展開型結晶格子の製作    

                                           1999.7.23

  前回の企画で作った単位結晶格子を8等分した、ルービックキューブのような「展開型結晶格子」を作ることにより、次のような利用方法が考えられます。
@立方体を反転して結晶内部を観察できる.
A立方体を四角にまとめたり平らにしたりして結晶を観察し、視野を変化させることができる.
              

1.各種塩ビ製ブロックの製作

 展開型結晶格子は8個の塩ビ製ブロック(立方体)から成り立っています。六方最密構造を除く展開型各種結晶格子の塩ビ製ブロックの一辺の長さは次の通りです。

  結晶格子名   1辺の長さ
   体心立方    28.5mm
   面心立方    35.0mm
   NaCl       29.0mm
   ホタル石     34.0mm
   ダイヤモンド   34.0mm
   ZnS        28.0mm


  


六方最密構造のブロック3個はメイトウ(Tel.0561-62-8800)から購入する事も可能ですが、自作する場合は左図を参考にする。

  







2.スチロール球の切断と着色

 前回作った「けずりぶし式切断器」を使ってスチロール球を切断します。φ30mmは前回同様「プリットのりのふた」を、φ50mmは化学室の試薬のふた(私は食塩の塩ビのふたを利用した)などちょうど1/2に切断できるものを使用します。1個の展開型結晶格子に必要なスチロール球、切断サイズ、着色は「スチロール球の切断と着色一覧」を参考にします。

 六方最密構造のスチロール球は「けずりぶし式切断機」では準備できないため、六方最密専用「ところてん式切断器」(作り方は後日掲載予定)を使って左図のように切断します。なお切断するスチロール球はφ50mmです。







3.塩ビブロックに切断片を入れる

 各種展開型結晶格子の塩ビブロック8個(六方最密構造の場合は3個)に、切断・着色したスチロール片を充填します。
【充填方法】
@体心立方格子   A面心立方格子   B食塩(NaCl)   Cホタル石(CaF2)

D閃亜鉛鉱(ZnS)  E六方最密構造

 なお、ダイヤモンドの場合は閃亜鉛鉱(ZnS)と同じで、全球はφ30mm,色は白を使用します。

4.展開型結晶格子の作り方

 体心立方格子を例に説明します。

@赤が中心にくるように、8個のブロックを組み立てる. 
A上の段の左右2個(計4個)のブロックを180度回転して開く(図1).
B図1のようにセロテープ(スコッチクリアテープ)で6ヶ所をとめる.
C全体をひっくり返す.
D図2のように2カ所をとめる.
EBDでとめた部分を反対側から再度セロテープでとめて完成.
Fこのままでは8つのブロックが広がるので、幅3〜4cmの塩ビ板の帯を巻いて固定する.

5.展開型各種結晶格子の完成写真

T.「体心立方格子」   写真@,  写真A,  写真B

U.「面心立方格子」   写真@,  写真A,  写真B

V.「六方最密構造」   写真@,  写真A

W.「食塩(NaCl)」     写真@,  写真A,  写真B

X.「ホタル石(CaF)」  写真@,  写真A,  写真B

Y.「閃亜鉛鉱(ZnS)」  写真@,  写真A,  写真B

Z.「ダイヤモンド」     写真@,  写真A,  写真B


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