7章 感謝祭


「つまり、キルトの鎧を着ていれば、モンスターから襲われることはないわけね。」
ミクは嬉しそうだった。
「そうだと思うわ。でも、絶対安全とは言えない。データーが少なすぎるもの。」ぷりんは慎重に言葉を選んだ。
「まあキルトの鎧は、少なくともジステンバ魔王の下級モンスターのレベルでは安心、という程度に考えた方がいいわ。上級モンスターやジステンバ魔王には効かないかもしれないし。」
「そんな。。」ミクはションボリした。

「とにかく、弱点であることはわかったんだから、このキルトの鎧を量産するわね。そして村フェレに配ることにしましょう。鎧職人ですごく腕のいい人知ってるの。キョーンって人なんだけど。」
ぷりんは、慌ただしくマロンの病室を出ていった。が、すぐにぷりんは戻ってきた。
「そうそう、今夜はこの村でお祭りがあるの。わたし、天下一カルタ会に出るの。応援に来てね。じゃあ。」
ぷりんは今度こそ出ていった。
「なんでもやっちゃうんだね。ぷりんって。」
あタロウはポツリと言った。

クレイシーファージィの村の祭りは、守護神<にし>の御加護に感謝し、おいしい食べ物や水と、やわらかなベットが永久に授かることを祈る大切な祭りである。
今夜も村フェレ全員が祭りに繰り出していた。その中に、あタロウとミクの姿もあった。

「やっほーお! あっタロー!」
声のした方向を見ると、遊具の子供用電気ブーブーに乗った鈴と琴がちぎれんばかりに手を振っていた。
言葉を失ったあタロウは、「気づかないふり、しよう。」と、ミクの手をとってその場を離れた。
「あ! あっちで天下一カルタ会やってる。」

天下一カルタ会は、いまやクライマックスに達していた。優勝候補はゲンタだった。その後を1枚の僅差で、うなちゃん、ぷりん、昇り龍のくま兄が横並びに続いていた。
昇り龍のくま兄は、もはや勝ち目を失ったシーナモンぎんたの応援を受けていた。
「家鴨あひる家の昇り龍3兄弟の名にかけて、この勝負いただくだぜ。」
くま兄は不敵な笑みを浮かべていた。
残る札はあと4枚。
詠み人である、平田が続けた。

「ほとばしる 怒りを託した 陰うんこ
「はい!」うなちゃんが体をくねらせて取った。
「なんだろう? つまんで驚く 隅うんこ
「はい!」今度はぷりんだった。
風呂うんこ 溶けて流れるいじらしさ」
「はい!」昇り龍のくま兄が意地をかけて取ったので、これで4匹は同じ枚数。
残るはラスト1枚。
天下一カルタ会の会場は異様な緊張感に包まれた。
平田は静かに詠みあげた。
「フェレ達の 願いは1つ 快うんこ
それをゲットしたのはゲンタだった。
会場は割れんばかりの拍手に包まれた。やはりゲンタは強かった。
優勝したゲンタには、金メッキの悪趣味なトイレが贈られた。
惜しくも接戦に破れたフェレ達は、陰うんこをするために会場から走り去った。

「いい勝負だったね。」ミクは興奮冷めきれず上気した表情であタロウに言った。
「そ、そうだね。」
「私、風呂うんこ 溶けて流れる いじらしさ っていうのが、かわいくってスキ。」
「そ、そうかい。そうだね。かわいいね。」
「あタロウはどれがスキだった?」
「話題を変えないか?」

クレイシーファージィの村の祭りは、みんなが眠くなるまで続いたが、そんなに時間はかからなかった。

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解説

天下一カルタ会 Andyさんのホームページ 「CRAZY FUZZY SITE」の企画で、フェレに関する「そーそーそーあるあるぅ〜!」といったネタでカルタを作ろうということになった。FMLのメンバーが多数投稿して盛り上がった。次第に「うんこ」をネタにしたものが増えてきて、秀作が数多くFMLにも投稿された。
子供用電気ブーブー デバートの屋上にある子供用の車の遊具である。銀座の松坂屋で開催されたフェレットフェスティバルの後で、鈴ちゃんと琴ちゃんのオーナーであるSHOKOさんは、何を思ったのかこの車を走らせながら、「やっほぉー!!」と我々に手を振った。みんなリアクションに困ってしまったが、私はそんなSHOKOさんが好きだ。
ゲンタ 現在、文屋宅で生活している。♂。文屋氏は、うんこネタのカルタの秀作を多数投稿し、うんこブームをFMLに巻き起こした仕掛け人である。この業績により「うんこカルタの師匠」と崇められている。
うなちゃん 本名「うなぎ犬」。現在、黒田尚信(浦和発)宅で生活している。♀。黒田氏は、50歳前半の方で、そもそも息子さんと娘さんが買ってきたフェレの世話をしているうちに、フェレの魅力にとりつかれた方。
昇り龍のくま兄 現在、家鴨あひる宅で生活している。♂。
シーナモン くま兄と同様に、現在、家鴨あひる宅で生活している。?。
ぎんた くま兄と同様に、現在、家鴨あひる宅で生活している。♂。
平田 4章で登場した「タオル食いのチョビちゃん」のオーナー(若奥様)。文屋氏の「うんこカルタ」をこよなく愛する。
陰ウンコ フェレは、嫌なことをされたり、気に入らないことがあったら、復讐のために陰でうんこをすることはFMLでは認知されている。我が家の例であるが、帰ってくるのが遅くなってしまって、放し飼いのフェレを長時間暗闇の中で過ごさせたことがあった。電気をつけてみると、食卓の上に見事な真一文字のうんこが残されていた。トイレの躾はきちんとできていたので、明らかな嫌がらせだと判断した。同様の報告がFMLで多数報告され、この行為を「陰うんこ」と呼ぶこととなった。
隅ウンコ フェレが排泄前にとる行為は独特のものである。背中を丸め、「もけもけもけ」といった感じで後退する。お尻が壁などにぶつかると、そこで足場を固めて排泄を始める。このような習性から、うんこは部屋の隅で発見されるので、時々見落としてしまうことがある。FMLでは、部屋の隅で発見されたうんこを「隅うんこ」と、見落として乾いてしまったうんこを「カレクソ」と呼んでいる。
トイレの躾をきちんとやりたいのであれば、このフェレの「もけもけもけ」の段階で抱き上げて、トイレに連れていくことを繰り返すと効果的である。誰でも、「さーて、うんこするぞ!」とパンツをおろし始めたときに連れ出されるのは嫌なものである。「ならば、最初から邪魔されない場所でやるべ!」とフェレに考えさせるのが目的である。
風呂ウンコ フェレをお風呂に入れたときに、うんこをすることが多々ある。我が家のフェレはお風呂が好きなので、恐怖からの脱糞行為ではないようだ。暖かいお湯にトップリとつかると、肛門がつい緩んでしまうのだろうか?
フェレのうんこは、「粗引きマスタード」のような粒が多く混じっているので、水(お湯)をかけるとボロボロに崩れてしまう。
快ウンコ フェレの健康状態は、うんこの様子を見ることである程度は判断できる。つらそうに排泄していないか? 変なポーズをしていないか? 変な便が出ていないか? などをチェックするわけだ。もし、繰り返し変な便が出るようであれば、獣医師に相談をした方がよい。
また、脱肛(腸の一部が肛門から飛び出す)していないかどうかのチェックも時々行うべきである。フェレの脱肛は決して珍しいケースではないようだ。
トイレ フェレのトイレは、3方向の壁が高く、フェレの体がすっぽり入ってしまうサイズのものが好ましい。これは、隅うんこで記述したようなフェレの習性によったものである。
トイレには、オシッコを吸収できるものを敷いた方がよい。足場が濡れていると、フェレはそこでトイレをしなくなるようだ。下に敷くものは、ペット用のトイレシーツ、ペット用のトイレの砂、新聞紙、などを用いる。ただし、フェレが誤って食べてしまっても問題が発生しないものを慎重に選ぶ必要がある。特に、水分を吸うと膨張してしまうような素材は避けた方がよい。誤飲してしまうと排泄もできなくなり、大変なことになる。
眠くなる フェレの活動時間は意外に短く、1時間も遊べば眠くなってしまう。フェレは1日のほとんどを眠って暮らしている。そのため、フェレーが起きている時間と、オーナーが遊んであげられる(または、ケージの外に出してあげられる)時間が合うようにリズムを作ってあげないと、フェレにとっても人間にとってもストレスの元となるようだ。