目次
[MUSICA MUNDANA No.50] 2005年3月30日発行
 
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 「MUSICA MUNDANA No.50」をお届けします。

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           MUSICA MUNDANA NO.50
             Mar.30.2005
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             ◆ 目次 ◆

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 ◎ 音楽史
    ◆教会旋法◆
 ◎ 数学史
    ◆プトレマイオス◆
 ◎ Homepage Updated (Mar.25.2005)
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 ◎ 随想
 ◎ あとがき
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━━[音楽史]━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 ◆教会旋法◆

 記譜法の起源だけではなく、全音階体系の起源もまたビザンティウムに
 ありました。アレクサンドリアとビザンティウムの理論は、ギリシアの
 形而上学的、数学的思考と用語を伝え、それらをそれまでにない大混乱
 の中に陥れたのですが、その一方で、実際のビザンティウムの体系は限
 りなく単純なものでした。

 簡単に言いますと、それぞれ二つの分離型の全音階テトラコードからな
 る8つの旋法の概念に基づくものでした。これらの旋法のうち、四つは
 「真正な」もの、つまり「正格」で、第一旋法はDに、第二旋法はEに、
 第三旋法はFに、第四旋法はGに基づいており、ギリシア語のアルファ
 ベットα,β,γ,δによって示されて、ネウマの線の前に置かれています。

 他の四つは、「変格(plagal(oblique))」と言われ、文字π,λで示され
 ます。対応する「真正な(正格)」旋法より四度低い「開始音 (starting
 note)」に基づいていました。しかし、旋法は、テトラコードの半音の位
 置が異なるだけではなく、ネウマで示される定型の旋律によっても区別
 されました。

 ビザンティウムの旋律は・・・一種のモザイクであり、その中に伝統的
 な旋律定型が、さまざまに結びつけられ、全般にはよく似ているが決し
 て同一でない模様を生み出していました。これらの旋律の定型には二種
 類あります。一つは、理想的な旋律型です。一方、実際に用いられる型
 は、テキストの使用目的によって異なってきます。他に、装飾とメリス
 マがありました。

 理想的な旋律型は、本質的な変化はなにも許容されていません。原則と
 して唯一の旋法、あるいは対となる旋法に限定されていて、旋法を区別
 する上で、非常に重要な要因となっています。装飾やメリスマは、この
 制限からはほとんど自由なのですが、それでも、それらは全音階体系の
 固定された点に結びつく傾向がありました。

 定型の旋律による作曲の原理は、もちろん、極めて古いもので、地中海
 全域あるいは地中海に近い地域の音楽に共通のものであったように思え
 ます。また、原理だけでなく、時にはビザンティウムの旋律定型そのも
 のが、西洋、特にミラノの宗教音楽に伝えられました。

 ビザンティウムの教会に特有のものであったと思えるのは、典礼年暦を
 通して体系的に旋法を使用していることです。それは、六世紀初めのシ
 リアの教会に起源を持ち、ダマスクスの聖ヨハネ(c.700-760)によって採
 用されたものです。オクトエコス(Oktoechos)、すなわち八週間の讃歌集
 (cycle)で--イースターには、第一旋法で最初の一週間の讃歌を、次の一
 週間は第二旋法で、というように第八旋法まで続き、再び第一旋法に戻
 るというものです。

 西洋で最初に教会旋法に言及するのは、アルクィンとアウレリアヌス・
 レオメンシスです。アルクィンは、ラテン文字化したギリシア語の名称
 --プロトゥス(protus),デウテルス(deuterus),トリトゥス(tritus)とテ
 トラキウス(tetrachius)--を付けています。アウレリウス・レオメンシ
 スは、様々な旋律型をすべて、特に冒頭の旋律型を知っていたようです。

 その旋法についての明確な教えは、プリュムのレギーノ(Regino of Prum)
 (d.915)の「ハルモニカ・インスティトゥチオについての書簡(Epistola
 de harmonica institutione)」の中に見いだすことができるでしょう。
 彼は、まだ、ギリシア語の名称--アウテンティクス(authenticus)、プロ
 トゥス(protus)、プラガ・プロティ(plaga proti)など--を用いています
 が。

 重要なことですが、レギーノは、恐らくトナリア(tonaria)(旋法や--ア
 ンティフォンの場合には-- それぞれの旋法の中で、カデンツァの定型で
 分類された典礼歌集)として知られる最も初期のものの編纂者であった
 と思われます。更に、初期の聖務日課書、トナリウム(tonarium)は、840
 年と 869年の間にメッスで編纂されたものです。--すなわち、アマラル
 が生きていた時代かちょうどその後のあたります。残念ながら、それに
 はネウマがほんの少ししか書かれていないのですが。

━━[数学史]━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 ◆プトレマイオス◆

 さて、今回はプトレマイオスの話をするのですが、その前にスミュルナ
 のテオンとチュレのマリノスについて少し。

 ハドリアヌス帝の時代(AD117-138年統治)にスミュルナのテオンという
 人がいました。アレクサンドリアのテオンと区別してこう呼ばれるので
 すが、算術と天文学に興味があり、エクスポジチオ(Expositio)というラ
 テン語の翻訳の作品の著者で一般に知られています。この著作は、プラ
 トンを読むのに必要な数学を説いていて、そのうちの二書、算術に関す
 るものと天文学に関するものが現存します。

 チュレのマリノス(Marinus of Tyre)は、ギリシアの科学者で、AD150年
 頃生きていました。彼は、古代の数学的地理学の創始者と呼ばれている
 のですが、それにふさわしい人でした。ヒッパルコス(BC150年頃)より、
 明らかに優れ、二つの座標、すなわち経線と緯線を唱えたことでその地
 位を確立します。彼の地図は、少し後に、天文学者プトレマイオスが認
 めることになる基準を定めました。しかし、彼の地図そのものは、私た
 ちには伝わっていません。

 プトレマイオス、すなわちクラウディオス・プトレマイオス(Claudius
 Ptolemaeus)の最も活動的な時期は、AD140-160年頃でした。彼は、平面
 幾何学でエウクレイデス(ユークリッド)が、円錐曲線でアポロニウス
 が、算術においてニコマコスが成し遂げたのと同様のことを、天文学に
 おいて成し遂げます。彼は、先立つ人々の発見を一つの論にまとめ、資
 料を体系的に配置し、上述の初めの二人のように、その著作は何世紀も
 の間、優れた標準として認められ続けます。

 彼の生涯については、アテネとアレクサンドリアで教えていたというこ
 と以外何も私たちには知られていません。彼のもっとも偉大な著作、一
 般にアルマゲスト(Almagest)として知られているものですが、それは古
 代の天文学の歴史について多くの情報を含んでいます。彼は、また、平
 面天体図(planisphere)、音楽、応用数学についても書きました。しばし
 ばプトレマイオスのものとされる光学についての優れた著作に関しては
 疑問があるのですが。

 アルマゲストには、地球の大きさ、特定の場所の位置、そして島や国の
 大きさに関するエラトステネスやポセイドニウス(Poseidonius)その他の
 人々の計算法についての要約が書かれています。天文学や地理学への数
 学の応用において、プトレマイオスは、ギリシア人の学者たちの間で群
 を抜く存在てす。また、彼は、60進法の分数の使用法をより詳細なもの
 とし、ヒッパルコスによってすでに用いられていた弦の表(the table of
 chords)を一層精巧なものとしています。また、平行線の公準についての
 論と、英語では一般にテトラビブロス(Tetrabiblos)として知られる占星
 術についての著作も書いています。

━━[随想]━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 3月27日は Easter Sunday、イースター、復活祭でした。

 「Maiharaの戯言」(http://maihara.seesaa.net/)に、イースターエッグ
 については書いたのですが、イースターラビット(バニー)のことは書か
 なかったので、ここでイースターラビットについて書いてみることにし
 ます。

 「ピーター・コットンテールがやって来た
  うさちゃん、尻尾を振りながら
  ヒッピティ、ホッピティ
  イースターがやって来る」
   "Here comes Peter Cottontail
   hoppin' down the bunny trail
   Hippity hoppity
   Easters on its way!"

 イースターラビット(バニー)の起源は、キリスト教以前の豊穣の民間伝
 承の中にあるといいます。ウサギは最も多産な動物として知られ、春の
 季節の新しい生命の象徴とされていました。

 イースターの象徴としてのラビットは、その起源がドイツにあるようで
 す。1500年代に、それに触れられた文書がドイツにあるからだそうです。
 最初に食べられたイースターラビットは、1800年代初めにドイツで、焼
 き菓子と砂糖で作られました。

 イースターラビットは、1700年代にペンシルバニアのオランダ植民地に
 やって来たドイツ人によってアメリカに紹介されました。イースターラ
 ビット(うさちゃん)がやって来るのは、クリスマス・イブに幼子キリス
 トがやって来るのに次ぐ子供時代最大の楽しみとされました。子供たち
 は、もしいい子にしていたら、イースターラビットは巣に一杯のカラー
 ドエッグを産んでくれると信じていました。

 子供たちは、家や納屋、庭の離れた場所に巣を作りました。男の子は帽
 子で、女の子たちはボンネットで。イースターバスケットが使われるよ
 うになったのは、イースターラビットが国中に広まった後のことです。

 「あら、ピーター・コットンテールがやって来た
  うさちゃん、尻尾を振りながら
  ヒッピティ、ホッピティ
  イースターおめでとう」
   "Oh! here comes Peter Cottontail,
   Hoppin' down the bunny trail,
   Hippity hoppity
   Happy Easter day"

   (参照:Easter on the net (http://www.holidays.net/easter/))

━━[催し物情報]━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 ◇室内実習「「春の野草かんさつ」」
  この講座では,文化の森を散策して春の草花を観察します。また,後
 半は,森でみつけた植物を顕微鏡をつかってじっくり観察します。小さ
 な花も大きく拡大すると,とてもきれいです。春のひととき,のんびり
 と散歩しながらいっしょに花探しをしてみませんか?
  ○日  時 4月24日(日)13:30〜16:30
  ○場  所 博物館実習室+野外
  ○講  師 茨木 靖(博物館学芸員)
  ○対  象 小学生から一般   ○定  員  20名
  ○申込方法 別記の方法で,4月14日(木)までにお申し込みくだ
        さい。

 徳島県立博物館のその他の催し物情報は、以下のサイトをご覧ください。
      http://www.museum.comet.go.jp/

━━[メルマガ紹介]━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 知人が発行しているメルマガです。興味関心のある方はどうぞ。
  「知」とIT/ビジネスへのTIPS
  金融と経済/「人生」のボスに、 自分がなる為のAtoZ
 URL http://kinyuu-literacy.hp.infoseek.co.jp/

━━[Homepage Updated]━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 ホームページ update情報

 落書き帖第166号
 Plato "The Republic" を読もう
   http://www2m.biglobe.ne.jp/~m-souda/cgi-bin/plato/wforum.cgi
 各国語で聖書を読む
       http://hpcgi1.nifty.com/m-souda/bbs6/wforum.cgi
 ロシア語初級コースのテキストを読む
       http://hpcgi1.nifty.com/m-souda/bbs4/wforum.cgi

 MySouda--惣田正明のホームページ
        http://www2m.biglobe.ne.jp/~m-souda/mysouda/
 TeleScope WebPage--MySouda Information Page
   http://www2m.biglobe.ne.jp/~m-souda/index.html (English)
   http://homepage1.nifty.com/m-souda/ (Japanese)
   http://www004.upp.so-net.ne.jp/mysouda/ (Japanese)
 AIHARA Hiroaki's Page (English)
  http://www2m.biglobe.ne.jp/~m-souda/mysouda/aihara/index.html

 [MUSICA MUNDANA]Doblog版 
        http://www.doblog.com/weblog/myblog/3403

 JavaScriptや DHTMLに対応していないブラウザをご使用の方、あるいは
 重くて仕方のない方は、[SIMPLE版]をご覧ください。

━━[あとがき]━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 一時期寒い時期がありましたが、このところ暖かくなって、いよいよ春
 本番ですね。桜ももう開花したところもあるようですね。

 そして、新年度の始まりです。今年もまた、新たな人生の始まりとなる
 人も多いでしょう。希望を持って生きていきたいですね。

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     ■発行人:文責:TeleScope   ■発行:MySouda
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