17章 ローム神殿


ミク達は、怒ったBちゃんをなだめすかして、やっと森の奥深くに辿りついた。
「あれがロームの神殿。。。」ミクは感嘆の声を上げた。
しかし、ミク以外のフェレには単なる巨大な滝にしか見えなかった。
「さあ、ここからはミク1匹で行くのよ。」ぷりんは言った。
ミクはその事に初めて気がついて震え始めた。
「私、行けない。。。」
「さあ、何も恐れることはないわよ。。。。きっと。」

その時、神殿の入り口が静かに開き、2匹のフェレが静々と出てきた。
「誰か。。。出てきた。。。。」
ミクは脅えながらそう言ったが、他のフェレにはその姿は見えなかった。
2匹は、ミクの前まで歩いてきた。
「やっと来ましたね。私の名はアルテーシア。」
「私の名はルビィ。ここはロームの神殿です。」
「は、はじめまして。わ、わたしはミク。ちょっと内気でわがままな女の子です。特技は襖を破ることかな。」
「余計な事は言わなくていいのよ。」アルテーシアは静かに言った。
「さあ、あなたをグー神王のもとへ案内します。」ルビィは言った。
「グー神王?」
「このロームの神殿の頂点に立ち、フェレの世界を見守っているお方です。」アルテーシアは言った。
「本名はグニグニちゃんって言うんですよ。」ルビィは付け加えた。
「余計な事は言わなくていいのよ。」アルテーシアは静かに言った。

ミクはアルテーシアとルビィの後をついて、ロームの神殿の入り口をくぐった。
Cooは滝の中に入っていったミクの姿を見送りながら言った。
「さあ、後はミクに任せるしかない。」
「いい結果がでるわ。。。。きっと。」ぷりんは言った。
「とにかく我々は待つしかない。」あタロウが言った。
「いか。」Aちゃんが言った。
「かに。」Bちゃん。
沈黙が訪れた。
「に。によ! Cooちゃんの番。に。」Bちゃんが言った。
「しりとりじゃないのよ。」ぷりんは静かに言った。
「ちょっと、ボケが強引すぎたかな。」あタロウが冷静に言った。
Aちゃんはいじけて暗くなり、Bちゃんはまた怒った。

ミクは2匹に連れられて、どこまでも続くような広間を歩いていた。
「ずいぶん静かね。」ミクは言った。
「これでもたくさんのフェレが住んでいるのよ。」ルビィが言った。
「ここに住むフェレは、みんな不思議な力と智恵を持っているのよ。ただ、マーリングリスルなどの村を黙って見守るのが好きなだけ。」
アルテーシアは説明した。
「さあ、この扉を抜けたら、グー神王の部屋よ。」
3匹は扉を抜けると、キヨトの都から帰ったばかりのグー神王が鎮座している光景が目に飛び込んできた。
ミクは緊張しながら静かにグー神王の前に歩みより、膝をついた。
「こ、こんにちは。グニグニちゃん。」

前頁へ 目次へ 次頁へ