2012年のドン
(2013/1)
 2012年のドンは実に安定していました。なんと1度も切り下げが行われていません。2012年末の物価上昇率は2011年末比6.81%の上昇と落ち着いており、また貿易収支は20年ぶりに黒字、外貨準備高も年初(220億〜230億ドル)の2倍以上に拡大する見通しです。
 2012年のGDP成長率は5.03%と13年ぶりの低成長でした。景気が悪いから物価が上がらない、輸入が増えない、だからドンが下がらないということだったのかも。

2011年のドン
(2012/1)
 2011年はなんと言っても2月11日に行われた9.3%のドン切り下げでした。切り下げ自体は良くあることですがその幅が大きく驚きでした。大幅切り下げの理由はインフレだったようです。リーマンショック後にGDP比5%の景気刺激策を実行したため金余りとなり、輸入品の購入が増え経常赤字が増えました。それにより外貨準備額が減り一時は年内に外貨が準備が枯渇しそうだと言われていました。更に、不良債権を抱えた銀行が危ない、ベトナム国家が財政破綻するかもと言われるほどでした。この対策の一つとして、輸出品の競争力向上と輸入の抑制をめざし、ベトナムドンの切り下げが実施された訳です。その後もインフレはなかなか収束しなかったのですが、ドンの切り下げは小幅にしか行われず(回数は15回と多い)、意外とドンのレートは安定していました。年末近くになりインフレ率も縮小の傾向が現れてきています。
 中央銀行のビン総裁がオンライン会談において、2012年にベトナムドンは最大でも2.0%〜3.0%切り下げにとどまると発言しています。
2010年のドン
(2010年2月11日)
 ベトナム国家銀行(中央銀行)は、2月11日朝 interbank exchange ratesを 3.4 percent上げました。決定は10日午後遅く、発表は午後9時でした。ベトコンバンクの10日のレートは18,469-18,479ドン/ドルでしたが、11日朝は18,495-18,880 、同日11時には18,595-19,000 となりました。11日夜(22時40分)現在18,595-19,100です。
 ハノイの市中(金屋)では19600〜19700ドンで米ドルが売られています。しかし、米ドルの買取は19300のままです。金屋はドルの上昇は一時的なものと見ているようです。実際、取引は低調らしいです。ホーチミン市でもベンタン市場で、午後早くに19600ドン(米ドル売り時)になりましたが、金屋は米ドルの買取は控えているそうです。

(2011年2月10日)
 2010年のドンは、上記2月のドン引き下げ後に、8月17日午後にも為替レートの調整を実施し、インターバンクレートを1ドル=18,932としました。これにより銀行の設定できるレートは1ドル=19500ドンとなりました。決定直前のハノイ闇市場でのレートは1ドル=19340ドン。
 2010年10月に闇市場でドンが値下がりし1ドル=19,870/19,920ドンとなったが、国家銀行はドン切り下げ予定を否定しました。
 12月9日のブルームバーグは、:ベトナムの通貨ドンが「極度のトラブル」を抱え、切り下げリスクがあると、米モルガン・スタンレーはみている。国際通貨基金(IMF)は今週に入って、ベトナムの対外準備が低水準だと警告した。 と伝えました。http://bit.ly/hlz28w
2009年のドン
 2009年11月、国家銀行は、許容変動幅:5%→3%に縮小、インターバンクレート:5.44%変更し1ドル=17,961ドンに。



2008年のドン
(2008年12月29日)
 今年2008年は2月のテトまでは景気の過熱、その後はインフレの進行と土地バブル崩壊、そしてリーマンショックで景気が不透明となりました。それに合わせ、2月には金融引き締めの影響でドンが一時高くなる場面がありました(16000ドン割れ)。5月末にはインフレの進行とドル不足によりドン急落・米ドル急騰が起き、さらにドンが暴落するとの予測が流れました。その後落ち着きを取り戻しましたが、年末になり輸出の減少、政策金利の引き下げによりドル高ドン安が闇市場で進行し、これに追随する形でべトナム国家銀行(中央銀行)は12月25日、ドンの対米ドル公式相場(銀行間外為市場平均レート)を前日の約3%ドン安・米ドル高の1米ドル=1万6989ドンと発表しました。事実上の切り下げで、ベトコンバンクのレートも29日のドルは17430ドン(買い)になっています。

2007年のドン