第10話
目が開けられない。
頭が重い。喉が渇く。
どかかわからないけれど、寝かされている。 だれに? あのとき僕はたしか
ノリミチと別れて、二階の自分の部屋まで来たことは覚えている。
そして・・・・そうだ。
たしか電子メール・・・・・が来ていた。事務局と、、、、、、もう一通。
デンシメール、、、、デンシメール、、、、、誰からだったろう。
あのメールを見てから僕は気を失ったのだ。そうだ、思いがけなかった。 そ
んなはずはない。 そんなはずは・・・・・・。
そろそろとけだるい身体を動かしてみた。 動かない。
身体はなにかに縛られている。
ベッドのようだ。 ベッドに寝かされ縛り付けられていた。
腕だけが自由だった。
人の気配がする。 遠くか近くかは分からない。 霞んだ意識の中から少し
ずつ現実に戻って行くようだ。
でもだれが・・・・どうしてこんな事を。
そろそろと手を伸ばす。 あ! 生暖かいものが手に触れる。 なんだこれ
は!
皮膚だ、、、、、柔らかいどこかで触れたよう遠い記憶があるが、それはこん
なに暖かく柔らかい皮膚ではなかった。
あぁそうだ、遠い記憶は母の手だ。ではこの皮膚は誰なんだろう。
それにしても暖かい、それにしても柔らかい。 絹の肌触りだった。
もっと手を伸ばす、、、、、、この柔らかい皮膚は僕のまだ短い人生の中で、
はじめて触れたような気がしていた。
女性かもしれない・・・・・・しかも母よりず〜っと若い・・・・・・・
(浜っ子)
<PC−VANサークル「カフェテリア」#2206より転載>
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