イギリス刺繍旅行その3

イギリス刺繍旅行その3 湖水地方〜リバプール


 (画像は、近く入れ替えしますので、ちょっとまってね)

実はロンドンには実質3日しかしなくて、あとは飛行機でエジンバラに飛び、そこから車でロンドンまで、ふらふらと気の向くままに旅をしていたんですね。ですから、あまり刺繍のことも考えないようにしていたのですが、気がつけば、刺繍が私を呼び寄せているような、そんな体験がいっぱいありました。

エジンバラでは、いくつか刺繍専門の手芸屋さんがあるというのは、事前の情報で知っていたのですが、まあロンドンにはかなわないだろうと思って、行きませんでした。事実、偶然に通りかかった店をみても、ロンドンにもあるものばかり。
とはいえ、土産物屋さんにも、パフィンやエスニック調のクロスステッチのミニ・キットがあるのには、感激。思わずスコットランドの名物、パフィンくんのかわいい姿のキットを買いました。ちなみにこれは、イギリスのどこにでもあります。

そこから車で、湖水地方へドライブ。いまやピーター・ラビットの故郷として、日本人が大挙しておしかけるヒル・トップ農場のすぐ近くまでは行ったのですが、なんだか恥ずかしくて、結局そこには行きませんでした。それよりずっと静かで、美しい農場のある村がいっぱいあるんですよね。グラスミアは、特にお薦め。私も築500年の農場のB&Bに、ゆきあたりばったりで行って、泊めてもらいました。
それでも湖水地方には、ピーターラビットばかりを集めたショップが、チェーンでたくさんあって、思わず私も立ち寄ってしまいました。ここに刺繍の図案が結構そろっていました。そんななかで、ニードルポイントの額つきのキットもあって、これはサテンステッチのようにおおまかに刺すタイプのものですが、これが約10ポンド(1400円)。子供でもできるようになっていて、かわいかったので、思わず買ってしまいました。

でも、やっぱり圧巻だったのが、偶然見つけた、ケンデルの町にあるクェーカー・タペストリー展示場。クェーカーというのは、キリスト教の一派なんですが、その信者たちが、9種類の糸が混じった特別製のウール茶色の布地に、細いアップルトンの毛糸で刺した物語風の刺繍が、なんといっても味があるんです。
サイズは決まっていて、横63、5センチ、たて53、3センチ。ある時代の風景を、ホイップト・ストレート・ステッチや、スプリット・ステッチなどで刺していきます。文字のレタリングもきっちり決まっています。
この刺繍がはじまったのは、1981年ですから、今からたった14年前。77枚の完成品が展示してありますが、人々の働く様子とか、ドラッグと失業で彷徨う姿とか、学校の子供たちとか、いろんな時代のいろんな生活の場面が描かれていて、結構楽しいです。
現在は、世界のクェーカーに広まっていて、すでに300枚ほどあるそうで、日本の信者によって作られたものもあるそうです。ぜーんぜん知らなかったから、びっくりー。
思わずショップ(これがもうほとんど手芸屋さん)で、作り方のテキストを買ってしまいました。さすがに材料は買わなかったけど。図案を自分で書いて、色指定をして、刺していくのって、いいですよね。よい参考になりました。

そこからまた、車で延々ドライブしてリパプールへ行ったのですが、その郊外に巨大な刺繍センターがあって、これが結構有名だそうです。膨大な量のキットはもちろん、布地もいろんなカラフルなものがあったり、図案や材料もすべてそろうというもの。もちろんニードルポイントもずらりとそろっていて、はいると1日がかりだとか。しかし時間のない私は、行けませんでした。あー、残念。
偶然カラー・パンフレットをもらったのですが、これがまた広くて、実によさそう。次回はぜひ行きたい! といいながら、ビートルズの足跡をたどってばかりいる私でした。
ペニーレインも、ストリベリー・フィールズも、ちゃんと残っているのが、感動です。 

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