Mail ・・・ とそのごへんじから
2000/03/**
modoru

 以前に寄せられたメイルから、メイルとそのご返事のダイジェストを載せてみました。
ここに書かれたことについてご意見などありましたらここにメイルください。

 ここに書いたことは当然のことですがあくまで私の立場からの見方ですし、これが絶対間違いないとはかぎりませんし、また必ずもすべてのT.I.関係者からの賛同を得られるとは思いませんのでそこのところ、お含みおきください。
そのうえで何かの参考になればと思います。

−−−『 』 内はあとで追加した部分 −−−



Re: 始めまして。長い質問で恐縮なのですが・・・
Date: Wed, ** Mar 2000 10:36:01 +0900


>  (設計、製図にかかわってる訳じゃないのにCADの勉強をしている・・・・)

(ちょっと感想)CAD はその名の通り、設計、描画の支援のソフトですので道具の一つとして使いこなせた方ができないよりはいいと思います。
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>  テクニカルイラストというのは独学でも・・・

結論から申し上げますと できます!『これからやられる人はがんばってください!』
その基礎理論的なことは「図学」の分野にあり、平面幾何の応用面の学問と言っていいのではないでしょうか。 『 えらそうなこと言ってしまいましたが・・・・。』
これは実際に絵を描くときにその理論を必要とすることは少ないので意識することはないと思います。
テクニカルイラストの中心を占めるのはやはり線画でアイソメトリック図なのでこれを描けるようになればその後にダイメトリックなどに進む方が進歩が早いと思います。
小難しい理論は必要に応じてやればいいと思います。

ただ、始めにある程度の機械図面の読解力はいります。
基本を全部学ぶ必要はありませんが、三角法の基本、寸法の見方、機械製図で使用される簡略記号が読めればT.I.を描くことはできます。
基本的なことを覚えたらあとはひたすら数をこなして慣れていくほうがいいと思います。

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> の場合、まず機械製図の基本から学んだほうが良いのでしょうか?

前述のとうり、基本的な約束事は覚えておいて損はありません。『というより覚えなければ仕事にならない。』

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> それと手書きが少なくなってるとはいえ、
> やっぱり手書きの勉強もしていたほうがいいのでしょうか?

 ここのところはちょっと難しいですね。
ちょっと本屋さんに行って、飛行機関連の本や今はもう無い蒸気機関車の本などめくると未だに手描き墨入れのイラストが使用されているのが分かると思います。
その昔描いたイラストを再利用しているのではなく明らかに最近の物と見えます。
未だに手描きのイラストが使用されているのです。
 手描きの場合墨入れ作業の無い仕事はほとんどないでしょうからこれが問題です。
実際にこれから手書きのイラストを勉強して墨入れで仕事になる物を描けるまでには相応の年期が入ります。
人にもよるのでしょうが1年かかってもきちんと墨入れのできない人は多分ずっとできないと思います。
今、墨入れの仕事のできる人はそれ以前に相応の仕事をしてきて、生き残ってきた人たちです。(手書きは墨入れ仕上げが命、と私は思っています)
 手書きでのテクニカルイラストレーターは生き残れればそれなりの仕事も収入も得られると思います。でもその人が実際やってみないと向き不向きは分かりません。

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>>  テクニカルイラストレーターがどのようにして生き残ったらいいかは私にも
>>  はっきりとは分かりません。『Date:  Wed,09Jul1997のメイルより』

いろいろの面があると思います。

> 誰でも簡単にT.I.を描けるようなCADが出る時代がくるかも知れないということですか?

○私の考えその1
だいたいそのとうりです。
T.I.の仕事のほとんどは受注生産です。こちらで製品を作って売ることは少ないです。
アイソメトリック図を大量に外注に出すようなところでは大きいところは発注側でも CADを持っていたりします、単にコストの問題で外注に出していただけなんてことがままあります。
そこのCADがどんどん進化しています。そういうことです。
またAUTOCADなどがどんどん安価になって理論などそんなに考えなくても手軽に立体図が描ける現状ではそれをちょっとがんばって使いこなす人がいるとテクニカルイラストレーター専任は特に必要ない、となるのではないかと言うことです。

○私の考えその2
本屋さんで見る説書、技術書などの本にイラストのない本は希でしょう。絵『視角に訴えるもの』は必要なのです。
どういう絵が必要とされるかは発注側が決めるのは当たり前ですがそれに応えられないと仕事はきません自分たちは線画アイソメトリック図主体だからと、それだけにこだわっているといずれ仕事は少なくなるではないので考えます。
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> つまりテクニカルイラストレーターということだけでは
> この先、生き残りが不安になってくるということでしょうか?

何の職種に限らず『これから先』 "〜だけ" というのではそうおもいます。
これはどの職種でもそうですが専門職であったらそれ一つでは仕事をたのむほうも心許ないのではないでしょうか。
我々は "名人" と呼ばれる人間では無いのですから職人芸だけでは生きていけません。『異論のある方もいるでしょう』
専門領域の取り巻きの技術は拾得しておきましょう。
T.I.であればT.I.の検定もありますし、利用技術者はもちろん持っていた方がいいと思います。ついでにWORD、一太郎『さらについでにEXCEL』も扱えますよ、といった方がよりよいと思います。

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いままでの分およそまとめると

1.手書きはの技術はないよりはあったほうがいいが物になるまで時間がかかる無くてもできる
2.機械に関わる仕事をするからには基本的な図面の読み方は必要
3.T.I.の理論は独学でもできるが、絵を描くのは数をこなしてほうがいい


Subject:  Re: 初めまして←こちらこそ
Date:   Tue, ** Nov 1999

> テクニカルイラストレーションのお仕事に関心があります

よく「イラストレーター」「テクニカルライター」「POPデザイナー」あたりと間違えられていたりします。

> 通信講座で勉強を.

どのようなないようの通信教育かは存知あげませんがアイソメトリックなどの理論的基礎的なことはどこでも同じですからそれで十分と思います。さらに高度な描き方は参考書などを見ればそれも理解はできると思います。

「ここからは私の描いているようなテクニカルイラストを基準に」

 ちょっと心配なのは、今の通信教育でテクニカルイラストをどんなふうに教えるかは知りませんが、「鉛筆での下書き、ロットリングでの墨入れ」等手描きのことを言っていたら、その技術はこれからさき長く役に立つかどうか、私は疑問に思います。
私も'91〜'92年頃までは下図を描いて墨入れをなどやっていましたが、現在はもう鉛筆を持って下図を描く、等と言うことはほとんどありません。下図はともかく、墨入れで売り物になるイラストを描けるまでには少なくとも1年くらいはかかります。
現在はCADなどパソコン上で作業をすませて後はプリンター出力します。

 これからは図面を読む力、基礎(これは通信教育でもなんでも得られる)の他にテクニカルイラストの描けるCADを一本充分使いこなし、さらにその上でそれを加工できるソフトを使いこなせればベストかなと思います。
CADソフトは物によっては平面図から3次元変換を簡単にやってくれますから、何も知らなくてもできそうですが、やはり知っていて描くほうがいいにきまってます。
ついでに、これから先手描きのテクニカルイラストが消えるかと言えばそれはないと思います。
コスト的にパソコンを使用すると高くなるのと、納期の時間が無いときはどうしてもなれた人が描く手書きが早かったりしますし、Artisticな絵はやはり人の手でかかれた物でしょう。


Subject: Re:テクニカルイラストについて
Date:   Mon,22Jun1998

>通常の立体イラストの場合、3DCADを用いず、
>平面で直接ワイヤーフレームにて立体図を画いていくのでしょうか。
>3面図から立体を作り回転させる方法はとらないのですか。

 コンピュータ上で立体図を作成する場合、2次元平面に立体に見える絵を描いて行く方法と、すべてデータを3次元の空間座標値で持っていて色々の角度、方向からの視線で表現する方法とあります。後者はプレゼンテーションなどつかわれるようです。3DCADで断面形状を回転させたり平面から立体に変換して描いていく方法は後者になります。
 T.I.の仕事のほとんどは受注生産ですからどちらの方法を採用するかは、クライアントの要望するものができ上がればいいわけですから作成のコストと作成者の使いやすいものを採用するのが様になると思います。
 自分は、見る方向が決まっているいてそれ以外視点方向の絵は必要ない場合迷わず前者の方法をとっています。
というか3DCADが入ってないものですから、今度会社ではMicroCADAMを入れるとのいう話がありまして、2.5次元CADはできそうですが。


>また、この立体イラストの仕事もなかなか特殊な分野だと思われますが、
>需要としてはやはりあまりないのでしょうか。

 図に限定して考えると重要は狭くなるのですが取り扱い説明書などに描かれている絵はすべてテクニカルイラストの範疇に入りますのでそんな仕事でも描けるのであれば需要はどこにでもあります。私もそういう絵を描いたりします。
 簡単なイラストや図表は印刷やさんでちょこちょこと描いていたりしますし、この不況の元、外注に出さないで社内で描いてしまう場合も多くあるようです。問題はいかにして仕事をもらって来るか、だと思います。
 こんなところでお答えになりましたでしょうか。
 グラフイックデザインのお仕事もテクニカルイラストのうちではないでしょうか。

Dehadeha!


Subject:はじめまして!
Date:Wed,27May1998

>しのさんの仕事部屋拝見させていただきました。
>なんといっても英語がないのがいい!(英語が苦手でして(^^!
>テクニカルイラストに対する心構えとかありましたら

 こんにちは仕事部屋のあるじのしのさんです。英語は私も不得手で、そのようなページは今後も作成の予定はいれておりません。
 機械製図を勉強されているとのこと、今はやはりCADも使用されているのでしょうか。
 製図をやると当然テクニカルイラストもでてくることでしょうね。当HPが少しでもお役にたったようでうれしく思います。TIのページも」更新で新しい絵を入れたいと思うのですが、現役で仕事をしてますので、やたらにクライアントの絵を入れるわけにいかないのでなやんでます。なにせ売り物ですから。
 心構えと、言うほどのものは普段の仕事ですので余り考えたことはないのですが、今後手書きでテクニカルをやられるのであれば根気とひたすら量をこなすことでしょうか。
 理論は必要な時に復習することで間に合うとおもいます。
 CADで仕事をされるのであれば視力の低下を防ぐ算段と、また肩こりがでますのでそれを解消する方法をかんがえましょう。
 自分では普段の生活での中で、ものの形とハイライト線を見てしまうことはよくあります。ハイライト線はT.I.の表現の要と思います。

Dehadeha!


Date:  Wed,09Jul1997
From: Shinozuka<a-shino@mxd.meshnet.or.jp>

>最近テクニカルイラストレーション技能士に興味を持っているのですが、
>資格を取った後T・I技能士の方々はどのようなかたちで仕事に生かして
>いるのでしょうか?

 ということですが、残念ながら私はT.I.技能士の資格は持っていません。実は無くても仕事は出来るのです。バリバリ活躍しているかどうかは適当にやっているとしかいえませんが。
 どのような仕事があるかということであれば、至る所に広い意味のT.I.があります、身の周りの書類のほとんどに絵が描いてありますがそのほとんどが広義のT.I.といっていいです。
 自動車のパーツリストなどをご覧になったことはありますか?大企業の製品にはPL法の施行からは必ずといっていいほどパーツリストがついてます。あれの絵がそうです。大手の場合ほとんど社内または子会社の様なところで作成しているようです。


>『キャドとテクニカルイラストレーションの関係』

 CADについて誤解があるといけませんので一応説明を、CADは本来は航空機、機械、建築等の図面設計用に開発されたdrawingソフトです。
それが付加機能が充実されてきて設計の構造解析、3次元変換(2.5次元)などがついてきたものです。
ですから本来の機能しか持ってないCADには立体作成には向かないものも多いのです。
現状ではやはり3次元変換したままの絵では使用できない場合も多く、そのようなものは人が手直ししないと売り物なりません。
CADとT.I.の関係は、ズバリ「T.I.を描くための道具の一つがCADである。」と言いきりましょう。


>そのような中でテクニカルイラストレーションは生き残って行けるのでしか?

 T.I.は生き残ります。それどころかますます必要になってくるのは目みえて分かっています。文書だけの取扱説明書などが理解しにくいかを見れば想像がつくと思います。
だた問題はT.I.は残ってもそれを描く人間がどのようにして生き残ったらいいかは私にもはっきりとは分かりません。
が、T.I.がCAD化される方向にあるのは間違いありません。
(computeraideddesignではなくてcomputeraideddrawingに力点をおいたCADがT.I.にはむいている)
T.I.の基本的なノウハウはそう沢山あるわけではなく、そのようなことはよほどの数学音痴でも無ければ独学で半年もあれば充分学習と思います。
それ以外に機械(建築)図面が読めないと話になりませんが、これは約束事(図面の記号など)を覚えればどうと言うことはありません。
私の知っている範囲では本屋にいって入手出来るのT.I.の参考書は古いものばかりですが等角図の基本の理論は変わるわけではないので充分です。どの本を選んでもたいしてかわりはありません。
機械図面を読めることはT.I.に限らずいろいろ必要と思います、機械製図の本もいろいろありますがとくにこれと言ったものは思いつきません。
出来れば、専門学校のCAD科などで機械一般とCADを学びながらT.I.を勉強するのが以外と近道かもしれません。
いろいろ書きましたがなにか参考になりましたでしょうか、また、自分でいうのもなんですが絵のセンスが必要と思います。
まあ、自分で出来ると思って取り組めばだいたいのことは叶うのではないでしょうか。
目標があるのと無いのでは0と1ぐらい違いが大きいと思いますのできっと出来ると思います。



Dehadeha!


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