目次
[MUSICA MUNDANA No.85] 2008年3月01日発行
 
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 「MUSICA MUNDANA No.85」をお届けします。

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           MUSICA MUNDANA NO.85
             Mar.01.2008
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             ◆ 目次 ◆

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 ◎ 音楽史
    ◆初期イタリアのポリフォニー◆
 ◎ 数学史
    ◆ゲルベルト(ジェルベール)◆
 ◎ Homepage Updated (Feb.25.2008)
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 ◎ 随想
 ◎ あとがき
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━━[音楽史] ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 ◆初期イタリアのポリフォニー◆

 全般にフランスのアルス・ノヴァ、特にマショーの影響がいつどのように
イタリアのポリフォニーに及んだのかということは、「謎めいた問題である
が、全く推測によらなければならないというものでもない。」といいます。

14世紀までには、イタリアのポリフォニーは、私たちにまで伝わっている
ものから判断して、量において極めて穏当で、様式においてもトレチェント
(14世紀)を通して、特に重要な音楽の中心的分野になっていました。

 その世紀のずっと後になっても、イタリア教会音楽は世俗音楽とそれほど
際立った違いはありませんでした。「1350年頃、(フィレンツェ)のゲラル
デッロ(Gherardello)によって作曲されたアニュスでは、様式だけでなく公
式の構成でもマドリガルと関連している。ほとんどのマドリガルのように、
上声部が主声部であるように思える。」そうです。

また、パドヴァのグラティオスス(Gratiosus)によるグロリアは、バッラータ
様式ですが、パドヴァの曲の一つ、「Iste formosus」は半音階主義によって
特徴付けられます。パドヴァの有名な理論家マルケットゥス(Marchettus)は、
彼の主要な論文「Lucidarium」と「Pomerium」とは、恐らく 1318年に年代付
けられるでしょうが、イタリアとフランスとの記譜法の間の違いを説明する
だけでなく、半音階主義にひどく論争を呼ぶ見解 -- 彼の半音階の半音
(semitonum chromaticum)は、全音の 4/5 である -- を表明しています。

━━[数学史] ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 ◆ゲルベルト(ジェルベール)◆

 とは言っても、この時代は、まだ中世の前の世紀の精神によって支配され
ていました。「信仰が知性を打ち負かす」また「権威は研究の敵となった」
「学者たちは教師に退化した」「学問は錬金術と占星術の泥沼の中に自らを
失い、忠実な信者たちには禁忌(破門に値するもの)になった」時代でした。

このことは、著名な教会人で学者であるゲルベルト(Gerbert)、これまで教
会や都市ローマに輝きを与えた偉大な教皇の一人ですが、彼に対する学者世
界の態度に見て取れます。彼は教皇の座に就き、シルベステル2世
(Sylvester II)という名で 999年から 1003年まで統治しました。彼は卑し
い両親の下に生まれましたが、生来の利発さからオーリヤック(Aurillac)の
修道士たちの下で学ぶよう召喚されます。特に、フリュリのアッボ(Abbo
of Freury)のような立派な学者の下で学び、彼の教育を完全なものとするた
めにスペインに送られました。(967年)

970年頃、彼はイタリアへ行きます。そこで教皇に紹介され、教皇によって
皇帝に拝謁されました。972年フランスに戻ります。彼は教会で様々な職務
をこなし、999 年に教皇職に選出されます。彼は非常に学識のある人で、
「魔術として告発されるという」-- 私たちの学識の運命は -- 誤謬と戦い、
新たに数学への関心に目覚め、ヒンドゥー・アラビアの数詞の知識を得、占
星術(当時価値ある学問と見なされていたテーマ)の研究に関心を向け、算
術、幾何学、その他の数学の諸学と恐らくアストロラーベについて著述した
ことでしょう。

 ゲルベルトと同時代の人物ですが、ゲルベルトの人生が壮大であったのと
極めて対照的に地味な生涯を送った人物、ラムゼー(Ramsey)の修道院のイギ
リス人修道士で、その名をバートファース(Byrhtferth)という人がいました。
彼はフランスに旅し、フリュリのアッボ(Abbo of Fleury)の下で学びます。
イギリスに戻ると、学生のグループがラムゼーで彼を待ち受けているのを発
見します。彼は彼らに、天文学、暦学、そして数学の原理を教え始めます。

しかし、時代は研究に都合のよい時代ではありませんでした。この3世紀の
間(1000-1300年)、イギリスには平均して14年に一度の飢饉があり、生活
は厳しかったのです。恐らく、そうした災難が示しているように、物質に対
する精神の克服の必要性が、後のイギリスの思想家たちが生まれるのを可能
にした影響の一つだったでしょう。

━━[随想]━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 ◆パドヴァのマルケットゥス◆

 今回は、音楽史ではパドヴァのマルケットゥス、数学史ではゲルベルト
(後のシルベステル2世)という興味ある人物が登場していますが、ここ
で、パドヴァのマルケットゥスについて、少し詳しく見ていくことにしま
す。

 パドヴァのマルケットゥス(Marchetto da Padova)は、 イタリアの音楽
理論家であり、中世後期の作曲家でした。彼の音価の記譜の革新は、彼の
著作が旋法を定義し調律の改良に関するものであったので、イタリアのア
ルス・ノヴァ音楽の基本原理でした。加えて、彼は半音階を議論した最初
の音楽理論家でもありました。

 彼はパドヴァで生まれたようですが、彼の生涯はほとんど知られていま
せん。しかし、1305年から 1306年までパドヴァの大聖堂の少年聖歌隊員
の音楽教師をしていた記録が残されています。1308年にパドヴァを離れヴ
ェネト州やロマーニャ州の他の都市で仕事をしています。彼の2つの大論
文は、フィリップ・ド・ヴィトリが、その時代の音楽がその名で呼ばれる
ことになる彼の「アルス・ノヴァ」と題する論文を書く(1322年頃)少し前、
1317年と1319年の間に書かれたように思えます。マルケットゥスは、その
論文自体の中で、それらをチェセーナ(Cesena)とヴェローナ(Verona)で著
作したと示しています。彼の生涯については、他に信頼できる記録はまっ
たくありません。彼の名は明らかに広く知られ著作は14世紀後期に非常
に大きな影響力を持ったにもかかわらずです。

 (from Marchetto da Padova - Wikipedia, the free encyclopedia
  http://en.wikipedia.org/wiki/Marchetto_da_Padova)

 イタリアのアルス・ノヴァについては、以下のウェブサイトにも書いて
ありますので、興味があれば是非ご覧ください。そこでは、こんな記述も
あります。
 「私たちがヴィトリの「アルス・ノヴァ」が 1316年頃に完成されたこと
を認めるなら」

 The Pelican History of Music
  - Volume I: ancient forms to polyphony - IV Ars Nova
  歴史的文化的背景 -
http://www2m.biglobe.ne.jp/~m-souda/mysouda/music/pelican/volume1/arsnova/backgr.html
  イタリアでのアルス・ノヴァ -
http://www2m.biglobe.ne.jp/~m-souda/mysouda/music/pelican/volume1/arsnova/italy.html

━━[催し物情報]━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 渦開き観光キャンペーン 日時:3月8日(土)10時〜
  場所:鳴門市 
   うずしお汽船乗り場(10時30分出港)
   鳴門観光汽船乗り場(11時40分出港)
 料金:イベント無料
   ※乗船券
     うずしお汽船1,500円
     鳴門観光汽船1,530円  が必要
 問い合わせ先:鳴門市観光協会 088−684−1157

 いよいよ観潮シーズンの幕開けです。通常時速13〜15kmほどで流
れている潮流が、春の大潮の折には時速20kmを超え、渦の直径は最大
20mに達するとも言われます。恒例のイベントでは、観潮船に乗り込ん
だ、うずしおレディが金色の鍵を海に投げ入れ、渦開きを宣言します。ま
た、参加者には鳴門特産品のプレゼントも。
 自然の驚異『渦潮』をこの機会にぜひ体験してください。

 徳島県立博物館の催し物情報は、以下のサイトをご覧ください。
      http://www.museum.comet.go.jp/

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━━[あとがき]━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 毎月30日発行の MUSICA MUNDANAですが、2月は月末に発行することに
しているのですが、うっかり3月になってしまいました。今年はうるう年
で、1日余裕があると思ったのがいけなかったのかもしれませんね。バッ
クナンバーを見てみますと、2005年も3月1日発行になっていました。

 それはともかく、もう春が近い予感がします。まだまだ、寒い日もあり
そうですが。

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   ■発行人:文責:TeleScope(相原寛彰)  ■発行:MySouda
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