6章 弱点


暗く長いトンネルをマロンは歩いていた。このトンネルの向こう側には行ってはならないことをマロンは知っていた。しかし、手足は意志とは裏腹に動き続けた。
「そっちへ行っちゃあかん!」
マロンは何度も口にした。
「あかんのや!」
トンネルの出口が見えてきた。マロンは、もうどうでもいい気持ちになった。トンネルの向こうの暮らしも悪くないのかもしれない。
突然マロンは、ミクのヒゲの色が気になり始めた。
「あれ? あいつのヒゲって黒だっけ? それとも白だっけ?」
マロンは今歩いてきた道を戻り始めた。

クレーシーファージィの村の診療所は、さっきまでの慌ただしさとはうってかわって静まりかえっていた。の2匹の女医は、マロンにあてた聴診器を静かに外してうつむいた。
「マロン。お願い! 戻ってきて。。。」
ミクは祈りながら呼吸を止めたマロンの顔を舐め続けた。
「あ、白やった。」マロンは突然目を開くなり言った。
「マロン!!」ミクはマロンに抱きついた。
爪、たてんといてくださいな。
マロンは順調に回復していった。

そんなある日、ぷりんが黒い瞳をクリクリしながらマロンの病室に入って来た。
「キルトの鎧を調べたら、面白いことがわかったわよ。」
ぷりんは、マロンをお見舞い来たときにキルトの鎧を見つけ、半ば強引に借りていったのだった。
あタロウは、ぷりんの体がオレンジ色になっているのに気が付いた。最初に会った時にはあんなに真っ白だったのに。あタロウは思った。ぷりんは、きっと何日もお風呂に入らずにキルトの鎧を調べたのだろう。

「ほら、この数字を見て。異常に高いでしょ。」ぷりんはクリップボードをあタロウに差し出した。
あタロウは、ボードに書かれた数字を見た。しかし、何が何だかわからなかった。
「鶏胚由来弱毒生ウィルスワクチン。」ぷりんは嬉しそうに言った。
「それが何か?」
「キルトの鎧にそれが含まれているの。」
「だから?」
「どうして静かだった森に、急にロイスが現われたの? あの時の事を思い出してみて。」
あタロウは考えたが、思い当ることはなかった。
「ワイもわからん。でも、キルトの鎧を脱いだりしなかったら、こんな深手を負わずにすんだかもしれへんな。」マロンはバツが悪そうに言った。
「そう。そこなの。」ぷりんはニッコリした。
「マロンが鎧を脱いだら、ロイスが来た。」
「そうや。その通りや。」
「鎧を身につけていたら、モンスターに遭遇しなかった。つまり。。」
あタロウはぷりんの言わんとすることが理解できた。
「軽薄ゆらゆらじゃあーどこかのウイルソンがハクションがヤツらの弱点なんだ!!」
鶏胚由来弱毒生ウィルスワクチン。」ぷりんは静かに言った。
「よーボケた!!」マロンが拍手した。

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解説

トンネル フェレはトンネルに入ったり出たりする遊びが大好きだ。フェレ用のおもちゃとして市販品があるが結構高価なので、太目の塩化ビニールパイプなどを購入して、自分でアレンジしてみるのも面白い。我が家では、丸岡氏直伝のダンボールのトンネルを作っている。作り方は簡単。ダンボールを細長く長方形に切り、長い方の辺と平行に3つ折りをして3角柱を作る。頂点はガムテープでくっつけている。ダンボールは薬局などでもらえるので元手はガムテープ代だけである。
ヒゲの色 我が家のフェレのヒゲの色は、1匹は白で、もう1匹は黒である。ヒゲの色と、口の周りの体毛の色と関係あるようにも思えない。ちなみに、我が家のフェレの口の周りの体毛は2匹とも白である。
現在、SHOKO宅で生活している。♀。
鈴ちゃんと同様に、SHOKO宅で生活している。♀。
爪、たてんといてくださいな フェレの爪は尖がっていて、捕まれると結構痛いものである。爪切りがうまくいかないと、かえって爪が凶器となってしまうので、爪切りの腕を上達させる必要がある。爪切りは、ネコ用などの小動物用を使う方がいいようだ。人間用を使うと、爪が割れてしまう可能性がある。これは、人間の爪切りは平べったい爪を切りやすいように設計されており、フェレのような断面が楕円の爪を切るのに向いていないからである。とはいうものの、私達は人間用の爪切りでフェレの爪を切っている。ネコ用の爪切りも持っているが、どうしても上手に使いこなせないのだ。
クレイシーファーシィの村 Andyさんのホームページ 「CRAZY FUZZY SITE」のこと。フェレットをテーマとしている。最近comドメインも取得したようで、今後はそちらの方も充実していく様子である。
ぷりん 現在、Andy宅で生活している。けしろめくろ(白い毛で目が黒い。ホワイトファー・ブラックアイと呼ばれる)の♀。オスとのバトルが大好きで、トンネル内での待ち伏せ戦法をお家芸とする。メスとのバトルを避ける。私が不思議なのは、オスとメスをどうやって瞬時に見分けのか? ということである。匂い? 顔つき? 体つき? 不思議だ。。。
体がオレンジ色 フェレの体から分泌される液は、オレンジ色をしている。そのため、毛の白いフェレは次第にオレンジ色に変わっていく。シャンプーをすれば元の毛色に戻るようだが、シャンプーのやりすぎは不必要に分泌液を洗い流すことになり、かえって毛の艶を落とす原因にもなる。最悪の場合は、ヒフ病の原因にもなり得る。シャンプーは多くても月に1〜2回以内にとどめる方がよい。
関連した話として、フェレの耳アカもオレンジ色である。健康なフェレの耳アカはネットリしたオレンジ色であることから、「ワックス」と呼ばれている。もし、耳ダニが寄生しているなら、黒に近いカサカサの耳アカとなる。耳ダニはほっといて治る病気ではないので、必ず獣医師の指導のもとで治療しよう。我が家のミクも耳ダニに寄生されたが、2週間位で完治した。
鶏胚由来弱毒生ウィルスワクチン 残念ながら、フェレット専用のジステンパーウイルスのワクチンは日本では認可されていないので、正式には存在しない。アメリカでは、米国農務省(USDA)によってフェレット用として認可を受けている犬ジステンパー症予防ワクチンは存在する。このワクチンが、鶏胚由来弱毒生ウィルスワクチンである。
日本でフェレットに犬ジステンパー症予防ワクチンを接種する場合は、犬用の混合ワクチンを代用して接種することになる(多くの製品は、鶏胚由来弱毒生ウィルスワクチンを使用している)。この「混合」という点が議論のもととなっている。すなわち、フェレットにとっては必要のない犬専用のワクチン(犬アデノウイルス2型感染症、犬パラインフルエンザ、犬パルボウイルス感染症、など)までも接種することの信頼性についての議論である。だからといって、混合ワクチンを拒否すると、肝心の鶏胚由来弱毒生ウィルスワクチンが接種できなくなり、ジステンパーに対するリスクが生まれる。日本でも、1日も早くシングルワクチンが認可されるよう切に望んでいる。