目次
[MUSICA MUNDANA No.80] 2007年09月30日発行
 
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 「MUSICA MUNDANA No.80」をお届けします。

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           MUSICA MUNDANA NO.80
             Sep.30.2007
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             ◆ 目次 ◆

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 ◎ 音楽史
    ◆ロバーツブリッジ写本◆
 ◎ 数学史
    ◆尊者ベーダ(ビード)◆
 ◎ Homepage Updated (Sep.25.2007)
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 ◎ 随想
 ◎ あとがき
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━━[音楽史] ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 ◆ロバーツブリッジ写本◆

  「フォヴェール物語」の中にあるヴィトリのモテトゥスのうちの二つ、
「Firmissime/Adesto, Sancta Trinitas/Alleluya, Benedictus」と
「Tribum, quem non abhorruit/Quoniam secta latronum/Merito hec
patimur」は、別の理由から注目すべきものです。それらが筆写されたもの
が Brit.Lib.Add.28550 という鍵盤音楽の最も初期の知られた曲集に含ま
れているからです。

それは、サセックス(Sussex)のロバーツブリッジ修道院 (Robertsbridge
Abbey)の古い記録と深い関わりがあります。恐らく、1325年にさかのぼる
でしょうが、もしそうなら、実際には「フォヴェール」の写本と同時代の
ものです。

ロバーツブリッジ写本には、プンクトゥムのエスタンピ(estampie)様式の
紛れもなく純粋な器楽曲の終わり部分とこの形式の2つの完全な曲、二つ
の「フォヴェール」からの写しなどが含まれています。これらは、小さな
オルガンで演奏されることを意味していたのかも知れません。しかし、ほ
んの少し後の 1360年に、エドワード3世は、捕虜であったフランスのジ
ャンヌ2世(John of France)に、エスキキエ?(eschiquier)(恐らくハー
プシコードの祖先)をプレゼントしたという記録が残っています。

マショーは、音楽の作品でない著作の中で、二度イギリスのエスカキエ?
(eschaquiers d'Engleterre)と言う楽器に言及しています。オルガンある
いはエスキキエ?では、演奏家は、もともと2ページに別々に書かれてい
るパートを同時に読み演奏しなければなりませんでした。そうした演奏を
可能とするには、それぞれのパートを圧縮した形に「タブラチュア化
(intabulate)」しなければなりませんでした。

ロバーツブリッジ写本に採用された方法は、また、1世紀かそれ以上後の
ドイツのオルガンのタブラチュアもそうですが、最も高いパートを譜表に
普通の記譜法で書き、その他のパートは、一般にアルファベットの文字で
書くことでした。しかし、最も高いパートも、決して単にそのまま写され
ただけではありませんでした。それには「色が加えられ(coloured)」まし
た。つまり装飾的なものが付け加えられていたのです。その用語は、現代
の「コロラトゥーラ」の中に生き残っています。

━━[数学史] ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 ◆尊者ベーダ(ビード)◆

 ノーサンバーランド(Northumberland)のモンクトン(Monkton)に、中世の
教会の学者の中で最も偉大な人の一人、一般に尊者ベーダ(Beda
Venerabilis)、尊者ビード(the Venerable Bede)として知られ、バーク
(Burke)によって「イギリスの学問の父」と呼ばれたビーダ(Baeda)が生ま
れたのは、イシドルスの後100年ほど後のことでした。

 ハラム(Hallam)は、彼のことをこう述べています。彼は「イギリスの古
代の年代記文献の他のあらゆる人の名を凌いでいる。彼より古い著述家た
ちの勤勉な編集者以上のものではほとんどないけれども、恐らく、世界に
(西洋だけでなく東洋でも(学問が)低く沈滞していた)当時いた他のど
んな人よりも優れていたと見なされるだろう。」

彼は、死の4年前、それまでに書き上げていた37の著作のリストを用意
し、それに次のように付け加えています。「私は同じ修道院でこれまでず
っと過ごしてきた。私は、修道会の規則と教会の礼拝とを守りながら、私
の変わらぬ楽しみは、学ぶこと、教えること、著作することであった。」

アウグスティヌス(オーガスティン)がカンタベリーに伝えた知的精神的
宝物の二人の継承者、アルドヘルム(Aldhelm)とベヴェリーのジョン(John
of Beverley)に教えられ、また高度な学問を修道院にもたらした二人の先
駆者、大司教タルススのテオドール(Teodore of Tarsus)と大修道院長ア
ドリアン(Adrian)の弟子でもありました。こうして彼は世の中のために尽
くし、「神の物静かな活動に聖せられた生涯」を送る用意が十分できてい
ました。

 数学では、彼の関心は、古代の数の理論、教会暦、そして指の数の象徴
にあり、彼の著作にはこれらの他の数学的テーマも含まれています。彼の
おかげで、私たちは暗黒時代に書かれた暦についての最良の書を、また、
彼の時代までの数字の記数法について最良の著作を手にしています。ある
数学的な楽しみ(の書)もずっと彼によるものだとされてきましたが、彼
が、その著者であるという決定的な証拠はありません。

━━[随想]━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 ◆中秋無月侍母◆

 今月25日は中秋でしたが、皆さんは、月は眺められましたか?

 こちらでは、残念ながら雲が広がって月を見ることができなかったので
すが、ふと、こんな漢詩を見かけましたので、取り上げてみます。

 中秋無月侍母  頼山陽  中秋月無く母に侍(ジ)す

 不同此夜十三回    此の夜を同じゅうせざること十三回
 重得秋風奉一巵    重ねて得たり秋風一巵(イッシ)を奉ずるを
 不恨尊前無月色    恨みず尊前(ソンゼン)月色(ゲッショク)無
           きを
 免看児子鬢辺絲    看(ミ)るを免(マヌ)かる児子(ジシ)鬢辺
           (ビンヘン)の絲

 中秋の晩、母に侍して月見をしたが、あいにく月が出なかった

 母と中秋の月見をしなくなってもう13年にもなっってしまった。
 今宵久々に秋風のもと再び母を迎え一杯の酒を差し上げることができた
 母とのせっかくの月見だったが月が見えなかったことを恨んだりしない
 お陰で、鬢のあたりの白髪を見られることもなかったのだから

 久々の母との中秋の名月の月見でしたが、残念ながら月は見えませんで
した。残念には違いないのですが、そのお陰で、自分の鬢(頭の左右側面
の髪)のあたりにある白髪を母に見られずにすんだのが、せめてものすく
いだというのですね。親に心配させまいとする真心溢れる詩です。

━━[催し物情報]━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 ●県立二十一世紀館「文化の森ジャズコンサート」
 日時:10月7日(日)13時開演
     (先着250名・整理券は発行しません。)
  場所:徳島県立二十一世紀館 野外劇場
    ※荒天時は、イベントホールに会場を変更
  参加費:無料

 徳島県立博物館の催し物情報は、以下のサイトをご覧ください。
      http://www.museum.comet.go.jp/

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━━[Homepage Updated]━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

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━━[あとがき]━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 お彼岸(秋分)も過ぎ、中秋も過ぎました。皆さん、いかがお過ごしで
すか?

 こちらでは、お彼岸までは、まだ暑さが残っていたのですが、昨日ぐら
いから、急に朝晩は肌寒いほどになってきました。少々急な気温の変化で、
気をつけないと風邪でも引きそうなぐらいです。もっとも、明日は、また
暑くなるという予報ですが。  

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