18章 呪文
「こ、こんにちは。グニグニちゃん。」
グー神王のヒゲがピクリと動いた。
ミクは自分の過ちに気づかず、アルテーシアとルビィは恐れおののいて凍りついたように身をかたくした。
長い時間がすぎ、グー神王がやっと口を開いた。
「赤福、食べる?」
「へ?」
「1箱は家族で食べて、2箱は会社にもっていったから、あと1箱あるよ。食べる?」
アルテーシアは、うっかり舌舐りをしてしまった。
「私は食べたことがないけど、あタロウはあんこ好きだから
おみやげに下さい。」ミクは言った。
「おっけー!!」
グー神王は意外にもノリがよかった。
「グニグニちゃん、あの。。。」ミクは言った。
「そのグニグニちゃんはやめなさい。ちゃんとグー神王さま、とお呼びしなさい。」アルテーシアはたしなめた。
「いいよ。グニグニちゃんでもなんでも。」グー神王は優しく言った。
「はい。それで、グッニィー、例の件だけど。」ミクは言った。
「プッ。。。グッニィーだって。」ルビィはふきだした。
「クレイシーファージィの村に生まれた伝説のフェレのことね。」
グー神王は言った。「名前をミュウといったわね。」
「そうです。ここに来ればミュウが本来の力を取り戻す方法を教えてくれるのですよね?」
「いかにも。」グー神王はふかくうなずいた。
「じゃあ、教えて下さい。どうすればいいんですか?」
「そうあせるな。赤福でもどう?」
「おみやげに下さい。」
「おっけー!!」
「うんこをいっぱいためて、麻袋をかぶせて発酵させるのじゃ。」
グー神王は大さじ2杯分ほどのあんこを食べた後で言った。
「うんこを? それからどうするんですか?」
「あれれ不思議、自然の湯たんぽになりますよ!」
「真面目に答えて下さい。」
「呪文を唱えるのじゃ。」
「呪文?」
「そうよ。しかし、Akoのルルルルル〜!じゃないぞよ。」
「わかってます。」
「緑のレオタードを着ても無駄じゃぞ。」
「だから、わかってますってば。」
「呪文の言葉は3文字」グー神王は静かに言った。
「ア・ネ・ス」