目次
[MUSICA MUNDANA No.47] 2004年12月30日発行
 
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 「MUSICA MUNDANA No.47」をお届けします。

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           MUSICA MUNDANA NO.47
             Dec.30.2004
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             ◆ 目次 ◆

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 ◎ 音楽史
    「グレゴリオ聖歌」と「古ローマ聖歌」
 ◎ 数学史
    ローマ時代
 ◎ Homepage Updated (Dec.30.2004)
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 ◎ 随想
 ◎ あとがき
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━━[音楽史]━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 ◆「グレゴリオ聖歌」と「古ローマ聖歌」◆

 さて、これまでの話をまとめてみますと、イギリスではビードが、本来
 ガリアやケルトの典礼の起源であるものを、グレゴリウス1世から学ん
 だものであると主張し、フランクのカロリング朝でも、その聖務日課書
 の起源はローマにあると主張し信じられていました。

 しかし、メッスのアマラルが恐らく初めてそれに疑問を抱き、ローマに
 真のアンティフォナーレを求めて赴きます。しかし、そこで発見したの
 は、メッスのものとコルビーのものとでは大きく異なっていることでし
 た。そして、新たにメッスでの使用のためにアンティフォナーレの編纂
 に取りかかります。

 現代の学界では、二つの聖歌、すなわち書かれた典礼用テキストを区別
 しています。音楽は、まだ口頭でおおよそ正確に伝えられただけでした。
 というのは、この時期、まだ西洋音楽には記譜法の体系がなかったから
 です。

 前回の話でお分かりの方もいるかも知れませんが、(現在失われてしま
 った)コルビーの聖務日課が「古ローマ聖歌」とずっと呼ばれてきたも
 ので、いわゆる「グレゴリオ聖歌」より古く、グレゴリウス一世(大教
 皇)その人の時代にまで遡ると考えられています。またもう一つの説、
 「古ローマ聖歌」と「グレゴリオ聖歌」は同年代のものでありますが、
 異なった場所、一つは修道院で、もう一つは教会で用いられてきたとい
 う議論もあります。

 音楽の記譜のある最も古い「古ローマ聖歌」の写本は、最も狭い意味で
 ローマのものであることは確実です。トラステヴェレ(Trastevere)の聖
 チェチリア(Cecilia)修道院教会のグラドゥアーレ(Gradual)(1071)とヴ
 ァチカン図書館にあるグラドゥアーレ(lat.5219)は、ラテラノ宮殿(聖
 堂)で用いられたと考えられています。

 しかし、なぜ古ローマ聖歌のコルビーの聖務日課書が、8世紀のまさに
 終わり頃からなされた改訂版であってはならないのか、恐らく、全く理
 由はないでしょう。

 それでは、「グレゴリオ聖歌」とは何なのでしょうか。一つの見解は、
 ローマの教会で用いられたものは、教皇のスコラで発展させられた特別
 の聖歌に由来するというものです。しかし、最も古い書かれた資料はロ
 ーマで編纂されませんでした。カロリング朝が分割された東西のフラン
 ク王国に源を発しているものでした。そして、これらの土地で認められ
 ていた模範は、メッスの聖務日課だったのです。

 12世紀前半になりますと、聖ベルナルドゥス(Bernard)(d.1153)が、メ
 ッスの伝統の上に立って、シトー会修道院(Cistercian)の聖歌集の改革
 を行います。そして、十世紀の間に、オットー大帝の下の西(ローマ)
 帝国の復活と教皇への服属とともに、このフランクの伝統が、ローマの
 伝統そのものの中で、自らを確立したとずっと考えられているのです。

━━[数学史]━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 ◆ローマ時代◆

 この頃、数学の歴史に何らかの興味を示した人たちの中で、最も有名な
 のはゲミノスです。紀元5世紀のプロクロスは、私たちにこう語ってい
 ます。「彼は、スパイラル(渦線)、コンコイド、シッソイド疾走線を
 扱った幾何学を書いた。その著作のうち一つだけが現存する。ファエノ
 メナ(Fhaenomena)という天文学に関する論文である。」プロクロスは、
 ゲミノスの著作に基づいて、多くの歴史に関する覚え書きを残していま
 す。

 ユリウス・カエサル(シーザー)(BC100-BC44年)の暦の改革(BC46年)に
 も触れておいた方がよいでしょう。これは、アレクサンドリアのソシゲ
 ネス(Sosigenes)という天文学者、その名以外にはほとんど何も知られて
 いないのですが、彼の助けで企てられた事業です。彼はまた、広く(ロ
 ーマ)帝国の測量も計画していました。

 BC40年頃、ギリシアの天文学者、クレオメデス(Cleomedes)は隆盛を
 極め、天体の周回循環の理論について論文を書いたように思えます。彼
 の算術と天体についての論文の写本が、まだ存在すると300年前には
 言われていたのですが、現在では失われています。

 数学を広く実用の目的で用いたローマ人のうち、マルクス・ウィトルウ
 ィウス・ポリオ(Marcus Vitru'vius Pollio)ほど、一般にはウィトルウ
 ィウスとして知られていますが、優れた人はいないでしょう。彼の建築
 についての著作は、BC20年とBC14年の間に書かれたと考えられ
 ています。第9書で、彼は様々な型の日時計を扱っていますし、また、
 著作全体を通して、若いときに技師として訓練を受けたことを示してい
 ます。また、光学の古代の学問である遠近法についてもかなりのことを
 知っています。

 一般にプリニウスとして知られるガイウス・プリニウス・セクンドゥス
 (Gaius Plinius Secundus)は、主に37巻の書である「自然史(Natural
 History)」と結びつけられていますが、彼は、論文の中に、ある程度数
 学を紛れ込ませていることを思い出さなければならないでしょう。第2
 巻には、簡単な天文学の解説が含まれていますし、特に、歴史的な情報
 があることから貴重です。ローマの数詞に関する実際の使用の知識は、
 彼が、しばしばこの著作の中で触れていることから豊かにされているの
 です。

━━[随想]━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 今回は、「舞波羅の戯言」に書いているお話から。
 (http://haihara.cocolog-nifty.com/haihara/cat2130798/index.html)

 12月25日は言わずと知れた「クリスマス」ですが、この「クリスマ
 ス」という言葉の意味はご存じですか。

 「CATHOLIC ENCYCLOPEDIA」によりますと、

 「「クリスマス」と言う言葉は、後期古英語では Cristes Maesseとなっ
 ている。the Mass of Christと言う言葉は 1038年に、また Cristes-
 messeと言う言葉は 1131年に最初に見出される。オランダ語では Kerst-
 misse、ラテン語では Dies Natalis、フランス語の Noelとイタリア語の
 Il nataleは、Dies Natalisに由来する。ドイツ語では、Weihnachtsfest、
 キリスト教以前の聖なる前夜祭に由来する。Yuleと言う言葉の起源は議
 論の分かれるところである。「車輪」を意味するいかなる言葉とも結び
 ついてはいない。アングロ・サクソン語の名は geol(祝祭) geola(月の
 名)であった。」

 ということです。少なくとも英語のクリスマスは「キリストのミサ」と
 いう意味のようですね。

 では、なぜクリスマスは12月25日に祝われるのでしょうという問い
 についてはどうでしょう。

 福音書には何も書かれていませんが、福音書の記述から見る限り、冬で
 はあり得ないと言います。それなら、なぜ12月25日ということにな
 ったのでしょうか。なにやら膨大な資料があるようで、長い間いろんな
 議論がされてきています。例えば、ザカリアス神殿の礼拝が起源だとか、
 ユダヤの祝祭からの類推だとか、冬至の祝祭であった太陽神ミトラの生
 誕祭である Natalis Invictiが起源だとか、サトゥルナリア(ローマの
 農神祭) (1-23 December)が起源だとか。

 結局のところ、現在では、多くの異教の冬至の祝祭からの類推で12月
 という期日が選ばれたのは明らかで、その中でも12月25日に祝われ
 たミトラ教の祝祭 Natalis Invictiがキリスト教に影響を及ぼしたのだ
 ろうというのが最も有力な説のようです。

━━[催し物情報]━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 第8回ハートフル・ミュージック・グループ コンサート
  森と川のファンタジー  --やすらぎを求めて--
  2005年1月15日(土) 開演 13:30 (開場 13:00)
  徳島県郷土文化会館 大ホール
  入場料 一般 2000円 小中高生 1000円
  フルート 辻 馨   箏 原郷海恵子

 徳島県立博物館のその他の催し物情報は、以下のサイトをご覧ください。
      http://www.museum.comet.go.jp/

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━━[Homepage Updated]━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

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━━[あとがき]━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 2004年もあと残すところ2日となりました。

 昔から申年は災害が多いと言われているようですが、今年は本当に自然
 災害に悩まされた年でした。

 日曜日スマトラ島沖で起きた地震は、これまでにない災害になっている
 ようです。インドネシアでは、これまで知られていなかった村に救援隊
 が入って行くにつれて「容赦なく」死者が増え続けているそうです。現
 在7万人ぐらいの遺体が発見されているのでしょうか。国際赤十字など
 によりますと、10万人に達するかも知れないということです。

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