桃太郎一家の愛犬
ヤギリリーノワタシ
平成10年11月1日
ワンたし,桃太郎さんに連れられて小桃さんの学校に近くまで散歩がてら迎えに行くと,小桃の同級生とおぼしき姿,すると,遠くから「ヤギみたい」という声が聞こえてきました。
ここまで,首を長くしながら,耳をたてながら,探しながら来たのに小桃さんでないので,がっかりです。
小桃さんならヤギみたいなどと言わずに「リリー」とすぐに呼ぶはずです。
その方々は「かわいい,ヤギみたいな犬。」と言いながら近づいてきました。
ワンたしは,この一同は苦手な方々と気配を感じ尻尾を下げて逃げ腰の有様なのに,撫でようと更に近寄ってきます。
桃太郎一家の三親等以内の身内にしか触られることが少ないので慣れていないため警戒を心がけています。
「なんという犬なんですか?」と聞いてきますが,ワンたしは答えられないので,桃太郎さんが代わりに答えました。
「ヤギのように見えましたか?,実は,ネバーエンディングストーリーの映画に出演していた長い耳のファルコンに似た,1代新種の犬です。」と紹介しました。
ワンたしが無口でなく,ワンくちなので桃太郎さんは勝手な紹介をします。
「名前はリリー,利口なんですよ,オネエさんを迎えに行くところ,イチと言ってご覧。」と指1本を示します。
またまた,はじまった,ワンたしを自慢するより,桃太郎さんが見栄をはっています。
「ワン」とエイゴで答えると,一同方々「なーんだ」といつものアキレタ犬という交流です。
しかし,桃太郎さんはそこからがヒトアジです,2本の指,3本の指,そして左手5本と右手2本同時に示す動作をします。
その指の数だけ「ワン・ワン」,「ワン・ワン・ワン」とワンたしはエイゴします。
するとたちまち,「本当,リコー」,「リリー・リリー」と人気者になっていくのを感じます。
「セイコー・セイコー」と桃太郎さんが得意げです。
でも,散歩のときは,のどが乾くので,ハスキー犬でもないのに,ハスキー声になってしまいます。
「オネエさんて誰ですか」と聞かれ,「小桃です。」と桃太郎さんは答えました。
すると一同方々「さすが,飼い主がリコーだと,犬もリコーだ」と言い出すのでした。
どうやら小桃さんは,ワンたしの思っているとおり,学校の成績が良いようです。
11月1日は,「ワン・ワン・ワン」の日だと,勝手に決める桃太郎さん,記念にとドック・ハウスのベットマットを,680わんえんで買っていただき,ムース・シャンプーで手入れをしてもらいました。
「シャンプーが880わんえんで,ベットマットが680わんえんということは犬の生活では,シャンプーのほうが価値があるのか」と桃太郎さんはヒトリゴトを言っていました。
きょうの日は,ヤギリリーノワタシはとっても幸せとおもいました。
11月11日は,水曜日なのですが楽しみになってきました。
来年の平成11年11月11日は,ワンたしどうしましょう。