これは昔 インメルマンさんが 考えた 方向転換法です
速度エネルギーを 位置エネルギーに 変えて その上 針路が180度変える 事が出来ます
通常は 訓練空域で 低高度高速飛行から 帰投方向に針路を変更するときなどに 使用します
この方法の欠点は 頂点で 速度が きわめて低くなってしまうことで
その速度は 空中戦では 完全な 命取りの速度です
ジェット戦闘機の 低速からの 加速は 想像以上に とろいものです
同じ Mach数の加速でも
Mach.9からMach1.2までの加速は数十秒で出来ますが
Mach.4からMach.7までの加速は数分かかってしまいます
では 科目としての インメルマンターンです
開始要領は ループと同じですが
開始速度を やや 多めにした方が 頂点でのハーフロールが 易しくなります
ループの頂点近くになったら
(背面で 機種が水平線から 10度程度上 の時)
ハーフロールを 打って 背面から 回復します
その際の 注意点ですが
速度を確認する あまりにも失速速度付近の場合は デパーチャーする危険がありますので
ロールを止めて そのまま ループを続けましょう
速度を確認したら 迎え角を下げます
迎え角計があるなら それを参考に 無い場合は 気持ち迎え角を下げましょう
さもないと 大きな迎え角は 90度 ロールしたときに βに変わり
危険な状況になりかねません
また 飛行機は 空軸上にロールする物と 機軸上でロールする物がありますので
それによっても 操作が違います
普通の飛行機は 機軸中心に回ろうとしているので
できるだけ 迎え角を減らした方が ロールが楽です
逆に 空軸周りでロールする飛行機は
αがβに変化する事はありませんので この心配はありませんが
あまり 迎え角が大きいと コックピットからは 大きなヨーが発生したように 見えるので
そのときに 驚かないように する必要があります
大きな迎え角での ロールとヨーの区別は なかなか分かりません
どちらにしても 迎え角を減らして ロールした方が無難です
その上 ロールレートも 発生しやすくなり
きれいな インメルマンになります
JET戦闘機の場合は ロールによる ヨーの発生は 自動的に
修正されて ラダーを踏む必要は ほとんどありませんが
プロペラ機の場合は 必要以上に ラダーを踏んだ方が かっこいいインメルマンになります
もしロールして 機首方向が ずれるようなら
ロールアウトちょっと前に ラダーを踏んで 方向修正しましょう
僅かの ラダー操作ならば それほど 危険な状況にはなりません
ハーフロール 終わって ウイングレベルになったときに
機首が水平線上にあれば ロールは成功です
ここから 加速です
たぶん速度は 失速ぎりぎりです
出来るだけ早く 加速しましょう
低速で ふらふら飛んでいるのは 危険です
加速には 緩降下が良いでしょう
レベルで加速するのも いいですが
燃料と時間が無駄です
たぶん それなりの機動がとれるような 速度になれば 科目終了です
戦闘機ならば 250〜300kts でしょう
通常のインメルマンでは 高度上昇が 5000feet程度なので
科目開始前には 開始高度から 上 5000feetには 雲のない事を確認しておきましょう
頂点で 雲に入って ロールしたら 必ずバーティゴです
ちなみに 現在 急上昇時間世界記録は
F−15がうち立てた 連続インメルマンによる記録です
これは サターンロケットよりも 早いそうです
F−15なら 離陸して 加速
そしてインメルマン また加速
また インメルマン また加速
そして インメルマン これで 30000feetまで 上がれます
ちょっと きつそうだけど・・・・・