目次
[MUSICA MUNDANA No.42] 2004年7月30日発行
 
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 「MUSICA MUNDANA No.42」をお届けします。

 [MUSICA MUNDANA]の情報は惣田正明のホームページに載せてあります。
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           MUSICA MUNDANA NO.42
             Jul.30.2004
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             ◆ 目次 ◆

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 ◎ 音楽史
    4世紀後半の教父たち
 ◎ 数学史
    アルキメデス(その3)
 ◎ Homepage Updated (Jul.30.2004)
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 ◎ 随想
 ◎ あとがき
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━━[音楽史]━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 ◆4世紀後半の教父たち◆

 4世紀後半の教父たち、聖ヒエロニムス(330-420)、聖アウグスティヌス
 (354-430)、聖アンブロシウス(340-97)、聖ヨハネス・クリソストムス
 (345-407)の著作では、音楽に対する考えは、それまでの人たちと本質的
 な違いは何も示していません。彼らは皆音楽の持つ力を認めていました。

 とりわけアウグスティヌスは「告白(Book IXとX)の有名な節の中で、そ
 れを認めているばかりか、詩編注解の中で繰り返し述べています。実の
 ところ、彼は音楽の持つ官能的な快楽への誘惑への怖れと善へと導く音
 楽の力との認識との間で激しく揺れ動いていました。その音楽の力ゆえ
 に、教父たちは異教や劇場を連想させるということで、私的生活でさえ
 音楽、特に器楽音楽を恐れ遠ざけていたのです。

 詩編の朗唱は「ギリシア人の間だけでなく、バルバロイ(野蛮人)の間で
 も」広く行われていました。東方のアンティフォナやレスポンソリウム
 による詩編朗唱の礼拝は、聖ヨハネス・クリストムスによってビザンテ
 ィウムに、聖アンブロシウスによってミラノに導入されています。

 キリスト教音楽のもう一つの重要なカテゴリーである賛美歌も、その時
 期にかなりな変化が生じています。革新は再び東方からやってきます。
 キリスト教徒たちは、正統も異端も急激に新たに書かれたり作曲された
 りした賛美歌で、典礼音楽を豊かなものにしてきました。しかし、これ
 らは非常な勢いで広まり、偽りの教義を広めるのに非常な効果を発揮し
 たため、ラオディケア会議(360-81)では、聖書のテキストでないすべて
 の歌を典礼で用いることを禁止します。

 ところが、シリア人のエフライム(Ephraem 306-73)は、シリアの詩と音
 楽に基づく、さらに一層普及した賛美歌を新たに制定することができま
 した。その中では、音の長短のリズムを基盤とする詩が、アクセントの
 ある音節の規則正しいパターンの等音節の詩にとって代わられています。
 これは、賛美歌のすべてのスタンザを同じ旋律に合わせて歌うことを可
 能にしたばかりでなく、二つ以上の賛美歌の詩に、広く知られている旋
 律を用いることを可能にしました。

━━[数学史]━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 ◆アルキメデス(その3)◆

 すでにアルキメデスの著作を編集していたハイベルク教授は、1906年に
 コンスタンチノープルで機械学に由来するある幾何学的解法についての
 写本を発見しました。その中では、アルキメデスが機械学の原理に幾何
 学の真実が由来しているとき、どんな考え方をしたかが述べられている
 ことから、極めて興味深いものです。

 「私が、球(の体積)は、底面がその球の最大円で高さが半径である円錐
 の4倍であろうと直観した後、球の表面積は、その最大円の4倍であろ
 うという考えが浮かんだ。私は、円(の面積)が底辺が高さが半径に等し
 い三角形の面積にちょうど等しいように、球(の体積)は、底面が球の表
 面積と同じで高さがその球の半径に等しい円錐に等しいだろうと考えて
 研究を進めた。」

 アルキメデスは、マルケルスの治世下(BC212年)のシラクサの包囲戦で
 ローマ兵によって殺されます。その当時のアルキメデスの死の証言をプ
 ルタルコスは、いくつか書き記しています。最も一般に広まっているの
 は、アルキメデスが熱心に図を書いて問題に取り組んでいるときに、ロ
 ーマ兵が入ってきて、その命に従わなかったので殺害されたというもの
 ですね。

 また、アルキメデスの墓には、円柱と球が刻まれさらに詩句が刻まれて
 いたと言うことですが、キケロの時代になると、すでに一般の人々から
 忘れ去られていました。キケロは、その著作の中に、その墓をシラクサ
 で自ら発見したと書いています。

━━[随想]━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 初等数学史でアルキメデスの死について書きましたが、プルタルコスが
 著書に書いている証言をここで紹介しておきます。彼は三つの話(証言)
 を載せています。

 第一のエピソード
  アルキメデスは、その運命の時、ある図形の問題を熱心に解いていた。
 彼はそのことで頭が一杯、彼の目も図形に集中していたので、ローマ人
 がシラクサに侵入したことにも町が占領されたことにも気が付かなかっ
 た。この研究と思索の最中に、一人の兵士が予期せず彼の所にやってき
 て、マルケルスのところについてくるよう命令した。彼は、問題を証明
 してしまうまでそれはできないと言うと、その兵士は怒って剣を抜いて
 彼を突き刺した。

 第二のエピソード
  一人のローマ兵士が、剣を抜いて走りより、彼を殺そうとした。アル
 キメデスは、振り返って、彼がその時解いていた問題を解かず未完成に
 しておきたくなかったので、しばらく待ってくれるように熱心に懇願し
 たが、その兵士は彼の願いになんら心動かされず、即座に殺害した。

 第三のエピソード
  アルキメデスは、太陽の大きさが測れないかと、マルケルスのところ
 へ数学の道具、目盛盤、天球儀、角度計などを、運んでいた。それを見
 た数人の兵士たちが黄金を船に運んでいるのだと思って彼を殺害した。

 参照:The MacTutor History of Mathematics archive
    (http://www-history.mcs.st-andrews.ac.uk/history/index.html)
    Archimedes of Syracuse
(http://www-history.mcs.st-andrews.ac.uk/history/Mathematicians/Archimedes.html)

━━[催し物情報]━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
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 ◇ミュージアムトーク「蜂須賀家と茶の湯」
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  茶の湯は、戦国時代から近世にかけて大変流行しました。蜂須賀家の
 歴代も茶の湯をたしなみ、これを巡って色々な人たちと交流しました。
 この講座では、蜂須賀家と茶の湯のかかわりを歴史的な視点でお話いた
 します。また茶道具、関連資料についても2、3御覧いただきます。
  ○日  時  8月14日(土)13:30〜15:00
  ○場  所  博物館講座室
  ○講  師  大橋俊雄(博物館学芸員)
  ○対  象  一般
  ○定  員  50名
  ※申し込みは必要ありません(直接会場へおこしください)。

 徳島県立博物館のその他の催し物情報は、以下のサイトをご覧ください。
      http://www.museum.comet.go.jp/

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━━[Homepage Updated]━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

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━━[あとがき]━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 台風10号が接近中ですね。

 西に向かって進んでいるという不思議な台風ですが、今後どういう動き
 をしてどんな影響があるのでしょう。予想進路では四国九州に向かって
 いるようですが。

 海や山ではもうすでに影響が出ているかも知れません、ご注意のほど。

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