離陸・上昇


離陸は飛行の始めです
滑走路に入り
離陸方向に向かって、ゆっくり停止します
そして全力でブレーキを踏みます
それでも今の戦闘機は、エンジンをちょっと出すと
ズルズル前進してしまいます

ブレーキは3000psiの力で
十数枚のディスクを噛みますが
それよりもはるかにエンジン推力が大きいのです

ズルズル滑りながら簡単なエンジンチェックを実施します
その間に、離陸のクリアランスを受けます
「Clear For Take−off」
これで離陸開始です

ブレーキを離し
80%で安定している
両方のF−100−P&WIHI−220エンジンを
ゆっくりMILまで進めます
DEEC制御された、220は瞬時に
MIL位置で安定し パイロットからの次の指令を待ち受けます

FTIT、RPM、NZをチェック
正常指示を確認し
MIN A/Bにスロットルを進めます
直ぐにNZが反応し プリオープン

軽いショックで着火を確信し
さらにスロットルをMAX A/Bに進めます
すると、背中をシートに押しつける感覚と共に
ぐんぐん30t近い機体を加速します

約150ktsゆっくり操縦桿にバックプレッシャー
この間リリースブレーキから約15秒
距離1000feet程度
θ10゜程度を保持すると
直ぐに機体は、空中へ浮揚します

浮揚を確認したら直ぐに脚とフラップをUP
遅れると、オーバースピードしてしまいます
脚フラップのUPを確認し
さらに上昇速度まで加速します

上昇速度のスケジューリングは
機体や搭載物や任務の種類によって
バラバラです
通常はVyを使用しますが
推力の大きな戦闘機は
何ktsでも問題なく上昇してしまいます

ちなみにサターンロケットの上昇記録を破ったのは
インメルマンターン上昇をしたF−15です

約300〜400ktsに達したところで
2G〜3G程度の引き起こしで
θ約60度にします
45度が通常ですが
操縦に自信があれば60度も問題ありません
それでも加速は続きます

上昇引き起こしの地点は
滑走路中央からややデパーチャーエンド付近になります
所望の高度にレベルオフするためにハーフロールをうって
背面にします
θは−30度

普通の航空機の場合上昇姿勢は数度ですので
レベルオフのためには
上昇率と同じ量だけの高度のリードを持って
ゆっくりプッシュオーバーしますが
戦闘機の場合上昇率が桁違いなのと
上昇姿勢が大きいために
同じ方法をとると
リード高度は、パワーを絞っても
5000feetぐらい必要になります

所望高度手前2000〜3000feetぐらいで背面にすると
頭の上に、今上がってきた滑走路が見えます
背面のまま上昇し
所望高度で、背面レベルオフ
上昇率が止まったところでまたハーフロール
これでレベルオフ完了

あとはパワーを絞って巡航です

ちなみに、クリーンの15は3分足らずで
対流圏を突き抜けます