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MUSICA MUNDANA NO.49
Mar.01.2005
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◆ 目次 ◆
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◎ 音楽史
◆ネウマ譜◆
◎ 数学史
◆メネラオスとニコマコス◆
◎ Homepage Updated (Mar.01.2005)
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◎ 随想
◎ あとがき
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━━[音楽史]━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
◆ネウマ譜◆
ラテンのネウマ譜が間違いなく現れるのは9世紀半ばです。ネウマ譜と
は「符号・合図」などの意味を表すギリシア語のネウマ(νευμα)と
いう言葉からそう呼ばれるのですが、それ以前のものをネウマ譜と呼ぶ
には慎重でなければならないでしょう。というのは、ネウマ譜は後に古
いテキストに書き加えられることもあったからです。
このネウマ譜は、同一のものではないとしても、より古いビザンティウ
ムのネウマ譜と明らかに関係があるでしょう。最も初期のネウマ譜の例
が、トゥルネ(Tournai)の教区にあるサンタマン(St.Amand)の写本にあり
ますが、それは、グロリアのギリシア語テキストをローマ文字に音写し
たテキストの上に書かれているものです。平行して書かれているラテン
語訳には、何も付いていません。
10世紀になりますと、ネウマ譜は至るところに現れます。特に、現在
フランスにあたるところ--サンタマン、リヨン、パリ、ランス、コルビ
ー、メッス--やエッセン(ここにはフランクの宣教団があったところ)、
有名なトロープス曲集のあるウィンチェスターなどに。
ところが、現在までのところ、イタリアにはほとんど何もでてこないの
です。奇妙で疑わしいモデナの修道院図書館(Chapter Library)にある歌
の断片と、メッスの影響が見られるコモのいくつかを除けば。
ネウマ譜について最も早く著作した西洋人はアウレリアヌス・レオメン
シス(Aurerian of Leome)です。彼の「ムシカ・ディスキプリナ(Musica
disciplina)」は、9世紀頃のものと見られていますが、単にギリシア語
の名称をいくつか翻訳したものに過ぎません。もう一人の9世紀あるい
は10世紀の著述家、南ドイツの名前不詳の人は、ネウマ譜はリズムも
示すことができたことを明らかにしています。
声の抑揚は、音のアクセントと音節の脚韻で示されています。つまり、
アクトゥス(acutus)、グラヴィス(gravis)、キルクムフレクスス
(circumflexus)といった音のアクセント、ブレヴィス(短)、ロンガ
(長)といった音節の脚韻で。このアクセントからネウマ譜として知ら
れる図形(音符)が生まれました。
彼の専門用語のいくつかは、後の時代と同じではありません。しかし、
彼のネウマ譜が、上昇と下降、長短(ロンガは、恐らく、ブレヴィスの
およそ二倍の長さ)を示しているのは明らかで、小さな旋律の定型を示
すのに書き加えることもできました。単旋律聖歌は、この時代リズム的
に演奏されたということは、アルクィンの詩の韻律によって、確かめら
れています。それによれば、リズムは詩の音節の長短に基づいているこ
とを示しています。いくつかの写本ではリズムを表す記号が見られます
し、また歌う時、リズムを取るのに用いられた拍子木の記録なども残っ
ているのです。
━━[数学史]━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
◆メネラオスとニコマコス◆
ギリシア数学の衰退期に何らかの天才を示した人の中で、メネラオスは
最も優れた人の一人でありました。アレクサンドリアの生まれで、球体
について、特に球面三角形の幾何学的特性に関する論文を書いています。
彼は、98年にローマで天文観測をしたことでも知られています。球体
の論文の他で、彼の最も重要な定理の一つは、もし三角形を形作る三本
の直線が、横断線(transversal)で切断されるなら、共通の端点
(extremity)をもたない3つの線分の長さの積は、他の3つの(線分の長
さの)積に等しい、というものです。(メネラオスの定理)
算術についてのギリシアの著述家の中でも、最もよく知られているのは、
最も偉大な算術家というわけではないのですが、ゲラサのニコマコスで
す。彼は、エルサレムの北東にあるとある町で生まれ、恐らく起源1世
紀の終わり頃に生きていたものと考えられています。
ニコマコスは、音楽についての論文と算術に関する二つの書でなる著作
を書きました。私たちに伝わっているその算術は、失われて久しいより
大きな著作の要約にすぎないかもしれません。その著作のいくつかは、
ボエティウスに知られていたように思われ、算術に関するボエティウス
自身の論文を編集するのに用いられたように思えます。
ニコマコスは、当時アレクサンドリアで盛んであった哲学者の一学派で、
ピタゴラスの教えを復活させようとしていたネオ・ピタゴラス主義に属
していました。それで、彼の算術に関する多くの話の中に、かなりの量
のピタゴラスの数の理論が入っています。
時代は、知的衰退の時代でした。彼が、一級の著述家によって書き留め
られなかった分野の古代の教えを要約しなかったなら、私たちは、彼の
ことを決して耳にすることはなかったでしょう。彼の算術は、科学とし
て学問的に扱っているのではなく、むしろ哲学への導入(手引き)でし
た。それ以上に優れたものがなかったので、わずかに残っていた哲学の
学校でテキストとして採用されたのです。そして、ボエティウスが、そ
の影響を高めるために多くのことをしました。
ニコマコスは、エラトステネスのふるいに言及し、しばしば、ピタゴラ
スの教義を引用しています。彼は、著作の中で、ギリシアの九九の表の
初期の形のものを載せています。詳細な九九の表は、バビロニアの粘土
板で発見されているのですが、古代の蝋板のものを除けば、それより古
いギリシアの例は知られていません。中世では、それはメンサ・ピュタ
ゴリカ(mensa Pythagorica=ピタゴラスの表)と呼ばれていました。
ニコマコスのもう一つの著作、テオログメナ(Theologumena)は失われて
しまいました。現存するその名の著作は、後に編集されたものです。
━━[随想]━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
(このところ、このメルマガのために独自に随想を書くことがなかなか
困難になって、今回も「Maiharaの戯言」(http://maihara.seesaa.net/)
からの転載です。多少書き換えたところもありますが。)
◆涅槃会◆
今日2月15日は涅槃会という。
「あなたの宗教は?」と問われれば、「仏教です。」と答えることにし
ているわりには、仏教のことはほとんど知らない。まあ、「葬式は仏式
でします」という意味の「仏教徒」だから仕方がないが。(日本は、仏
教徒というと「お寺さんですか?」と言われるほど世俗化した社会では
あるが)
釈迦(釈尊)に関する三大行事(三大法会=三仏忌)の一つと言うことである
が、では「三大法会は?」と問われても答えることができない。
それは、仏生会(誕生会=花まつり)、成道会、涅槃会だという。
仏生会は誕生を祝う、成道会は悟りを開いたことを記念する、涅槃会は、
お釈迦様の入滅を記念する法要を行う日だそう。(成道会については、
前に少し書いた)
そして、今日が、その涅槃会 - お釈迦様の入滅を記念する日 - という
わけである。
日本では推古天皇の時代、奈良の元興寺(がんごうじ)で行われたのが
最初で、やがて全国の寺院に広まっていったそうだ。「涅槃」というの
は、サンスクリット語のニルヴァーナ(nirvana)を音写したもので、漢訳
では、寂滅、寂静、不生不滅などと訳された。涅槃には、「さとり」(証、
悟、覚)と同じ意味があるが、もとのサンスクリット語のニルヴァーナは
「吹き消すこと」「吹き消した状態」を意味することから、煩悩(ぼんの
う)の炎を吹き消した悟りの状態をいう。そこで、滅とか寂滅とか訳され
た。一般には、釈迦の入滅をさすことばとしても使われている。
伝承によれば、お釈迦様は、クシナガラにある沙羅双樹(さらそうじゅ)
のもとで、頭を北にし右脇を下にした形で亡くなられたという。八十歳
の生涯だった。仏式では亡くなると北枕にして寝かせるが、それはこれ
に習ったからだそうだ。
この日、各寺院では「涅槃図」を掲げ、『遺教経(ゆいきょうぎょう)』
(釈迦の最後の説法を記した経)などを読誦する。
釈迦入滅の日は、日本では陰暦2月15日だと伝えられているので、現
在では3月15日に行うところも多いらしい。南方の国では5月の満月
の日に行われるということである。
涅槃会にちなんでお寺や各家で昔から団子をつくったり、お寺では、お
釈迦さまに花団子などを供え、お参リの人に配ったリするる地方がある
そうだが、私は聞いたことがなく、こちらではそういう風習はなかった
のかなと思ったりする。(知らないだけかも知れないが)
山寺や涅槃図かけて僧一人 星野立子
━━[催し物情報]━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
<文化の森情報>
●第29回企画展「幕末の儒者 新居水竹」
日時:2/1(火)〜4/24(日) 9時30分〜17時
場所:県立文書館2階展示室 料金:無料
休館日:毎週月曜日・毎月第3木曜日(休館日が祝祭日と重なった場合
は翌日が休館)
問い合わせ先:県立文書館 (http://www.archiv.comet.go.jp/)
徳島県立博物館のその他の催し物情報は、以下のサイトをご覧ください。
http://www.museum.comet.go.jp/
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━━[あとがき]━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
気が付けば2月も終わりだった。この[MUSICA MUNDANA]、30日発行の
予定だが、2月だけは月末に発行するつもりであったのだが、不覚にも
3月1日となってしまった。
まあ、「こんなこともあるわいな」と言うことでご勘弁を。
このところ雪が舞ったと思ったら、翌日は暖かくなったり、まさに三寒
四温の毎日だが、これだけ寒暖の差が激しいと、体調も崩しやすいだろ
う。風邪などにはくれぐれもご注意のほど。
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