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MUSICA MUNDANA NO.87
Apr.30.2008
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◆ 目次 ◆
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◎ 音楽史
◆フランチェスコ・ランディーニ◆
◎ 数学史
◆リトモマキア◆
◎ Homepage Updated (Apr.25.2008)
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◎ 随想
◎ あとがき
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━━[音楽史] ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
◆フランチェスコ・ランディーニ◆
フランスの影響は、トレチェント最大の巨匠、フィレンツェの盲目のオル
ガニスト、フランチェスコ・ランディーニ(Francesca Landini)(1335年 -
1397年)の作品の中で一層明らかになります。彼の作品の多くは、ポリフォ
ニーのバッラータ(ballate)、1360年以前には実際知られていなかった形式
でできています。ヴィルレのイタリア版であるモノディのバッラータには、
何ら斬新なものはありませんでした。それは、恐らく、トルバドールの歌
の末裔というべきものでしょう。
しかし、ポリフォニーのバッラータ、特にランディーニの巨匠の手によるも
のは、別の問題があります。それは二声部で、第二声部は、声あるいは楽器
のいずれか、あるいは三声部で、時には全くの声だけのときもあるでしょう
が、しばしばテノールやカウンターテノールが楽器で演奏される、あるいは
両方が楽器で演奏されるものまであります。
しかし、ランディーニの傑作は、より「近代的な」協和音のある「Gram
piant' agli ochi'」や「Amar si gli alti tuo' gentil' costumi」、また
「L'alma mia piange」のような三声のバッラータの中に見いだせます。特
に「Amar」は、彼にとっては特異なものではなく、彼の非常なお気に入りな
ので「ランディーニ終止」として知られるようになったマニエリズムのカデ
ンツァによって特徴付けられます。
ランディーニがマドリガルとカッチャをほとんど完全に無視していることは
著しい特徴です。バッラーダが 140曲あるのに対して、マドリガルは12曲
カノン形式の曲は一つだけというように。彼の二つの三声のマドリガルの一
つ、「Si dolce non sono」には、他のパートにアイソリズムの気配がある
だけでなく、アイソリズムのテノールがあることで注目に値します。トレチ
ェントの音楽にとっては、アイソリズムは全く外国のものであり、トレチェ
ント音楽は「イタリアのゴシック建築がゴシックでないのと同様「アルス・
ノヴァ」ではないのです。フランスの影響の他の徴は、彼がしばしば用いる
フランスの記譜法とフランスのヴィルレの三声の曲です。
教会音楽が全くないというのは、それほど驚くべきことではありません。
ポリフォニーの典礼音楽は、どの地域でも特別であり例外的なもので、フラ
ンスやイギリスよりもイタリアで一層そうであったことを常に心に留めてお
かなければならないでしょう。唯一完全なポリフォニーのイタリアのミサ曲
は、Bibl. Nat.ital.568の終わりにある合成されたものだけです。
━━[数学史] ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
◆リトモマキア◆
前回、ヘルマヌスス・コントラクトゥスのところで、リトモマキアという
数のゲームの話が出てきたのですが、11世紀と言えば、リトモマキア
(rithmomachia)という数のゲームのことに触れなければならないでしょう。
これに関する最も初期の論文の一つは、修道士フォルトルフス(Fortolfus)
によるものです。
彼は、恐らく、11世紀の終わり頃に生きていたと思われます。そして、そ
れが指摘しているように、その世紀以前には知られていませんでした。時折
ボエティウスやピュタゴラスにまでさかのぼるとされることもあるのですが。
このテーマについては、ヴァチカン図書館に写本があります。タイトルは
「リトマキヤ(Ritmachya)」であり、1077年に、ベネディクトゥス・アッコ
リトゥスとして知られる修道士によって書かれたものです。また、そのゲー
ムは、中世の詩「デ・ウェトゥラ(De Vetula)」にも言及されています。そ
れに興味を持った初期の著述家は、すでに述べたヘルマヌス・コントラクト
ゥス(Hermannus Contractus)(1013-1054)の他に、ヨルダヌス・ネモラリウ
ス(Jordanus Nemorarius)(1236年頃没)とニコレ・オレスメ(Nicole
Oresme)(1323-1382年頃)の二人がいます。
このゲームは、ニコマコスによって示されるギリシアの数の理論に基づい
ています。それは、四角い形の二重のチェス盤で遊ばれます。一方の側には
8つの正方形があり、他方には16あります。駒は、三角形、四角形、円と
角錐で、それぞれある数値を有しています。これらの駒は、1496年の著作か
ら、並べ方が決まったようです。数字は、アットランダムに取られているわ
けではありませんが、それらが配置された意図は、非常に複雑なものです。
ゲームそのものも非常に複雑で、中世では、ギリシアの数の理論に精通して
いることが要求されていて、数学のエリートたちだけができるもののように
思われます。その人気のほどは、11世紀には少なくとも3つの写本、12
世紀と13世紀には3つの写本によって、さらに、このテーマについていく
つか印刷された論文があることから証明されています。
━━[随想]━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
暖かくなってきました。明日から5月ですね。
気温も20度を超える日が多くなってきました。今年は、5月5日が立
夏、やがて暦の上では夏、いよいよ初夏の到来です。あちこちで花が咲き
乱れているのが目につくようになってきました。それで、ふと思いついて、
咲いている花の学名と英語名を調べてみることにしました。
国道沿いでは、躑躅(ツツジ)が満開です。その躑躅、学名は
Rhododendron(ロードデンドロン)で、英語名は、Azalea(アザレア)で
すね。行ったことはないですが、躑躅で有名なお寺に大阪府泉南市の林昌
寺があるそうです。
ある人の話では、近くの立江寺の境内では、牡丹(ボタン)が満開だそ
うです。その牡丹、学名 Paeonia suffruticosa(パエオニア[ペオニア]
・スフルティコサ)、英語名 Peony(ピーアニ)ですね。そして、牡丹と
いえば、奈良桜井市の長谷寺がなんといっても有名でしょう。うちの庭の
牡丹も花を咲かしています。
さて、今、家の庭に咲いている花に、牡丹の他に紫蘭(シラン)があり
ます。この紫蘭、学名 Bletilla striata(ブレティラ・ストリアタ)、
英語名 Chinese ground orchid(チャイニーズ・グラウンド・オーキッド)
です。英語名は、少々散文的な名前ですが、西洋にはない蘭の一種という
ことでしょう。
他に、今花を咲かしている花は、ガーベラとチェリー・セージ、ジャー
マン・カモミールでしょうか。あと、花はもう終わりですが、アイリスで
すね。それから、まだ蕾でもうすぐ咲きそうな花に芍薬(シャクヤク)が
あります。
ガーベラの学名は、Gerbera hybrid(ゲルベラ・ハイブリッド) 英語
名 transvaal daisy(トランスバール・デイジー)です。
チェリー・セージは、分類が難しいということですが、今庭に咲いてい
る種は、英語名 cherry sageのものではなく、学名 Salvia greggii(サ
ルビア・グレジイ)、英語名 Autum sage(オータム・セージ)と言われ
ているもののようです。
ジャーマン・カモミールは、学名 Matricaria recutita(マトリカリア
・レクティタ)、英語名 German chamomile(ジャーマン・カモミール)
です。ヨーロッパでもっとも歴史のあるハーブだということです。花を乾
燥させて作ったハーブティは、安眠薬として知られています。
アイリスは、学名 Iris germania(イリス・ゲルマニア)、英語名
German iris(ジャーマン・アイリス)ですね。
芍薬は、学名 Paeonia lactiflora(パエオニア[ペオニア]・ラクティ
フロラ)、英語名 Chinese paeony(チャイニーズ・ピーアニ)です。
━━[催し物情報]━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
博物館 企画展
「郷土の発見―小杉榲邨(こすぎ・すぎむら)と郷土史研究の曙―」
近年、近世後半から近代にかけての阿波における歴史研究をめぐって、
新たな資料の掘り起こしや当時の研究内容の検証がさかんになっています。
その結果、埋もれた歴史家の存在や業績に光が当てられ、地域的な歴史研
究の発展の足取りが明らかにされつつあります。
この展示では、阿波が生んだ「最後の国学者」と評される小杉榲邨
(1834〜1910)をはじめとして、阿波の歴史を探り、記録してきた様々な
歴史家たちの著作や蔵書について紹介します。
主催:県立博物館・文化庁
開催日:4月26日(土)〜5月25日(日)
【休館日5月7日(水)、5月12日(月)、5月19日(月)】
時間:9時30分〜17時 会場:博物館 企画展示室(1階)
観覧料:一般200円 高校・大学生100円 小・中学生50円
※小・中学生及び高校生は、土、日、祝日は無料です。
問い合わせ先:県立博物館 088−668−3636
徳島県立博物館の催し物情報は、以下のサイトをご覧ください。
http://www.museum.comet.go.jp/
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知人が発行しているメルマガです。興味関心のある方はどうぞ。
「知」とIT/ビジネスへのTIPS
URL http://kinyuu-literacy.hp.infoseek.co.jp/
━━[Homepage Updated]━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
ホームページ update情報
落書き帖第202号
Plato "The Republic" を読もう
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各国語で聖書を読む
http://www2m.biglobe.ne.jp/~m-souda/cgi-bin/bible/wforum.cgi
ロシア語初級コースのテキストを読む
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━━[あとがき]━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
明日から5月です。5月5日は子供の日ですが、今年は立夏でもありま
す。暦の上ではもうすぐ夏(初夏)。気温も随分と上がってきました。一
年で一番気候のいい時期ですね。
昨日からゴールデン・ウィークも始まりました。戸外を元気に歩き回り
たいと思う私でありました。
それでは、よい連休を!!
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■発行人:文責:TeleScope(相原寛彰) ■発行:MySouda
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