CADでテクニカルイラストを作図する
H9/ 01/24 登録
H9/ 03/07 更新
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アイソメ面から角度のついた面の楕円を描く その1

 さてみなさまはCADでアイソメトリック図を描く上で角度のついた面に楕円を描くと
きはどのようにしてますか。

  教科書的に描くと楕円分度器で角度、短軸の
 方向を求めで指定角度楕円を描く、などではな
 いでしょうか。

  CADの画面上では楕円分度器など無いので
 いろいろ工夫して、楕円分度器に代わるテンプ
 レートツールの使用でしょうか、問題なく楕円
 の描くことのできるCADがあるといいですね。

  その昔、(5年ほど前)私の所では当初は楕円
 は短軸、長軸指定の楕円しか描けないかなりPr-
 imitive なCADを使用していましたので、計
 算で求めるにも画面上で描くにもかなりの面倒
 なことをしなくてはなりませんでした。




   ↓

  1. 角度のついた面の楕円のはいる正方形を想定して、平面図
    を縦横変倍を掛ける前に短軸方向を求めておきます。

  2. 正方形の形と短軸方向が求められれば長軸は中心から90
    度ですから簡単に求められます。で、その長軸短軸と各辺
    の交点が求める楕円を長径、短径になります。

  3. 半径が求められていませんのでこれを一工夫します。
    最近のCADでは倍率指定が画面上の距離をプロットして決
    めることができて非常に便利ですが、そういう機能が無った
    うえ、さらに楕円は一度描いたら他の線分との交点すらもと
    めることができないCADでしたので七面倒くさい計算をや
    りました。

  4. 図の A B をの距離を求めそれらから
    倍率=Cos(tan-1(B/A))で求め、そこで今描いた
    楕円に倍率変更移動をかけてようやく角度楕円描画完成です。

   ↓

 なんと言う面倒なことをやっていたんでしょう。このような条件のCADで何かほかに
いい方法があったらいいちょっと教えてくださいな。
 当時より任意の平行四辺形のそれぞれの中点に接する楕円が描けるCADがほしいと思っ
てました。

最近のJWCADにはこれができるみたいですが、もう少し数値の精度がほしいです。
 今は平行四辺形であればその辺の中点に接する楕円を描くことができるマクロができま
したのでこの問題は困らなくなりました。

どうしてそうなるかの数学的な解析は自分ではできませんので発表はできませんが、現場
ではそれで十分ですのそれを使用してます、現在のところ問題は生じていません。
平行四辺形の3つの点を画面上でプロットするだけで楕円が描けます。
ああ便利便利!!

 これが結構便利なのは縦横変倍移動でイラストを描く場合、変倍移動を掛ける前に絵の
ほとんどの部分を描くことができます。
できるだけ多くの部分をかいておくのはアイソメの面で描くよりはやはり平面図を描くほ
うが少しはやさしいので・・・・。

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    アイソメ面から角度のついた面の楕円を描く その2

     楕円分度器がなければそれとその機能をCAD持たせればいいのでそれなりのツールを
    作ります。
     アイソメトリック面を表すとき本によってX面、Y面の方向が違う場合がありますがこ
    こでは左上がりの短軸を持つ面をX面とします。Z面はほとんど同じ様です。

     Z面で考えてみますと、アイソメ軸からの回転角を入れてやるか画面上で指定してやる
    とと図の考え方から短軸方向と縮み率を求めることができます。

    数値で画面に出すか描画させるかはあるいは内部の変数に取り込んで使用するかは、使い
    方次第です。

    私の場合は画面上に指定角度とその90度方向の楕円とそれに対する短軸の縮み率倍の短
    軸を引くようにしています。

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    等角投影法による作図のためのツール

    CADを使用してT.I.を描いておられるかた、これからCADによる作図をしようとしているみ
    なさん、立体面として描かれた線同士にRをつける場合どのようにしてますか?
    「すでにCAD機能にそれはあるよ」というCADをお持ちの方は別にして、概ね次の様
    な方法を採られているのではないでしょうか。


    1. 半径rのRをつけようとするそれぞれの線からそのXYZ面にみあった、
      半径rの楕円を描く
    2. それぞれの楕円の接線をとり、その交点を求める。
    3. 交点を中心とした半径rの楕円を描く。
    4. 不要な線を消す。
    5. 線の調整で完成。


     だいたいこのようになるのではないでしょうか。これはマクロ機能を持つCAD を持って
    いる方はマクロに依る作図を試みましょう。
    もうやってらっしゃる方、どのようにしておられるか教えてくださいませんか?
    私の場合はExpertCADに含まれるマクロ言語で組み上げました。これはBASICに似た言語で、
    構造化とあまり縁のないものですがマクロがあるというだけでそれなりに便利です。
    仕組みは次の様なループのない簡単な構造です。

    1. 楕円の短軸方向短軸長軸比を求める。
    2. 2つのRをつける線を選び位置傾き角度を求める。
    3. 求めた値よりRの中心と線と楕円の交点始点終点の2つを計算する。
    4. 半径r、始点、終点、の楕円弧を描く。
    5. 直線を調整する。

    作ってみるとこれが結構役に立つツールで是非ご覧のかたどうでしょうか?
    詳細を発表してみたいのですが、ExpertCad 以外では動きませんので・・・・・。
    こんなことをやるより任意の楕円でRがつけられるCADもってる方がうらやましいです
    ね。
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    平面の図形がある場合の立体図ふうに変換する

     平面図形がある場合これは大部分のCADはこれを立体図の一つの面に変換できます。
    縦横変倍の移動または複写コマンドを使用するのです。CADで立体図を描かれている方
    はご存じと思います。
     私の社内では縦横変倍のコピー機が販売される頃私が開発したのですが、後に情報を集
    めてみると同じ時期他のCADを持っている会社でも同じような発想でCADで絵を描い
    ていることを知りました。
     アイソメトリック図において、一つの面を平面と立体風に見える絵を比べると、元の平
    面の45度、135度方向にそれぞれ伸長、短縮が施されていることが分かります。
    であれば元図を45度または−45度傾けて、縦横変倍移動(複写)を掛け、さらに60度
    または−60度傾けますと見事にアイソメ変換された絵ができあがります。

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    スケッチから描いていく


     CADによるテクニカルイラストの投影法を使用
     した方法では作画しにくいものもあります。
     図面の供給がなくサンプルの現物を作画しなくて
     はならないようなものなどは一般にはスケッチ
     (仮に図面を描く)→図面→T.I.と手順を踏みます。
     実際には寸法を測りながら直接絵を描いて行く場
     合がほとんどですが。
     さらに曲線の多いものの場合はラフな、スケッチ
     からトレースを重ねて下図を描いて行く方法も取
     ります。
     例はそのようにして描いて行く過程です。
     この方法は結構多くの方が採られているのではな
     いでしょうか。


    1. 組み合わせる他の部品の投影法に合わせて基準線を引いてそれに合わせてスケッチしてい
      きます。
    2. トレースを重ねて輪郭をはっきりさせていきます。
    3. 墨入れします。(CAD使用する場合 映像→ベクトル変換て線データとして取り込む)当
      然ながら絵が下手ですと品物とは違ったものになります。
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