目次
[MUSICA MUNDANA No.58] 2005年11月30日 発行
 
━━[MUSICA MUNDANA]━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 「MUSICA MUNDANA No.58」をお届けします。

 [MUSICA MUNDANA]の情報は惣田正明のホームページに載せてあります。
      ( http://www2m.biglobe.ne.jp/~m-souda/mysouda/ )
   何かありましたら、ここに連絡ください。
        ( vem13077@nifty.ne.jp )

 登録(申し込み)解除はこちらです。
( http://www2m.biglobe.ne.jp/~m-souda/mysouda/home/home.htm#toroku1 ) 

━━[MUSICA MUNDANA]━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

■■■■■■■■◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆■■■■■■■■
           MUSICA MUNDANA NO.58
             Nov.30.2005
■■■■■■■■◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆■■■■■■■■

━━[MUSICA MUNDANA]━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

             ◆ 目次 ◆

 ----------------------------------------------------------------
 ◎ 音楽史
    ◆聖マルティアリスとサンチアゴ・ポリフォニー◆
 ◎ 数学史
    ◆インド◆
 ◎ Homepage Updated (Nov.25.2005)
 ----------------------------------------------------------------
 ◎ 随想
 ◎ あとがき
 ----------------------------------------------------------------

━━[音楽史] ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 ◆聖マルティアリスとサンチアゴ・ポリフォニー◆

 本当の起源は確かではありませんが、一般に、リモージュ(Limoges)の聖
マルティアリス修道院(St. Martial Abbey)のものと言われている写本
(Paris, Bibl.Nat.lat.1139,3549と 3719。また、London, Brit.Lib.Add.
36881)などの12世紀の資料、また、1130年のすぐ後に、中央フランス、
恐らくクリュニーの一地域で作られたもので、真実ではないでしょうが、
コンポステラのサンチアゴのものと伝えられているカリクスティヌス写本
(Codex Calixtinus)の中に、私たちは、華やかな性格のオルガン・パート
を初めて見いだしますが、それによって、主旋律は、はるかに遅くなった
に違いありません。

 これらの写本は、全体として、非常に多くのモノフォニー曲と深く関連
しあって、初期12世紀ポリフォニーの大文献集成を形造っています。い
くつかの曲は、その二つ以上の写本に見いだされます。例えば、ストロフ
ィック(strophic)な歌「per partem viriginis」は、これらの資料の中で
最も初期のもの、1000年頃の Bibl.Nat.1139には含まれていませんが、半
世紀後の Bibl.Nat.codicesにも、さらに後の年代の British Libraryの写
本の中にも含まれています。

Bibl.Nat.3719版は、この時代の問題の性格を示しています。最も優れた学
者たちでさえ、次のような場合のあることを示唆しているのです。(a)主パ
ート(旋律)は同一の音価で、オルガナーリスが様々な音価である。(b)オ
ルガナーリスが同一の音価で、主パートの方が様々な音価である。しかし、
垂直線さえ、普通はっきりしていませんし、3549版のものとは異なってい
ます。British Libraryの版は、もっとはっきりしていて、現代の小節線
(bar lines)のような縦の線になっています。ネウマは、後期アキテーヌ
(Aquitanian)のもので、譜表の線は、まだ彫針(dry point)で書かれてい
るのですが、今や「四角」になっています。しかし、音価の問題は、未解
決のままです。

 しかし、これらマルティアリスの曲の多くでは、両方のパートは、一音
対一音で、一時的な装飾を伴って平行に移動しています。そこで、学者達
は、特に賛美歌の場合、行の上に、韻律を書き写そうと試みました。(カリ
クスティヌス写本の讃歌の一つ、「Congaudeant catholici」では、少し後
に、第三のパートを--オリジナルのオルガナーリスを単純化したヴァージ
ョンと余り変わらない--下のパートに一音対一音で書き加えています。こ
のようにして、最も初期の三パートの例が生み出されたことが知られてい
ます。

アレルヤ唱「Vocavit Jhesus」を「Magister Coslenus episcopus
Suessionis(ソワソンの司教、コスレヌス師)」のものだと言うのと同じ
ように、「Magister Albertus Parisiensis(パリのアルベルトゥス師)」
のものだと言うことは、また、同じ写本の他の真偽の定かでない作曲家た
ち--ほとんどがフランス司教--は、写本の音楽とは関係のないところで権
威が主張されている著名な人たちは言うまでもなく、ずっと、偽であると
見なされてきました。

しかし、パリのノートルダムのカントール(cantor)、アルベルトゥスは、
疑いなくいました。彼は、1180年頃に没し、教会にミサ典書(Missal)、聖
句集 (Lectionary)、グラドゥアーレと「讃歌のある聖詩集(プサルテリウ
ム)(Psalterium cum hymnis)」を後世に伝えています。時折、華やかなま
た一音対一音のポリフォニーが、Bibl.Nat.3549のクリスマス・グラドゥア
ーレ・トロープス「Viderunt Hemanuel」のように、見いだされます。
 

━━[数学史] ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 ◆インド◆

 この時期(5世紀まで頃)、インドの注目すべき貢献といえば、恐らく
ヒンドゥーの数体系でしょうが、それについては、ここでは議論しません。
インドの数学の歴史で、次に重要なことは、年代的には数詞の文書に先立
つ出来事ですが、それはアレクサンダー大王の軍隊がこの国への侵入
(BC327年)したことで、インドの宮廷に駐在するギリシア使節の派遣でした。

この出来事が、学問科学、特にヒンドゥーの天文学にどれほどの影響を及
ぼしたかは、現在言うことは難しいことです。しかし、後のヒンドゥーの
著述家たちが、jamitra(ギリシア語のδιαμ& epsilon;τροs)、kendra
(κεντρο& nu;)、 dramma(δραχμη)といったギリシ ア語を採用
して用いていることは、注目に値するでしょう。

 キリスト教紀元が始まるちょうど前に、北方から多くの侵入があり、ギ
リシアの学問が広がることを深刻に妨げました。そして、AD4世紀には、イ
ンドの古代の学問で、明らかにギリシアの天文学を置き換えようとした少
なくとも一つの著作が現れます。

 今日まで知られているインドで生み出された天文学に関する最初の重要
な著作は、スーリヤ・シッダーンタ(Surya Siddhannta)-- 恐らく5世紀初
め頃書かれたものでしょうが、私たちには、後の時代の写本でしか知られ
ていません--です。シュルヴァスートラ(Sulvasutras)の儀式の数学公式は、
今や星の数学に席を譲ってしまいました。この変化は、恐らく、アレクサ
ンダーの時代以後も、インドに定住した古代ギリシア人の子孫によって、
ずっと評価されていたギリシアの学者の著作の影響によるものだったでし
ょう。

後に述べることになる、ヴァラーハミヒラ(Varahamihira)は、5つのシッダ
ーンタのことを語っていますが、スーリヤ・シッダーンタを第一において
います。5つの中に、恐らく、同じ時代頃のものと思われるパウリサ・シッ
ダーンタ (Paulisa Siddhanta)があります。これには、初期ヒンドゥーの
三角法、現代の数式で書き表せば、次のような規則になる優れた要約が含
まれています。

  sin30=1/2, π=√10, sin60=√1-1/4

また、この著作には、明らかにプトレマイオスの弦の表(table of
chords)に由来すると思われる正弦表も含まれています。

 ヒンドゥーには、信頼できる年代学も、インドの学問科学へのギリシア
文明の影響についての入念な研究もありませんので、この時期のインドの
数学の業績について、満足のいく評価を与えることはなかなか困難です。
 

━━[随想] ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 ◆アドヴェント◆

 17日の日曜日からアドヴェント(待降節)が始まっています。 今回は、
アドヴェントというのは、敬虔なクリスチャンにとって、どんな季節なの
かちょっと書いてみます。

 参照・引用は、The Season of Advent です。
 http://www.cresourcei.org/cyadvent.html#Celebrating%20Advent

 アドヴェントの祝祭

 アドヴェントは、教会だけでなく、家庭でも祝われるキリスト教の数少
ない祝祭の一つです。クリスマスとの関連で、アドヴェントは、教会での
礼拝と直接関連する家庭での行事で、子供たちを自然に導く時です。家庭
では、アドヴェント・リースがしばしば食卓に飾られ、ろうそくの明かり
を灯して食事をし、特に日曜日には、ろうそくが灯される前に聖書が読ま
れます。4週間の間、日曜日には新しいろうそくが灯され、その後、その
週の間、食事の時には同じろうそくが灯されます。こうして、家族の礼拝
・祈りの機会が与えられ、子供たちに信仰を教え、特に、日々の聖書を読
むように子供たち教える手助けとなっています。

 多くの家庭では、信仰を教えるという同じ目的のため、アドヴェントの
始まりを記念する共通のものがあります。家族の中には、アドヴェントの
始まりとともに家を飾る家庭もありますし、特別なクッキーを焼いたりご
ちそうを作ったり、単に食事のときに特別なテーブルクロスを使い始めた
りするだけの場合もあります。アドヴェントカレンダーは、子供たちをそ
の季節に関心を持たせる一つの方法です。非常に様々なアドヴェントカレ
ンダーがありますが、普通は、アドヴェントの期間のそれぞれの日、イエ
スの誕生に導く旧約聖書に関連するシンボルや絵を見せるために開くこと
のできる窓の付いたカードあるいはポスターです。家庭や至聖所で使われ
るユニークな特別なアドヴェントカレンダーに、エッサイ(ダヴィデ王の
父)の木があります。これらはすべて、子供たちにこの聖なる季節を教え、
そのことを思い起こさせる機会を提供しています。

 集会での礼拝では、アドヴェントリースが、この季節、教会暦が始まる
救済史の初めの季節に人々を引き寄せる中心的な象徴です。この季節のた
めに、集会のメンバーたちは、しばしばアドヴェントキャンドルを灯し、
それぞれの日曜日には、ふさわしい聖書を読むのに参加します。家族でそ
れをするのが習慣になっている教会もありますが、未婚の人や離婚した人、
未亡人に一人暮らしのお年寄り、故郷を離れた大学生などのような家族を
持たない人々を含めることで、特に、全体の統一を示すよい機会となって
いる教会もあります。


━━[催し物情報]━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 ◇歴史散歩「一宮城を歩こう」
  一宮城は、中世から近世初頭に用いられた山城です。徳島県内に残る
山城の遺構としては最大規模のものとして知られています。城跡を一周し
て歩きながら、自然地形を巧みに利用した築城の技術を見てみたいと思い
ます。
  ○日  時  12月18日(日)10:00〜12:00
  ○場  所  徳島市一宮町
  ○講  師  長谷川賢二(博物館学芸員)
  ○対  象  小学生から一般    ○定  員  20名
  ○申込方法  別記の方法で,12月8日(木)までにお申し込みく
 ださい。

 徳島県立博物館のその他の催し物情報は、以下のサイトをご覧ください。
      http://www.museum.comet.go.jp/

━━[メルマガ紹介]━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 知人が発行しているメルマガです。興味関心のある方はどうぞ。
  「知」とIT/ビジネスへのTIPS
  金融と経済/「人生」のボスに、 自分がなる為のAtoZ
 URL http://kinyuu-literacy.hp.infoseek.co.jp/

━━[Homepage Updated]━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 ホームページ update情報

 落書き帖第174号
 Plato "The Republic" を読もう
   http://www2m.biglobe.ne.jp/~m-souda/cgi-bin/plato/wforum.cgi
 各国語で聖書を読む
       http://hpcgi1.nifty.com/m-souda/bbs6/wforum.cgi
 ロシア語初級コースのテキストを読む
       http://hpcgi1.nifty.com/m-souda/bbs4/wforum.cgi

 MySouda--惣田正明のホームページ
        http://www2m.biglobe.ne.jp/~m-souda/mysouda/
 TeleScope WebPage--MySouda Information Page
   http://www2m.biglobe.ne.jp/~m-souda/index.html (English)
   http://homepage1.nifty.com/m-souda/ (Japanese)
   http://www004.upp.so-net.ne.jp/mysouda/ (Japanese)
 AIHARA Hiroaki's Page (English)
  http://www2m.biglobe.ne.jp/~m-souda/mysouda/aihara/index.html

 [MUSICA MUNDANA]Doblog版 
        http://www.doblog.com/weblog/myblog/3403

 JavaScriptや DHTMLに対応していないブラウザをご使用の方、あるいは
 重くて仕方のない方は、[SIMPLE版]をご覧ください。

━━[あとがき]━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 11月30日は、聖アンドリューの祝祭日で、この祝日に一番近い日曜日か
らアドヴェント(待降節)が始まります。今年は、11月17日でしたね。

 これからのクリスマス・お正月までのホリディシーズンは、日本では師
走の気ぜわしい時期と重なりますが、1年で一番ウィルスメールが出回る
時期でもあるのだそうです。

 ご用心を!

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━[MUSICA MUNDANA]━━
  ==================== * MUSICA MUNDANA * ====================
     ■発行人:文責:TeleScope   ■発行:MySouda
   ======================================================
====================================================================
 Copyright 2005.SOUDA Masaaki(AIHARA Hiroaki) All rights reserved.
====================================================================
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━[MUSICA MUNDANA]━━


Original Skin by Web Studio Ciel