★ 7日目
層雲峡
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夜2時23分、上川駅着。列車が走り去り、駅は静まり返る。ぼくらも外の寒さ
に静まり返る。外で寝るには寒すぎ、酷と思ったのか、駅員さんが待合室で寝る
ことを許可してくれる。とてもありがたかった。若者たち二人はベンチの隙間に
銀マットと寝袋を敷き、寝に入るのであった。
6時起床。近くにいた猫と遊んだ後、バスで層雲峡へ。
まず黒岳へ。ロープウェイとリフトで一気に7合目まで登り、頂上を目指して登山開始
。山の番人に言わせると、今日のようにいい天気はなかなかないそうだ。人と挨
拶を交わしながら、一歩一歩岩を登っていく。結構、登りごたえがあり、休みつ
つ行く。紫色したトリカブトの花が咲いている。確かにいい天気で、やがて大パ
ノラマの風景が広がり、それを見ながら山頂へ。標高1984メートル。開放感
がある。ブランデーを軽く飲みながら、スケッチをする。黒岳は大雪山系に属し
、遠くには旭岳など他の山々が見える。石室という人が泊まれる山小屋の方に行
ってみると、雪渓が残っている。万年雪だ。
石室の前にはキタキツネがいて、ぼくとにらめっこ。下山するとき、リスと鬼
ごっこ。
キツネは北海道の人にとっては、ありがたい存在ではないようだ。来た道を
下り、リフトで下山。
きのこ丼を食べる。昨日のオホーツク丼に対して、こちらは山の幸で、わき目
もふらずに食べる。
バスで層雲峡観光。勢いがある流星の滝、サラサラ流れる銀河の滝、岩が大き
な箱のように見える大函、上流の石狩川の流れ、を見に行く。あっさりしていた
。
ぼくたちは温泉を見つけたら、とりあえず入ることにしている。あるときに入
っておかないと、次にいつ風呂に入れるか分からないからだ。層雲峡温泉で熱め
のお湯につかる。風呂上がりのつぶつぶオレンジがおいしい。目が重くなりその
まま、休憩所でうとうとする。
バスで上川へ戻り、列車で旭川へ。
20時、旭川の街へ。街は広々としていて歩きやすい。繁華街は広域に渡っていて、賑やか
で開放感がある。おしゃれな若者たちがたくさんいる。旭川ラーメンを食べるこ
とにし、メニューを見て考えていたら、店のおっちゃんが、シンプルなのが一番
だという。いろいろ入っていたら味が消えるんだ。言われてみればそうだ。みそ
ラーメンを注文。めんは太めん、みそスープは唐辛子が利いていて、おっちゃん
の味がこもったラーメンだった。帰り際、富良野のうまいラーメン屋を紹介して
くれる。ありがとう。
駅に戻り、NHK BSを流し続ける待合室で列車を待つことにする。寝たり
、本を読んだり。
今日で旅の半分。これからの旅も、できることはできるときにやっておこう。
0時32分、入線した深夜急行利尻に乗り込み、すぐに寝る。5時40分までぐっす
り。車内アナウンスで起きると、海の向こうに利尻富士が見えた。起きて最初に
拝む風景にしてはぜいたくだ。日本最北の駅稚内、6時到着。稚内防波堤ドームでは、ライダーたちがテントをはっている。
バスで宗谷岬へ。展望台からはオホーツクが丸く見える。間宮林蔵の像、日本最北端の島、
弁天島、
日本最北端の地碑
などがある。すごくいい天気で、北海道では今日が一番温かい。最北端だか
らって一番寒いわけではない。最北の電話ボックスから家に電話するが、テレカ
の度数が全然減らないのに驚く。じゃがバターを食べて、ホクホクしたジャガイ
モを満喫する。襟裳岬、納沙布岬、野付半島はどこも曇っていたけれど、宗谷岬
はとても天気が良くてすがすがしさを感じた。
地元のおばあちゃんたちで埋まったバスで駅に戻り、次は重いリュックをしょ
って稚内公園へ。氷雪の門が真っ青な空と海に良く映えている。風が気持ちいい
。駅への帰り道、コギャルを発見。最北コギャルだ。
駅前の藤田で家庭の味の定食を食べる。塩味のきいたハモ焼き、白米、豆腐と
ワカメ入りのみそ汁、漬け物、しらたきと肉の煮込み、イカサラダ、温かい味わ
いに満腹。旅を感じるひとときだった。
6時間列車に乗り、富良野へ。列車に乗っている時間は旅行記、睡眠に当てら
れる。片は旅行記の後、テトリスに興じていた。18時17分 富良野着。駅に着く
とまずぼくたちがすることは、記念スタンプを押すことである。スタンプ、旅の
途中でもらう各種の券、レシート、絵、などで、徐々に旅行記は埋まっていく。
富良野駅前のラベンダー店を見た後、街へ。中華料理店喜楽で中華丼を注文。この店
はラーメン味百選で、全道4位。ねぎチャーシューめんのねぎの量がすごい。四
川ラーメンは辛さ10番をたいらげると、店内に名前を貼り出してもらえる。芸能
人も来ている。ラーメンがうまいところは何を食べてもうまいようで、中華丼は
良かった。
銭湯のふらの湯へ。ここでもリフレッシュ。見知らぬ街で入る銭湯はいいもの
だ。
駅に戻り、ツーリストトレインという中で旅人が寝られる施設があるので、無
料かと聞いてみる。700円だという。それなら野宿でいいやと思うぼくたち。
寝るまで、テレビのある駅の待合室で過ごす。羅臼の海岸で拾った木をナイフで
彫り、キツツキにしてみる。テレビでは、猿岩石が旅をしている。ガキの使いで
は松ちゃんが壊れた日本語で遊んでいる。「中華冷やし冷やし」。やがて、待合
室が閉められ、便所の前で野宿が始まる。今日は寒そうである。
3時40分 寒さで目が覚める。寝ている中では今までで一番の寒さ。
5時30分 たまらずに開いた待合室に駆け込む。壁があるのとないのとでは、
寒さは大きく違うのだ。朝のテレビをボーッと眺める。
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8時15分 駅前のレンタサイクルを借りて出発。
まず、北海道のへそへ。ここを支点に北海道を持ち上げたら釣り合うそうだ。 ワイン工場で地下の貯蔵庫を見学した後、赤ワインと白ワインの試飲。赤ワイ ンが今まで飲んだワインとは全然違う渋い味。 ←自転車で走っている途中、羊がわき目もふらず草を食べていた。 チーズ工房へ。固いチーズと柔らかいチーズを試食。固いのは日本人好みの味 で、柔らかいのはバターっぽい味。とれたれ牛乳を飲む。上がクリーム状になっ ていて、チーズの味がする。 アイスミルク工房でかぼちゃアイスを食べる。かぼちゃの味がはっきり分かり 、これもおいしい。 遅咲きのラベンダーが咲いている。 長い坂を上り、朝日ヶ丘公園へ。山をチャリで一気に下る。イヤッホー。 開けた地にポツリと現れる ポプラの木 には不思議な魅力がある。 富良野の自然と味を味わい、市街に戻り、自転車返却。12時。 |
旭川のラーメン屋のおっちゃんが「他にはない味だ」と教えてくれたラーメン
屋へ。店のドアを開けると同時に「しょうゆラーメン二つ。」と注文。しょうゆ
スープはそばつゆの味に近く、めんは手打ちでシュルシュルしている。昨日の夜
、仕込んでいるのが窓から見えていたもんなあ。
駅に戻りラベンダーアイスを食べ、香りの良いラベンダーのドライフラワー買
い、富良野を後にする。
うれしいことに臨時特急 田園休暇ふらの号に乗ることができる。この列車は
前の窓がパノラマになっていて、一番前に座ったぼくたちは子供のように景色を
眺めていた。徐々に高い建物が多くなり始め、札幌に到着。乗り換えて、小樽に
向かう。ちょうど通勤帰りの時間帯で、ドアが開くと同時に席は埋まる。まるで
東京のようだ。1時間10分ほどで小樽到着。小樽駅前を野宿できるかどうかチェ
ック。が、絶対寝られる雰囲気じゃない。ここで寝たら踏まれ、狩られる。ので
、違う駅に行くことにする。待合室では、高校生が内田有紀のポスターを盗ろう
として、駅員に捕まっている。若者の熱気を感じる。
21時05分、余市駅到着。無人駅だけど、宇宙飛行士、毛利さんの故郷ということもあってか、と
てもきれい。きれいすぎて寝られるか不安を感じる。しかし、待合室を出てみる
と、自動販売機の隙間にスペースが。ここだー。二人でガッツポーズ。このスペ
ースを見て喜びを感じる自分たちに笑ってしまう。二人ともハイテンションで、
早速寝袋を敷く。ぼくは速攻で寝てしまい、その後の終電なんて全く気づかなか
った。
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