アニマルNEWS

 

〔けっとう〕

 
 「まもなく,こイヌがくることになりますよ,名前はなににしようか,考え中です」と嬉しそうに話す友人がいます。

 半年も前から「シバ犬が欲しい」といっていた友人が,待望のその時が来ました。

 「雄犬が希望でしたが,結果は雌」というものの,にこにこ顔です。

 「名前は,サクラ」と聞き手の此方は勝手にきめてしまいました。

 「子犬を欲しいといっていたら,生家から,先ず,お手紙に写真を添えて,籐のバスケットとドックフーズがとどきました」と,もう,まだいぬ,こいぬのはなしです。

 里子に出す親のような心境のお方と拝察しました。

 もう,名付け親のつもりの此方が「シバ・サクラ,ぴったりだよ」といえば,此方の伴侶も「柴又のさくら,いいわね」とあわせます。

 マイ・ドーターも「日本犬だし,いい,いい!」と賛同します。

 里親になる友人を煽りながらの命名会となりました。

 友人は「でも,混じっちゃったらしいんです」と,少々押さえ気味になっているようでした。

 「いい,雑種の方が利口だから,此方当家の犬のリリーも純粋の雑種だから」と言い出すしまつでした。

 この件のことを別の飼い犬家の女将さんに話すと「うちのシバは純種だったけど,残された子犬は雑種です。

  その母親は産後2ヶ月で他界しました」と語り,また「この子犬は弱くて10回ほど医者にかかるほどで金のかかる犬でね」と説明してくれました。

 「それでじゅう医ですか,して何故にそんなに」と此方が聞きました。

 「けっとうちがひくくて,すぐ,へなへなとなるのよ」と言います。

 「血統値が低いとそういうことあるんですか,ヘー,雑種は,丈夫と聞いていたのですが」

 「そうなのよ,雑種でも遺児なので1年ぐらい医者通い,贅沢なのよ」

 「犬も血統が重要なんだ,馬だけとおもっていましたよ」

 「血糖値が低いと,犬もやせて元気がないのよ,生まれつきでかわいそうなイヌもいるのよ」

 「いぬもいる,とか,血糖値,血統に値と重うあたりが……」

 いぬすきなひとの会話にはときとして入力,処理,帰還を繰り返さないと理解に苦しむのです。

 


つづく


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