12章 休息


キルトの鎧を大量生産できるメドがついたあタロウ達は、クラフフォレットの城下町を楽しむことにした。
ぷりんとミクはPhoto Gallery に行くことにし、あタロウは図書館でフェレット奮闘記 を読むことにした。写真も本も興味のないCooは酒場に出かけた。

Cooの選んだ酒場には小さなステージがあり、そこでクッキー がポップな曲を歌っていた。
Cooは酒場に入ると、カウンター席に座り注文した。
ビターアップルを。」
バーテンダーのアルが大きく目を見開いた。Cooはキョーンを思い出した
「冗談さ。トーンをくれ。」
「ブランドは?」アルはグラスを置きながら聞いた。
「いや、特にきめちゃあいない。」
「とっておきのヤツがあるんです。96年リミテッド。」
「そいつをもらおう。ただし、ストレートで。氷もいらない。」
アルはトーンをグラスにポンプした
確かにいいトーンだった。Cooはトーンの脂っこさの感じを楽しんだ。

ステージのクッキーが歌い終わった。
「ありがとう。さて、ついに私のラストソング です。タイトルはTogether...」
クッキーは、ピアノの前に座ったぐりに合図をした。
ぐりはイントロを慎重に奏で始めた。バラードだった。
イントロが終わり、クッキーは少しハスキーな声で歌い始めた。

「街角ですれちがった二人 肩寄せ歩いていた
いつになったら私もあんな風に あなたと歩けるのかしら
静かな暮らしにあなたが現われて 私の心は乱されて
そのくせ寒い夜には あなたの温もりが嬉しい」

Cooは、クッキーがよく見えるように体の向きを変えた。

「顔を合わせるといつも喧嘩ばかり そんな毎日だけど
いつも一緒にいるからこんな風に 素直に喧嘩できるのかしら
ときおり見せるあなたの優しさに 私はつい心を許して
後ろを向いたその隙の あなたの飛び蹴りが痛い」

クッキーが歌い終わりステージの裾にひいた。バンドは静かな音楽の演奏を始めた。
フェレの誰もがフェレ恋しい気分になった。Cooも例外ではなかった。
ふと横を見ると、細面の小柄な女が自分を見つめていることにCooは気がついた。
「踊るかい?」
「ええ」
Cooは女の腰を抱くとホールまでエスコートした。そして2匹は踊り始めた。

「どうして私に声をかけたの?」女は言った。
忘れちまったよ。そんな昔のことは。」
「そんなセリフ、以前聞いたことある。」
「ヤツもボーイスカウトに入っていたんだろう。」
「え?」
「気にするな。」
女はCooの胸に頬を当てた。
「あなたって、ちょっと変わってる。」
「眉毛が片方ないかい?」
「バカ」女はククッと小さく笑った。
そのまま2匹は黙って踊り続けた。

シナモンよ。」ラストダンスが終わる頃、女は言った。
「君の名前かい?」
「気にしないで。。。ちょっと言ってみただけ。」
「覚えておくよ。」
Cooはシナモンの腰に回した手に少しだけ力を入れた。
「すぐに忘れるくせに。」シナモンはCooの瞳を見つめた。

「かあちゃん! ニンニク買うのに何時間かかってるんだって、とおちゃんが。」
ダイキチが踊っているシナモンのスカートの裾を引っ張った。

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解説

Photo Gallery 丸岡氏のHPである「ClubFerret」にあるページ。みいちゃんとまあ君の写真をはじめ、お友達のフェレの写真も掲載されている。「ブタ鼻」のぷりんちゃんの写真もある。
フェレット奮闘記 丸岡氏のHPである「ClubFerret」にあるページ。その名の通り、フェレット飼育の奮闘の様子が軽快なタッチで掲載されている。
私がインターネットを通してフェレ仲間ができるきっかけとなったのが、この奮闘記に投稿されている高倉氏にファンレター(E-mail)を送ったことだった。これがきっかけで、高倉氏、丸岡氏、Andyさん、石橋さんと知り合うことができた。その後はFMLを通して多くの方々と知り合いになることができた。
クッキー 現在、市川ファミリー宅で生活している。顔と頭が白く、白いエプロンと左目の上のホクロのような黒い毛がとってもチャーミングな美フェレ。♀。
ビターアップル フェレの嫌いな味と匂いがする液体。私は使ったことがないので、どんな匂いなのかは知らない。トイレにしてもらいたく場所や、噛んで欲しくに場所に塗ったりして使うようだ。日本語訳で「りんご酢」とされているようだが、これは誤訳である。むしろ、りんご酢を好むフェレもいることがFMLによりわかった。
アル 本名は「アルミニウム」。現在、藤井宅で生活している。♂。最近、弟のミル君ができた。
キョーンを思い出した kyonさんは、目がクリクリして大きい。それだけ。
トーン 正式名称「FERRETONE」で8in1社の製品。茶色の容器に入った液体のビタミン剤である。餌にかけたり、直接舐めさせたりして与える。我が家では、大さじスプーン1杯程度を週に1回の割合で直接舐めさせている。2匹とも好きなようだ。ちなみに、私はこれを「フェレ・トーン」と読んでいたが、「フェレット・ワン」と読んでいる方もいた。
ポンプした FERRETONEの容器として、ポンプタイプとそうでないタイプがある。
ぐり クッキーちゃんと同様に、現在、市川ファミリー宅で生活している。♂。
ラストソング ここでは、多頭飼い(複数飼い)をテーマにした曲。
フェレにも相性のよしあしがある。最初から仲が良いケースも、次第に仲良しになるケースも、最後まで仲良くなれないケースもFMLで報告された
我が家の2匹の場合は、最初から仲良くやってくれたケースだったので胸をなで下ろしている。2匹が肩を並べて散歩する光景や、重なり合って眠る姿は、見ていてとても楽しい。
クッキーがこの歌を唄っているが、クッキーちゃんとぐり君が仲が悪いわけではないのでお間違いなく。
忘れちまったよ FMLの詩人、Takaさんのセリフ。オリジナルのセリフは以下の通り。
ぴえろ「どうして、そんなにお酒を飲むの?」
Taka「忘れるためさ」
ぴえろ「何をそんなに忘れたいの?」
Taka「ふっ、忘れちまったよ、そんなことわ」
シナモン 現在、高倉宅で生活している。♀。小柄の美フェレ。病気を克服した頑張り屋のフェレさん。この闘病の様子は、丸岡氏のHPである「ClubFerret」のフェレット奮闘記に詳しい。
ダイキチ シナモンちゃんと同様に、現在、高倉宅で生活している。♂。