”サクラコウム”

1998.08.08

土曜の朝,桃太郎の友人で,川部の森に住む森五蘭丸から電話がありました。

「桃太郎さん,サクラが子供を産みました。」

「森ちゃん!,ほっ,ほんとうか!,いままできざしがなかったのか!,急だね」

「注意はしてたんですがね,できちゃってたんですよ,医者につれていったんですが, もう,おそいといわれました,そして,今朝です。4匹です。」

「そうか,シバはしばしばそういうはなしをきくよ,だげど,まだサクラは満1歳になっていないだろう」

「そうなんですよ,きのうは,1回も顔をださないでいて,今朝顔を見せたらすぐに小屋にもどったので見たら,ごらんのとおりでした,どうしようとおもっています。」

独身の森五蘭丸は,なぜか,自分のことのように,恥ずかしそうに話しました。

「ところで,相手は,どこのけんの犬ですか」と聞いたのですが,嬉しいあまりか,精神的動揺のために余裕がないのか,返事が「?????」でした。

ナイーブな森五蘭丸は,きっと,サクラの妊娠を恥ずかしくて,とうとう産んだ今まで,桃太郎に話せなかったのでしょう。

「きのう,実はテレビで”寅さん”をみていたら,ちょうど『さくら』がでていました,ところで,桃太郎さん,歌姫の名前知ってますか」と質問してきました。

「知っているよ,『浅丘ルリ子』だよ」

「ちがいますよ,そうでなくて,アニメですよ」

「リリーだろ」(桃太郎一家の愛犬も『リリー』)

「知っていたんですか」(『さくら』と『リリー』の登場を偶然とおもっているようす)

森五蘭丸は,愛犬「サクラ」の命名のいきさつをよく知っていなかったのかな・・・。

新しいもの好きもの森五蘭丸は『ミスター・ビーン』を見てはいるのでしょうが,ああ,なんと,松竹の『寅さんシリーズ』は,あまり見てはいないようでした。

命名の好きな桃太郎,早速命名と「名前は,突然のたなぼたでなく,たなばたなのでヒコとオリ,いや,星の名だと,スバルは森ちゃんの車だし,とにかく星の名で決めましょう」と勝手に言い出す有様でした。

「でも,我が家で4匹もまた飼うわけにもいきませんから・・・」

「いいから,星の名前をつけてやってから,誰か,犬ほしくて,育てる方を探してよ,星犬だよ,いい成犬になるよ」と訳の分からぬことを言い出す桃太郎でした。

この電話でのやりとりを小耳にはさんだ,桃太郎のドーター『小桃』から,「シリウスとか,プロキオンとかが,いいんじゃない」と提案がありました。

「サクラクル」 の頁に関連

平成10年 8月 8日(土曜日)

記・栗胡桃太郎


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