目次
[MUSICA MUNDANA No.84] 2008年1月30日発行
 
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 「MUSICA MUNDANA No.84」をお届けします。

 [MUSICA MUNDANA]の情報は惣田正明のホームページに載せてあります。
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           MUSICA MUNDANA NO.84
             Jan.30.2008
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             ◆ 目次 ◆

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 ◎ 音楽史
    ◆ミサの編集とマショーのミサ◆
 ◎ 数学史
    ◆11世紀 - 宗教的政治的影響◆
 ◎ Homepage Updated (Jan.25.2008)
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 ◎ 随想
 ◎ あとがき
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━━[音楽史] ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 ◆ミサの編集とマショーのミサ◆

 こうしたミサの編集は、アヴィニョンの教会音楽に人々が期待するよう
に、非常に様式が保守的です。3つの声部すべてで多くの一音対一音の書
法がみられ、上の一つあるいは二つのパートで装飾のあるところだけ一音
対一音の書法でなくなります。トゥルネのキリエには、それさえ欠いてい
て、現実には、サンクトゥスとアニュス・デイがそうであるように、モー
ダル・リズムです。グロリアの「アーメン」やサンクトゥス、アニュス・
デイには、ホケトゥスの短い非常に控えめなパッセージがあります。テノ
ールのどれも典礼の聖歌と同じものは見いだされませんし、どれもアイソ
リズムではありません。

教皇ヨハネス22世は、反対するものをほとんど見いだせなかったでしょ
う。しかし、最後の「Ite missa est」-- 通常文のポリフォニー曲からす
ぐに省略されたパッセージ -- は、音楽的な理由からではなく、トリプル
ムがフランスの愛の歌の歌詞を持っているために、彼をぞっとさせたかも
しれません。

 大勅書「ドクタ・サンクトールム(Docta Sanctorum)」の影響の下、書
かれ編集されたこれらの保守的なミサと強い対照をなすのは、マショーの
傑作です。それは、1364年のシャルル5世(Charles V)の戴冠と関連付け
られている伝承を記録的に支持する(証拠付ける)ものは何もないのです
が、年代的にはほとんど確実に後のものでしょう。

キリエは、単旋律聖歌のテノールのあるパターンを形作ります。キリエ
「クンクティポテンス(cunctipotens)」-- そのよく知られたトロープス
「Cunctipotens Genitor Deus」からそう呼ばれますが --は、コントラテ
ノール(contratenor(bassus))もそうですが、アイソリズム的に扱われて
います。ホケトゥスが、それぞれのセクションの終わり近くに導入されて
いて、サンクトゥスとアニュスと「Ite missa est」もアイソリズムの典
礼のテノールに基づいています。

グロリアとクレドは自由な一音対一音の様式で、グロリアの始まりは(司
祭が「グロリア・インネクセルシス・デオ(Gloria in excelsis Deo)」と
吟唱した後の)長い音価の「Et in terra pax」という言葉を伴うところ
は、とても印象的です。「Jesus Christe」とクレドの「ex Maria
virgine」の部分も、同じように印象的で、その技法は、デュファイのよ
うな後の作曲家たちに借用されました。

━━[数学史] ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 ◆11世紀 - 宗教的政治的影響◆

 さて、今回から11世紀以降のヨーロッパに入ります。

 紀元1000年紀の間、キリスト教が一般の人々にどれだけの影響を及ぼし
ていたのか言うことは困難です。歴史家たちは、以前考えられたほどには
「千年の恐怖(terreur de l'an Mil)」に注意を向けてはいません。多く
の教養ある人々が、この1000年間に、文字通り聖書の論評をなした可
能性はないとしても、何人かの人々がそうしたことは確かです。とにかく、
この千年が経過した後、キリスト教世界に新しい関心が芽生えたことは見
て取れます。

 それに、また、十字軍(1095-1270年頃)がありました。これは「最初のル
ネサンス」と呼ばれていて、世界大戦が20世紀の文明に為したのと同じ
ことを長く眠っていた文明に対してなしたことでしょう。--ある地域の民
族に、他の地域で行われ考えられ希望されていたことの多くを知らしめた
のです。それは戦争でありましたが、全般に知的ヨーロッパの境界を越え
たものでありました。

 また、ヨーロッパには、その真ん中に外国の高度に発展した文明の強い
影響がありました。-- スペインのサラセンの覇権です。そして、ラテン
の学者たちにギリシアやオリエントの文明の最も優れたものを知らしめた
のは、このサラセンの学者たちでした。

 更に、ヨーロッパは、その私的な戦争の愚かさを見ていましたし、「神
の休戦(Truce of God)」は、その力を感じさせ始めていました。平和の祝
福が、今再び、フランスやその近隣諸国に定まりつつあり、こうして知的
探究を可能なものとしました。

 これらの影響に、ノルマン人の征服(Norman Conquest)を加えなければ
ならないでしょう。そのおかげで、戦争を長引かせず、イギリスを目覚め
させ統一させた一方で、大陸がイギリスのためになる学問や芸術を指し示
しました。

 こうした影響の結果として、ヨーロッパは新しい時代、大聖堂の建築、
教会の改革、芸術への新たな関心、政治的実験、そして学問的偉業が大き
な役割を果たす時代へと突入します。

━━[随想]━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 ◆クロッカス◆

 Crocus (複数: crocus, crocuses) :
 クロッカスは、多年性の花の1種で、中央及び南ヨーロッパの沿岸及び
アルプス山麓地方(エーゲ海の島々も含む)、北アフリカ及び中東、中央
アジア全域から中国西部にかけての広い地域を原産地とする。

 サフラン(クロッカス)属は、植物学的にはアヤメ(アイリス)科
(Iridaceae)に属する。球茎で育ち、主として耐寒性の多年生植物で、森林、
低木地帯、草地を含む広い範囲の生息環境で見いだされる。

 およそ80種類のクロッカス(そのうちおよそ30種が栽培されている)
がある。そのカップの形をした一つだけの高盆状の花は、細い管に次第に
細くなっている。その色は非常に様々であるが、ライラック色やふじ色、
黄色に白が主な色である。草のような剣状突起の葉には、全般に、葉の軸
に沿って中央に白い縞模様が見える。葉の縁はそろっている。どのクロッ
カスにも通常3つの雄しべがついている。香辛料のサフランは、秋に花を
つける種であるクロッカス・サティヴス(サフラン)(Crocus sativus)の
めしべから得られる。

 属名は、ギリシア語のクロコス(κρ?κο?)から派生したものである。
(ホメロスのイーリアス第14書 347節で裏づけられる)これは、セム系
言語からの借用語である。(ヘブライ語カルコム、アラム語クルカマ、ペ
ルシア語とアラビア語のクルクム、すべてサフラン色あるいは濃い黄色の
意味)ギリシアでは、その単語は、また、同様の色をした卵の黄身にも使
われる。

 (from Wikipedia - Crocus: http://en.wikipedia.org/wiki/Crocus)

━━[催し物情報]━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
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 ☆阿波歴史体感ネットワーク「いにしえ夢街道」推進事業協賛
 特別陳列「徳島城下町の世界」
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  ○会   期  1月17日(木)〜3月2日(日)
  ○休 館 日  2/4(月)・2/12(火)・2/18(月)・2/25(月)
  ○会    場  博物館 企画展示室(1階)
  ○時   間  9:30〜17:00
  ○観 覧 料  無料
 江戸時代の城下町・徳島については、近年、いろいろな方法によって研
究がすすめられています。古文書や絵図などをていねいに読み解き、発掘
された遺構や出土品を丹念に調べることで、かつての城下のありさまが、
具体的に生き生きとわかるようになってきました。
 この特別陳列では、当館所蔵の城下絵図と、幕末の二軒屋で焼かれた庸
八焼をおもに展示します。展示品のほとんどが、当館が文化の森に開館し
て以来初めての一般公開となりますので、身近な町の歴史を知るひとつの
機会になると思います。ぜひ、ご観覧ください。

 徳島県立博物館の催し物情報は、以下のサイトをご覧ください。
      http://www.museum.comet.go.jp/

━━[Homepage Updated]━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 ホームページ update情報

 落書き帖第200号
 Plato "The Republic" を読もう
   http://www2m.biglobe.ne.jp/~m-souda/cgi-bin/plato/wforum.cgi
 各国語で聖書を読む
       http://hpcgi1.nifty.com/m-souda/bbs6/wforum.cgi
 ロシア語初級コースのテキストを読む
       http://hpcgi1.nifty.com/m-souda/bbs4/wforum.cgi

 MySouda--惣田正明のホームページ
        http://www2m.biglobe.ne.jp/~m-souda/mysouda/
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 [MUSICA MUNDANA]Doblog版 
        http://www.doblog.com/weblog/myblog/3403

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重くて仕方のない方は、[SIMPLE版]をご覧ください。

━━[あとがき]━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 2008年もはや1ヶ月が過ぎました。

 早いものです。あと数日で節分、そして立春ですね。庭では、クロッカ
スが、芽吹いています。2月には花を咲かせるのではないでしょうか。と
いうわけで、随想ではクロッカスを取り上げてみました。

 では。

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   ■発行人:文責:TeleScope(相原寛彰)  ■発行:MySouda
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