現代の航空機開発には
シミュレータは不可欠な物です
これなくしては安全な飛行試験は出来ないと
言っても過言ではないでしょう
今回は、実際のシミュレータについてお話です
シミュレータと言っても、使用目的によって
いろいろの種類があります
身近なのはMSFS
そうあなたのPCでも直ぐに出来る物です
しかし、世の中にはこの他に飛行機用シミュレータはいろいろな物があります
計器飛行練習用の簡単なリンクトレーナーから
スペースシャトル訓練用の大規模な物まで
大きさ内容は様々です
今回は全ドーム式の空中戦可能シミュレータのお話です
全ドーム式シミュレータは
国内に多分5台程度あると思います
ADTW、TRDI、MHI、KHI、FHI、でしょうか
これ以外にもあるかも知れませんが
私が搭乗したのはこのぐらいです
全ドーム式シミュレータは、ほとんど実機と同じ感覚です
まるで本当に飛行しているようです
横に立ってる見学者は、思わずひっくり返るぐらいです
ただし、モーションは無いのですが・・・・
何かにつかまってないと
倒れてしまいます
なにしろ景色全体が動くので
平衡感覚は全くなくなります
だから、本当に飛んでる気分になれます
また、飛行機も自由に特性が変えられ
F−15であたりF−4であったりF−2であったり
同じシミュレータで、直ぐに機種変換できます
ではそこでの空中戦です
ADTWにあるシミュレータは、最大8個までの自由機動をする
飛行機が出演します
だから、その数だけパイロットが必要なんです
しかし、組織戦闘や、多数機戦闘をシミュレーションするには
絶対に必要です
AIが発達したとは言え
コンピュータが計算した機動をとる
飛行機は、全くお話になりません
最初の1回ぐらいは
それなりに飛行しますが
2回目からは、パイロットに機動を読まれて
戦闘にはなりません
だから、実際にパイロットが操縦する
僚機や敵機が必要なのです
PCでもNET上で戦えれば
更に面白いでしょうが
通信速度の問題で
おもしろさは半減です
国内の5台の全ドーム式シミュレータをつないで
戦闘すれば最高に面白いと思いますが
これも、時間遅れが大きく
実用までにはかなりの時間が必要でしょう
ちなみに自分の乗ってるシミュレータの
画像時間遅れが1/100秒程度発生しても
操縦感覚は、異質な物になります
これでは、もう飛行機のシミュレータとしては不合格です
ですから、遠方のシミュレータ同士で戦うには
なんとかして時間遅れを最小にしなくてはなりません
このため、理想的には同じドーム型シミュレータを
並べて作り
戦い合えば、実機に近い感覚で訓練や評価が出ます
でも問題は、値段です
シミュレータは実機と同じ様な値段です
2つのシミュレータを置いたら
実機2機分です
コストパフォーマンスを考えたたら
ちょっと無駄な気がします
そんな事はともかく
実際の飛行感覚です
残念なことに、現在国内にはモーションを持った
ドーム式シミュレータはありません
ですから戦闘機で重要なG感覚や体感は
Gシートによって与えられ
実機とはやや異なった感覚です
それでも熱中すれば、ほとんど飛行状態と同じです
そこで戦闘します
多くのシミュレータは、敵機の操縦はPC画面とジョイスティックでやります
ですからこちら側は、あまり操縦感覚はありません
ただしMHIにあるシミュレータは
このほかに直径2mほどのミニドームがあり
大きなドームとミニドームで本格的空中戦が相互に可能で
かつPC卓でもう1機飛行可能です
ミニとはいえ
全ドーム式ですから
内容は大ドームとほとんど変わりません
これで空中戦をやるのです
実機では味わえないミサイルの飛翔の観察や
撃墜の感覚
ミサイルがHITして落ちていく敵機の姿等
本当にリアルです
私も本物は見たことありませんが・・・・・・
多分本物もこうなのでしょう
ちょっと趣味の世界に走りすぎましたが
面白いことには変わりありません
そのうち全ドーム式シミュレータをセガで安く作って
アミューズメントパークにでも置く時が来るでしょう
現在は、余りにも高価で一般には開放していないのが残念です
話がそれましたが
本当のシミュレータのすごいところは
まだ設計図しかない飛行機を飛ばせることです
それもかなり正確に
普通のシミュレータはすでにある飛行機を
模擬しているので
飛行機の性能特性は、簡単に入ります
しかしまだ飛んだことのない飛行機のシミュレータはそうはいきません
特性がわからないからです
そこで、設計図から模型を作り
それを風洞に入れて
各空力微計数を算出し
これをシミュレーターに入れて
運動を計算しシミュレーションするのです
一つ一つの部品の特性を入れて
それで大きなシステムの動き方を
模擬するのです
例を挙げると
地上走行シミュレーションでは
滑走路の特性
タイヤの特性
オレオやダンパーの特性
運動により変化する各車輪への自重のかかりかた
気象条件等
上げたらきりがないぐらいです
これらの全てを入れて
動かしてみるのです
すると予想される運動が発生するのです
ここで何かがちょっと違えば
運動は全く異なった物のなります
料理で言えば
材料1つ1つの味見をして
出来上がりを想像するような物です
ちょっと極端かな
それでも出来上がりは
想像とそれほど極端に違う物ではありません
技術者の能力の高さに感心する限りです
今回はあまり面白くなかったですね
この項目は近々削除もしくは改訂します
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