを超えたニューターフェレットとなったミクだった。
ムウとミクは、ジステンバ魔王を気の力で押さえつけ始めた。
ミュウはこの隙に最後の奥義の準備を始めた。
「まだか! まだなのか!?」ムウが言った。
「もう少し。」尻尾を膨らませて背中側に跳ね上げながらミュウは言った。
「そう長く持ちこたえられないわ!」ミクが叫んだ。
「もうだめだ!」
ムウとミクが叫んだ時、ミュウの用意が完成した。ミュウは技を出した。
「屁烈闘!!」
ミュウの尻から黄色い光線が放射され、魔王に向かってすごい勢いで飛んでいった。
「やった!!」
しかし、その光線を魔王は紙一枚の差でよけてしまった。
「ふう。今のはヤバかったぞ。小癪なマネをしおって。」
「もう、おしまいみたい。」ミクががっくり肩を落とした。
「あと1回位なら何とかなるわ。」ミュウは言った。
「オレ達は、力を使い果たしてしまった。もう1回やれといわれても、もう押さえ切れねえ。。。」
ムウは倒れた。
ミクも倒れた。
「好きにして。。。」
「まって! あの音はなに?」ぷりんが言った。
大地のかすかな振動が聞こえてきた。その振動は急速に大きくなり、地平線に土煙がモウモウと上がってきた。
それは、何十万何百万もの犬の大群だった。
その犬の背中には、世界中のフェレットが乗っていた。
色々な顔が見えた。
グニグニちゃんがいた。アルテーシア、源さん&テツ、ダッチ、豪、シナモン、ジョイ、ダイキチ、みい、まあ、バジル、こたろう、ふぅちゃん、うね吉もいた。
空(くう)、ぱい、てん、ポチ、プー、ボス、チュー太、ぜんじ、ぶんた、クック、うなぎ、じろう、ノバ、ぐり、クッキー、なつ、渚、らいちゃん、とら、タモ、ルビィ、五右衛門、ミニー、ゲンタ、ナナ、鈴、琴もいた。
「お母さん。。。」
ウランも子フェレをつれて犬にしがみついていた。
たぬ吉、呑兵衛、銀次、プラッサ、ヴェール、ぴえろ、フェムト、トトロ、うなちゃん、RIN、元輝、アル、式v、ぶ〜ちゃん、ナポレオンjr、フェス、エルモ、音々(ねね)、MINNIE、BETTY、KEVIN、RANDY、ウー、モカ、桃、みら、草薙、庵(いおり)、琥珀、銀嶺、シーナ、あおい、ぺぺ、ボブ、ビル、空、道、ルドルフ、のろ、はる、くま兄、シーナモン、ぎんた、もいた。
ジョセフィーヌ・ポーラ、ミル、ポッチョも間に合った。
(順不同。敬称略。漏れ勘弁。)
「オレが呼んだのさ。」ロイスが言った。
あの森で、ロイスが遠吠えをしたことをミュウ達は思い出した。あれは、そういうことだったのか。
「おおきに。」マロンがロイスに言った。
「オレ達犬はフェレにはいつもお世話になっているからね。」
ロイスがニコリと笑った。
マーリングリスルに村は、犬から飛び降りたフェレ達に埋め尽くされた。
フェレ達は一斉にジステンバ魔王に襲いかかった。
魔王はたじろいだ。払っても払っても次のフェレが襲いかかった。
フェレ達は気持ちを1つにしていた。
幸せな未来を、健康な毎日を願って、フェレ達は魔王に挑んだ。
ジステンバ魔王の足元が揺らぎはじめた。
ミュウは、さっきよりも多くの気を貯める時間が稼げた。
「みんな、その場を離れて!」
ミュウは叫び、第2弾を発射した。
「!!!!! 屁烈闘 !!!!!」
タイミングは完璧だった。黄色い光線はジステンバ魔王に直撃し、魔王は鼻をひんまげながら封印された。
フェレ達のあげた歓声は、地響きのように世界中に響いた。
また伝説が生まれた。
< その者 金色に輝く屁をこいて 災を封印す >