「けずりぶし式切断器」の製作

 

 この切断機器は (1)四面切断部 (2)一面切断部 の二部からなっています。(1)は正四面体切断アダプターをつかった炭素原子の四面カットや、酸素原子の二面カットなど一定の角度が要求される複数面の切断に使用します。(2)は水素原子の一面カットや、1/2,1/4,1/8球といったスチロール球の切断し使用します。

1.アクリル板の加工  [加工図


2.ゴム足
 超強力両面シートをゴム足に貼り付け、アクリル板の四隅(加工図 破線円部)に接着する.このとき次のジョンソンターミナルと接触しないように気を付ける.

3.ジョンソンターミナル
 加工図のb1の位置に黄色ジョンソンターミナル、b2の位置に黄緑色ジョンソンターミナルを取り付ける.このときジョンソンターミナルの穴がaの方向と一致するようにする.

4.ベークライトスペーサー  [図1
 3×40mmのボルトを使用し、加工図のa1の位置に図1のようにベークライトスペーサーを固定する.a2の位置は平ワッシャーを3枚にする.

5.ガイド用木片  [図2
 300×15×30の木片を二等分し、図2のdの位置にのこぎりで幅2mm,深さ2mm程度の溝をいれる(次の操作で行うニクロム線がちょうどこの溝を通ることになる).このガイド用木片の2本の溝が上になるようにして加工図のcの位置に木ねじで固定する.

6.ニクロム線
 加工図のb1−a1−a1−b1,b2−a2−a2−b2にニクロム線を張る.このとき中央よりのb1,b2のジョンソンターミナルを先に固定し、両サイドのジョンソンターミナル側のニクロム線にクリップをつける.このクリップを利用してニクロム線を強く張った後ジョンソンターミナルを固定する.最後に中央よりの2本のニクロム線の間に小型のバネを取り付けると、温度によるニクロム線の多少の伸びは自動的に調整される.それでもニクロム線がゆるんできたら、クリップを引っ張り再調整する.

7.「プリットのふた」の高さ調整  [図3] 
 図3のようにプリット(コクヨ製口紅タイプのり タ-320)のふたにスチロール球(φ30mm)をはめ、その赤道がニクロム線の高さと一致するように、ふたを紙やすりで削る.

8.正四面体アダプター  [図4
 正四面体アダプターは@φ35mmAφ40mmBφ50mm用の3種類を用意する.このうち@は図4のように工作用厚紙から自作し、ABはメイトウ(.0561-62-8800)から市販されているベークライト製のものを用意する.@の場合は、図4の実線部をはさみで切断し、破線部はカッターナイフで折り目をつける.また、各面の円ははさみで切り取る.セロテープ1は面a,cをつなぎ、セロテープ2は面b,dをつなぐ.また面aは開閉可能にして、スチール球の出し入れに使用する.@Aは「メイトウの説明書」を参考にする.

9.高さ調整用木片  [図5
 アガチス材(600×10×50mm)を切断し、150×10×50mmを3本用意する.図5の2種類の高さ調整台は、氷の結晶モデル作成時に使用する.

10.リード線の工作
 みの虫クリップ(赤,黒各1),バナナチップ(赤,黒各1),リード線(赤,黒各1m)を使って、小型電源装置(またはスライダック)と切断用ニクロム線をつなぐリード線を用意する.

11.完成
 [完成写真