最終章 地球へ


クーデターから半年が過ぎた。
惑星ジパンでは、ジパン連邦が崩壊した後は民主主義の議会制度が生まれ、ジパン共和国が樹立した。
初代大統領にマロンが選出されたが、マロンは地球への旅を決意して国家再建が軌道に乗った時点で辞任した。
マロンは、反乱軍の基地の施設を改造し、フーロを学ぶフーロアカデミーを設立した。講師には、かなりの不安もあったがムウが選ばれた。ムウは、フーロの声を自由に聞く事ができたことだけが、その理由だった。
ムウの講義脱線防止役をミクが買って出た。
反乱軍のメンバー達は、みなフーロアカデミーでフーロを学んだ。成果は確実に上がっていった。

イタチの最後っ屁作戦を終えたマーリングリスルの兵士達は、マーリングリスルに戻っていた。
マーリングリスルに戻ったグー女王は、すぐに地球移民プロジェクトを発動した。プロジェクトの責任者にCooが任命され、ぷりんとあずきがそれを補佐することとなった。
プロジェクトには、イタチの最後っ屁作戦に参加した全てのフェレが加わることになった。

虎は、ウランをマーリングリスルに呼び寄せた。虎とウランは十分に話し合いをし、家族で地球へ移民することを決意した。

惑星アコンィは、今は誰も住んでいなかった。Akoとダッチは、宇宙船ダイリセキに乗って既に地球へ旅立っていた。

こうして1年が過ぎた快晴の朝、惑星ジパンから、大船団が旅立った。
その船団には、フーロを学んだ多くのフェレ達が搭乗していた。
マロン、あタロウ、ゼンジ、ブンタ、鈴、琴、ベベ、アカメ、ニマメ、メグ、健太、チッチ、美梨、グリ、クッキー、たぬ吉、マイケル、ピッコロ、ミンミン、タンタン、ファムト、ぱーちゃん、うにをはじめとする、反乱軍のメンバーの顔がそこにあった。
あタロウは、妻となったジュラを連れていた。
旧ジパン連邦の体制側のフェレの顔もあった。ぷぅ教授、ヤクト少佐、シュテルン=フライヘル=フォン=ハルトネッキヒ=男爵、ダス、ラッキー、ダイスケ、茶々、マユ達だった。
長江いたちんフェレのすけ前首相は、もう一度自分を試してみたいと新たな情熱を持って志願した。
フィヨ、るび、スー達の多くの国民も、移民に志願した。
ムウとミクも、志願していた。

同じ頃、惑星マーリングリスルからも地球移民プロジェクトの大船団が旅立っていた。
グー女王は、地球での情報交換のネットワークを構築するミッションを自分に課して参加した。
Cooを船団長として、ぷりん、あづき、ティナ、チョビ、元輝、うなちゃん、ムギ、グリコ、テツ、源さん、ゴエモン、ゲンタ、ルビィ、ルビー、ラーサ、タモ、ブリュン、ポッチョ、ピエロ、草薙、銀嶺、庵、琥珀、久間吉、ロキ、ルンタ、うに吉、ツムジ、ミー、クー、レイらが搭乗した。
なぜか、犬のロイスも条件付きで参加していた。その条件とは、吠えない、噛まない、リードを付け散歩する、というものであった。

虎とウランは、生まれて1年たちすっかり立派に成長した子供達と共にカローラに乗り込み、地球へと旅立って行った。

ムウは、再び宇宙の旅が始められたことでワクワクしていた。窓から遠ざかっていく惑星ジパンを見つめるムウにミクが話しかけた。
「地球での生活って、どんなものかしら?」
「わからないさ。でも、1つだけ言える事がある。」
「なに?」
「ミクとオレは一緒に暮らす。」
ミクは驚いてムウを見た。ムウは、ミクの方から顔を背けて窓の外を見たままだった。
「なに、それってプロポーズ?」
「ちょっと言ってみただけだ。返事はすぐでなくてもいい。」
艦内アナウンスのキョンピュータの声が聞こえてきた。
「間もなく光速飛行に移るんだわ。搭乗員は、所定の人工睡眠装置に入って下さいなんだわ。目が覚めたら、そこは地球なんだわ。みなさん、よい夢を見て下さいだわだわ。」
「さあ、寝るとするか。」ムウは、振り返った。その頬にミクがキスをしてニコリと笑った。
「返事はしたわ。」

移民フェレを乗せて大船団は先頭から次々と光速飛行に移った。
最後の船が姿を消した宇宙空間は、静かにそして美しく輝いていた。

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MISSION : 人類に夢と勇気を与えること
永遠にフーロと共にあらんことを
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