俺とサムをしっかり押え込んでいた扉から解放された途端、俺は酷い目にあった。
「あいてててててててててててててっっっ!」
ヨハンが俺の耳を引っ掴み、柱の陰に引きずり込んだんだ。
「まったく君は…懺悔もへったくれもないな。オシャカサマとやらに舌を抜いてもらったほうがいいぞ」
「舌を抜くのは地獄の閻魔…うぁあいててててっっっ!」
「痛いって声が出ているうちは、あまり痛くない証拠だ」
「そんな無茶な…痛てぇって言ってんだろうがよっ(^^;;;」
なんて言っても、ヨハンは無視だった。
「まあ、無事でなによりだったがね…」
と、ヨハンはふいに、俺のズボンの後ろポケットに何かを滑り込ませた。
「飛行機のチケットだ。彼…サムだったな。あの彼、明日の香港発ハノイ行きのチケットを持っている。それと同じ便だ」
「え…」
俺は、聞き返そうとして息を呑み、黙った。ヨハンは、皆に背を向けて、相変わらず俺の耳を引っ張っている。
「チケット、オキナワで手配したらしい。しっかりした彼だよ。気付いたのは、ジェシーだがね…」
「それって…」
ヨハンは俺の耳を、少し加減してひっぱった。サムが、心配そうにこっちを見る。彼に向かって手を振った途端、ヨハンは俺の耳を引っ張る手に力を入れた。
「うあぃててててっ!」
「サム、君は心配しなくていいんだ。私は保護者として、コージのバイトの件を叱っているんだから」
と、ヨハンは彼に言い、また声を落とした。
「サム抜きで話せるチャンスは、これから先、無いと思ってくれ。どこで姿を消すか分からないから、全員でマークする。計寸婆婆から聞いた事情から察するに、彼は絶対、一人でもう一度ベトナムに行くつもりだろう。君は気付かれないようにして、一緒にベトナムに行くんだ。我々は明後日のミリタリー(軍用機)で追う」
俺は肯いた。
「俺達と一緒に居たファーダも、この事…」
「了解済みだ。これも失敗したら、ファーダの説教が待ってるぞ」
ヨハンはニヤリと笑い、俺の耳を再び力いっぱい引っ張ったのだった☆
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その後俺達は、ようやく九龍・コアに辿り着いた。
薄暗く広い部屋には、いわゆる「長老」やら「リーダー格」の男やら女やらが集まっている。みんな無言だが、見知った顔もいくつかあった。
俺達は結局、喫茶店からここまで20分で着くはずが、1時間半かかっているんだぜ。しかも俺とサムの二人は下半身ずぶ濡れ。
だけど婆婆は、そんなこと少しも気にしてくれなかった。
「サディル!」
身長110センチまで縮んだ計寸婆婆はサムに抱き付いて…正確には、サムに飛びついて、大泣きさ。
「おおお、良かった。他の者は気の毒だったが… やはりシギィが酷いことを。やはりあの者が裏切ったのか」
「……多分俺達の龍衆に加わって、情報集めをしていたんだと思う。ベトナムに、一番近い傭兵チームだったから」
と、サムはぼそっと答えた。
「全員牢に繋がれて、順に一人ずつ連れて行かれたが、誰も戻ってこなかった」
彼は言葉を切った。その隙を逃さないよう、一人の男が早口で捲し立てる。
「ということは、サム、お前が最後だったのか? それはなぜた? どうしてこんなことになった? 何故お前だけが逃げ出せた? シギィ同様お前のことも、裏切り者と呼んでいいってことか?」
「…シギィが言っていた。俺を、戦死に見せかけて殺してくれと頼んできた奴は少なくない。 駕仙大兄も頼まれているはずだが、駕仙はお前の味方らしく、いつまでも実行に移さない…」
サムは、質問を浴びせた若い幹部衆を注意深く見つめかえした。
「…だから一番最後に、死体が残るような殺し方をしてやろう。死体が確認された段階で、報酬が入る。奴はそう言っていた」
皆の緊張が高まり、皆の視線がその男に集まっていく。
「この話は、オキナワから婆婆に伝えてある」
次の瞬間、バシュ!と鈍く低い音がして、その男は倒れた。胸に空いた穴から、血が沸きだし、床にどす黒いシミを広げていく。
撃ったのは、他の幹部衆の一人だった。
「その件については、調査済みだ。証拠もとってある。こいつらは、駕仙大兄の殺しも依頼していた。あとはこいつの一派を順次粛正する。…サム、これであんたの敵はとりあえず居なくなった」
香港流の粛正って、すげぇ…(^^;)言い訳も聞かず、いきなりズドン、かよ(^^;;;
サムは、死体に視線を落とした。
「理解してくれたことには感謝する。だが、シギィの件にカタがついたら、俺は長老たちの意志に従うつもりだ」
部屋の中は、再び静まり返った。
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「そうじゃ、食事をと思ってな… 手配をさせておるところじゃ」
と、計寸婆婆♪俺が待っていたのは、それだよっ♪♪(*^^*)
まあ、いろんなことを黙ったままにしておいて、良心がちょっと痛んだけど、まあいいさ。これはれっきとした「契約」で、報酬なんだから♪
婆婆たちも、難しいことは後回しにしたんだろう。とりあえずメシ食って、寝ろってことだな♪それについては、誰も異論はなかったよ。
「コージの希望は、豪華中華料理…が希望じゃったな(^^)」
「おう♪ 超高級のチャイニーズ・ビューティーもつけてくれなっ♪」
俺の注文に、サムを始めとする幹部連中、それに、ファーダたちまで驚いたように黙った。
「コージ、君、未成年だろ… そんなに早熟には見えないけど…」
と、サムが皆の気持ちを代弁する☆
「別にそんなんじゃないって!」
と、俺はムキになって否定した。
「俺は、綺麗なおねーさんが好きなんだっ(^^;;) 最高級美人に、餃子食わせてもらうのが俺の夢なんだよっ!」
「餃子…」
みんな、といってもチャイニーズたち…が、呆れる☆ほっといてくれよっ
「と、とにかく俺は、一応契約果たしたんだから、美人も頼むぜっ! 腰までスリット入った服着せてなっ(^^;;;」
「…ということじゃ。用意したれ(--;」
と、婆婆が部下に命じる。
「でもまあ、東洋の美人はいいよな」
と、ランディ。
「うーむ。エキゾチックである事は間違いない」
と、アーサー。
「体型的には細めが多いようだけど、あの黒髪にはそそられるねぇ」
と、ヨハン。こいつらは、ハンティングでもまあまともな「兄貴分」たちだ。ヤーブは少年趣味だし、ファーダは根っからの禁欲者。ジェシーは女に執着しない。とすると、食事後については兄貴分たちに譲るとしても、俺の『綺麗なおねーさんにご飯食べさせてもらう♪』というささやかな夢は、確実に叶うってことだよなっ♪
「よーしっ♪綺麗なおねーさんは好きですよっと♪さあ、食うぞっ!」
ようやく香港が満喫できるんだっ!あああ、感動だよ…
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俺達に用意されたのは、超高級料理店での豪華ディナーだった。
満漢全席っていうのは、豪華絢爛、珍品各種、品数豊富ってモノだな。もとは宮廷料理だ。ま、有名なのはクマの手、鶴の首… 蛙の舌なんてのもあるけど、まあ、ファーダたちには黙っておこう。計寸婆婆も、そのへんは心得てるだろうから、素材がわかるようなものは出てこない…と信じたい☆
メンバーは、俺達ハンティングと、サム、婆婆。それと数人の幹部。
「でも、満漢全席って、何?」
と、ヤーブ。彼は隣りに座っていた俺と、そのまた隣りのサム見た。隣りって言っても、丸テーブルだけど。
「香港は、広東料理だろ? 飲茶とかさ」
「詳しいな(^^;)」
「来たことあるからね。だから、広東語系の言葉も知っているんだけどさ」
なるほど、とサムが納得したように肯く。
「中国料理っていうのは、満州、広東、四川、北京の4つに分類できるんだ。満州料理で有名なのは、フカヒレと燕の巣だね」
と、サム。みんな、ああ、と感心する。食ったこと無くても、珍味の知識としてはあるらしい。(^^;)
「みんなが嫌いなザーサイは、四川の食材だよ」
と、俺。みんなの好きな麻婆豆腐も、この分類だったような気もする。
「北京料理は、ダックと餃子、焼売とかかな。広東は魚介の料理が多いか。そういった、満州の料理と漢国の料理をすべて網羅したのが満漢全席さ。諸説あるけど、一食160品って言われるんだ」
「詳しいね、コージ」
と、サムが感心してくれる。
「まあな。地図読みの職には、雑学も必要なんだ…」
言いかけたところに、綺麗なおねぃさん達が入ってきた♪
漆黒の髪、漆黒の瞳、とびっきりのチャイニーズ・ビューティ♪♪
「ほほほ、みな、コージの相手をしてやっておくれ」
と、計寸婆婆♪
綺麗なおねいさんたちは、10人くらいいて、そのうち二人が俺の両隣に来た♪
「大活躍なさったんですって?」
「可愛らしい顔して、頼もしいのねぇ」
ふははははっ♪漆黒の髪に白玉の肌、腰まで入ったスリットにでっかいチチっ(我ながらオヤジだ…(^^;))
そのボン!キュッ!ドン!が、ふたりも俺の隣りだぜっ!
他のおねぃさんたちは、他の奴等に酌したり、料理の食べ方を教えたり、箸の使い方をサポートしたりと、いろいろしていたけど、うへへっ♪
俺は最初から最後まで、持ったのは杯だけ♪あとは全部、両隣の綺麗なおねぃさんに、「はい、あ〜ん♪」と、食べさせてもらった(^^)料理ももう、うまいのなんの♪
そして俺の酒池肉林…もとい、未成年ゆえの茶池肉林は、日付が変わるまで続いた♪
翌日9時、俺は、空港のロビーの柱の陰で、屋台の茶粥をすすっていた。綺麗なおねぃさんたちは、食事が終わるとみんなそれぞれ、余すことなく男と連れ立って出ていった。
残ったのは、俺とジェシーとヤーブとファーダ、それとサム。…それと婆婆。ようするに女は、必要な数だけ呼ばれていたらしい☆くそう、こんなことでも未成年扱いはちょっと悔しいっ!
まあ、いいけどな… しっかし、何もしてない奴等が、そこまでいい思いするのは納得いかん!一番苦労している俺が、何でこんな所で粥すすっているんだか…(^^;) あ〜あ、あいつら、まだ寝ているんだろうな〜(^^;)
俺は、屋台のおばちゃんにうつわを返し、ハンカチで鼻を拭いた。はぁ、疲れた胃には、茶粥に限るぜ… って、このハンカチ、最後に洗ったのいつだっけ☆
というのは、考えちゃいけないぜ!で、俺はもちろん、ここに朝飯を食いに来たわけじゃない。サムのことを見張っているのさ。
死んでしまった女の墓参りをし、空港へ。彼女は、浴槽に沈んでいたと言っていた… 婆婆が。
額から頭頂部にかけて、髪を掴んだ時に出来たと思われる鋭い引っ掻き傷、折れた肋骨、肺に溜まった大量の水。
長い髪を鷲掴みにされ、浴槽の縁に胸を押し付けられて、背中を手や足で踏みつけられ… 胸の骨折は、その時のものだろう。動かなくなった女を、さらに浴槽に沈め、その上から15発の銃弾。
第一発見者は、赤く濁った水を見ても、何があったのか全く分からなかったという。
そりゃそうだろう。見つけたのは、被害者の妹。11歳の女の子だった。もうすぐ1歳になるサディルJr.と公園から帰ってきて、手を洗おうとしての発見だった。この悲劇最大の、幸運。
15発としか聞いてないけど、それが全弾とすると、モノはベレッタ、CZ、SIG。…ワルサーもそうだな、P88。弾倉の弾全部をぶち込むほどの激しい憎悪。俺は、ため息をついた。人のモノなんて、欲しがっちゃいけない☆
シギィ君は、ストーカーなんだろうか…(苦笑)
別にそれならそれでもいいんだが☆
でも、アルハンテリの黄金が、薬のことだったってのは今になっても意外に感じるよ。アルハンテリの水をつかって育てたもののみ常習性を持つ芥子、ねえ。育成と精製はオートだろうから、薬の単価はそんなに高くないだろう。そして、効きがいいなら世界に広まる。
それだけで遣り繰り出来ないから、人を殺してカルト教団に卸していたのか、それともなきゃ、口封じに殺して、ついでに死体の有効利用をしただけなのか…
俺は、ため息をついたよ。食後に考えることじゃねえな。
どちらにしろ、大量の薬を運び出す輸送力があれば、人も運び出せるだろう。邪教カルトは口が堅いし、余程のことがなければ、信教の自由という見地からガサ入れされることもない。大抵のカルトは、薬も扱ってくれる。
サムは新聞を広げている。搭乗手続きが、そろそろのはず…。
と、アナウンスが流れてきた。俺は、サムの後方から注意深くついていったよ。付けてることを明かすのは、機内のほうがいい。今声をかけて、そのままトンズラされたらたまんねーもんな(^^;
さて、あとは飛行機に乗るだけ…
乗客は、けっこういた。といっても100人程度か… これじゃあ席は、ガラガラだな…
幸い、怪しい奴もいない。
この飛行機、飯って何が出るんだろう? あまり重たくなくて、美味いモンがいいな♪
できれば、洋食系の……………………おおうっ?!
そこで俺は、ようやく気付いたよ。あとは搭乗するだけ、というほっとしたその一瞬をついて、サムはしっかりと消えていたのだった☆
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「そりゃあ、気の毒に」
と、俺を慰めてくれるのは、セレブ少佐さ。俺は一人、ベトナムに辿り着き、オル軍のベースキャンプに居た。時間は夜中の2時さ。まいったね。
「で、ファーダは知ってるの?」
「気付いたのが搭乗直前だったからね。慌てて電話したよ(--;)。もちろんそのまま乗った振りして、夜まで他の飛行機見張るハメになったけどな… まあ、逃げられるかもしれないっていうのは一応想定してたから、そんなにショック大きくなかったけど☆ 午後にもう一便あったハノイ行きは欠航になったし、ホーチミン行きは、今週は飛ばない。それに、シンガポール行きも、インドネシア行きも、タイもカンボジアも、この辺りの都市に行く便には乗らなかった。ミリタリーも利用していない。俺はそれを確認して、結局、ミリタリーの最終便で来たけどな」
「それなら、国内線の乗り継ぎじゃないか?」
少佐は、俺を眺めてにやっと笑った。
「君が見張っていたのは、国際線ばかりのようだが…」
俺は、セレブを見つめかえしたよ。セレブ少佐は、言葉を続けた。
「コージ。南寧(ナンニイ)からハノイ行きの飛行機があるよ?」
「ま、まってくれ(^^;)」
と、俺は頭の中を整理しようと頑張った。
「香港から、南寧に行く飛行機はないけど、広州…」
言っていて、思い付いたよ。
「香港から広州、そして北海行って、南寧、ハノイ…。ハノイからホーチミンまで、国内線で二時間しかかからないはずだ。乗り継ぎがうまくいけば、一日で来ることが出来るってことか…」
「そうさ。へたに何ヶ国も経由するより、そのほうが安全だろう。しかも君の頭の中には、国際線しかなかったみたいだから」
セレブがまた、にやりと笑う。俺は舌打ちして立ち上がった。
「ちぇ、俺より地元民のサムが詳しいのはいいとしても、セレブにやり込められたんじゃ、面目ないぜ☆ とりあえず俺は、ホーチミン空港に行ってくる。ファーダたちの受け入れ頼んだぜ!」
俺は、部屋を飛び出していった☆
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「コージ、ホーチミンからはどうやって戻ってくるつもりだ?!」
ヘリのローターが回転する下で、機長が俺に怒鳴る。
「彼氏を見つけてから考える。最悪、この自転車か、バイクの窃盗だな」
俺の言葉に、背が高くてマッチョマンな機長は、俺の背中を見やった。もちろん、愛用の超高性能折り畳み自転車コージ丸を背負っている。
「スイスの、山岳自転車部隊の宣伝マンみたいだ」
「よく言われるよ…」
隊長はにやりと笑い、俺を自分のとなりの席に引き上げた。
あとは飛んでいくだけさ。30分足らずで、ホーチミンの都市が見えてきた。午前3時、明りのついている主要道路だけが川のように蛇行して見える。
「国連ビルの上に降りる。連絡済みだ。あとは自力で頑張ってくれ!」
「了解」
高さはは、60階建て。着陸のランプより2メートルほど上でホバリングしている機体から、俺は飛び降りた。
「コージ、無茶しないで、何かあったら連絡よこせよ!」
「分かっている! 支援感謝!」
俺は機長とパイロットに手を振り、出てきた国連職員に走り寄った。
「ミスター、連絡は受けています。これから、どうしますか? オル軍のセレブ少佐より、空港でS氏を確保するように要請が出ていますが…」
「誰か、行ってるの?」
「いえ、現在時刻での離発着はありませんから」
俺は、彼と一緒に建物に入った。エレベーターが待っている。
「全ての便の発着時刻表を頼みたい。それから、外国人が泊まれるくらい治安のいい宿の調査は出来ないかな?」
「地元採用の職員が」
と、箱に乗り込み48階というボタンを押して、職員はにやっと笑う。
「彼らが調べてくれましたが、成果はありませんでした」
地元採用、ね。早い話が、スパイだ。
「彼らを空港にも張り込ませてあります。だからミスター、あなたはとりあえず、我々の集めた情報を聞きませんか?」
印象の薄い、頼りなさそうなその職員は、にやりとまた笑う。赤十字にもいたな。こんなの。裏仕事専門の職員。普段は目立たなくて大人しく、影が薄い、いるんだかいないんだかわからない奴。その実、すごい仕事をしていたりする。小説にありそうな配役だよな。
「情報?」とおれは聞き返した。
「そうです」
ちーんと音がして、扉が開く。俺は、肯いた。
「いいぜ。あとは…!!!」
俺は彼に体当たりを食らわせるような格好で、箱の外に飛び出した。ドオンッ!と凄まじい音とともにビル全体が揺れ、俺達の乗ってきたエレベータの箱ががくんっと半分ほど沈む。
『緊急事態発生、緊急事態発生。エレベーターの使用は禁じます。中に残された方は、非常ボタンを押し、流れる音声に従って行動してください』
機械の女性音声が繰り返す。俺は、彼の手を取って立たせた。
「あとは、俺達がお互いに、情報交換会が終わるまで生きていれば、の話だけどな」
「………面倒ですね、こういうの」
その職員は諦めたような顔で懐をさぐる。恐いねぇ、こういう彼。実技のほうもトップクラスなんだろうね。まあ、いいさ… 俺も銃を取り出した。本当に面倒だよな。
でも、ここのビルに居るのは、無抵抗な事務員ばっかり、というわけじゃないんだぜ☆
シギィの奴、テロしかけるとこ間違ってねーか?
俺達の目の前で、無人のエレベータの扉が徐々に閉まっていった。
さあ、ひと暴れ、頑張りますか☆朝になったら、サムとデートしなきゃなんないんだから!